見出し画像

ある元ドルオタの独白

私はアイドルが大好きだった。

キラキラした衣装、魅力的な楽曲、顔のいい推し。
どれも私には眩くて、見ているだけで実生活の不安も忘れて夢中になれた。
推しグループのライブやイベントが決まれば脳死で遠征。グッズが出れば当然のようにお金を注ぎ込む。
そうする事で「人生において何かに情熱を向けて行動している」という実感を得ていた。
元々のめり込んだら一直線な性格をしている私は、推しグループが元気なら自分の人生がどうなってもいいと本気で思っていた。

今年に入って、推しアイドルグループが解散した。何の前触れもない、突然の解散だった。
今まで様々なコンテンツを渡り歩いてきて、飽きてから無くなる事はあった。
熱を上げている間に失うのは初めての経験だった。

絶望した。
しばらく経ち、メンバーが他の人と楽しそうにしている写真を上げたり、友人のオタクたちが別のアイドルに熱中する姿を見かけるようになった。

「私はずっと絶望してるのに、どうして?裏切りだ」

勿論、本人達は何も裏切ってない。勝手に私がそう思っただけだ。
それでも、その時の私は勝手に裏切られた気分になっていた。
好きな気持ちが転じて反転アンチになる人、別れて逆恨みで刺しに来る元恋人的な人たちもこういう心境なんだろうかと思った。私の場合は怒るというよりただただ悲しかった。私を置いてきぼりにして、周りの世界だけがどんどん進んでいる気がしていた。

悲しみを消す為に何かに新しくのめり込もうと、色々なコンテンツを見てみた。
好きだなと思っても、心のどこかで、「また裏切られて傷つくかもしれない」という不安がストップをかけた。

楽しいものにハマって現実を忘れたいという欲望。
裏切られて傷つきたくないという不安。
それともう一つ。
「また繰り返して現実から逃げるのか?」という、自分に対する呆れの感情。
本当はずっと感じていたのに目を逸らしていた3つ目の感情。

だって、現実を直視する事になったら何かしなければいけないじゃないか。

周りの人のように婚活でもする?
習い事?
仕事を頑張る?
またスピリチュアルにのめり込む?
行動の核だったアイドルを失った私は、自分が何をしたいのかもわからない。
でも、何か行動しなければ、生きていないのと同じだ。
何かを得た気になりたくて、睡眠時間以外16時間ずっとYouTubeを垂れ流していた。

半年経って、たまたま神様の見える子供たちの動画に出会った。前回も少し書いたが、初見で胡散臭!と思いつつお姉ちゃんの言葉に惹かれる物があったのでサロンに入った。ママさんや他のサロンメンバーさんの壮絶な話を見てると、アイドルグループの解散に絶望して入る人間なんて自分くらいだろうなと思う。(逆説的に言うと、壮絶な経験がなくても私みたいな変な理由で入ってくる人もいるので、お姉ちゃんの神様の言葉にピンとくる方は入ってみるのをおすすめする)

1ヶ月間、時間があればライブ配信アーカイブを見漁った。膨大な量があるので見る物には困らない。
「自分の中に人を入れるな」は、神様が何度も言っている重要ワードだ。
上記の文章を読んでの通り、私は自分の中に人を入れていた。というより、完全に自分を消して他人軸で行動していた。
「自分で深く考える」も、神様が何度も言っている重要ワードだ。
私は何故他人に軸を置いていたのか、私なりに深く考えてみた。

まず、アイドルに軸を置いていれば人生の事を何も考えなくてよくて楽だ。苦から逃げ楽に走るのは生物としての本能だ。
思い返せば、高校の時の進路決めで私は「自分で決めるの嫌だから昔みたいに生まれたときから職業決まってればいいのに」と友人に話していた。
勿論、実際に職業の自由がない状態になればブチ切れるだろう。「生まれのせいでこんな酷い人生になった」と先祖や世間を恨み、他人のせいにできる。
結局、自分の人生に自分で責任を取りたくないのだ。

また、アイドルに限らず何かに熱中して人生を傾倒している人に対して「人生を賭けていてカッコイイ」と思っている事にも気付いた。カッコイイという思い込みを持っているのだから、自分も無意識にそうなろうとしていまうのは当然の事だ。

「こんな事を繰り返していていいのか」といううっすらと感じていた自分に対しての呆れの感情は、神様の言葉を勉強をする事で明確になった。
このまま他人の軸で人生を行動していたら、本当に取り返しのつかない事になる。自分でちゃんと考えないと。

私は好きだったアイドルの事を一旦思い出さないようにした。
好きだったゲームやYouTubeからも距離を置いた。
一旦距離を置くと、今までなんでこんなに熱中してたんだろうと思えてきた。
世間の大半のものは、キラキラで人を夢中にさせるように作られている。それが悪い事だとは言わない。
勝手に人生の中心にしていた、私の使い方が悪かったのだ。

神様が見える子供たちの動画を見漁っている今の私も、熱中する事で今を見ないようにしているのかなと思う時がある。そうならないように、いつも気をつけて自分を見ていなければいけない。
私がやるべき事は、アイドルのヲタ活ではなく、何も考えずに婚活や習い事等の行動に走る事でもなく、神様が見える子供たちのファンになる事でもない。
自分の人生に神様の言葉を当てはめ、こうして言語化する事に熱中する。
それが自分軸を生きる第一歩になるはずだ。



※身バレしたくないのでアイドルグループ周りの詳細は一部フィクションですがそれ以外はノンフィクションです。ジャ○ーズ系ではないです。

頂いたサポートは、全額神様の勉強の為に使用させて頂きます。