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【七十二候】季節と言葉たち〜東風解凍

かつて暦として使われていた一年を五日ごと七十二に分ける七十二候。
その名称は気候の変化や動植物の様子が短い文で表されています。
美しい言葉なのでそれをテーマに、作家の方の名文や創作したエッセイを綴ります。

七十二候:
第一候 「東風解凍」
(2/4~2/8頃)

東風解凍(はるかぜこおりとく)とは、「東風が厚い氷を解かし始める」という意味で、春の気配が感じられる季節という意味です。

「東風解凍」の名文

東風(こち)吹かば匂ひおこせよ梅の花
あるじなしとて春を忘るな

東風と聞くと真っ先に浮かぶのがこれ。
菅原道真公の辞世の句。
涙が出そう。

ちなみに東風(こち)とは東から西に吹く風であり、春の風の象徴でもありますが、道真公がいらした大宰府から見ても都は東にある。
京都から吹いてくる風もまた、東風であり、そこにかかっているのでしょう。
泣く。

主人(道真公)がいなくなっても、梅の花よ、春を忘れるな(ちゃんと咲いていくんだよ)と。

道真公は誰もが知る、神様に祭り上げられた人間のひとり。
実家のそばにも天満宮があります。

小樽天神町の天満宮
小樽は雪が深い

菅原道真公は、家柄自体はそこまで高くなかったのですが、聡明で人柄も素晴らしく、文章博士という学問の最高位に就きました。
さらに醍醐天皇の時代には右大臣まで上りつめた。

それを危惧したのが、左大臣の藤原時平です。
(出たよ、藤原氏!
ちなみに私の祖先は武家ですが、藤原氏の末裔です苦笑)

彼らに嵌められて、道真公は大宰府に左遷される。
都での自邸を去る時に詠んだのがこの歌。
道真は2年後、本当に悲惨な日々を送った後、大宰府で失意のうちに病死したのです。

酷い話。

その後、勝手に祟られたと騒がれ
(天罰だと思われ)、
神様にするから許してたもれーと。
道真公は神に祭り上げられたのです。
まさに、「祭り上げる」
うむ。

文句も言わず学問の神様として、たくさんの受験生たちを助けてくださっている。

そんな梅の花を思い出す。

北海道は、ゴールデンウィーク明け頃に、桃も梅も桜も全部同時に咲くので、早春感はないですが。

今度京都に行ったら,北野天満宮に行こうと思いました。
太宰府もね!

七十二候の説明

「二十四節気」は、立春や夏至などを含む、半月(15日)毎の季節の変化を示すもの。
古代中国で暦として発達してきました。
これをさらに約5日おきに分けて、気象の動きや動植物の変化を知らせるのが七十二候(しちじゅうにこう)です。
こちらも古代中国で作られましたが、二十四節気が古代のものがそのまま使われているのに対し、七十二候は日本での気候風土に合うように改定されました。
その名称は、気候の変化や動植物の様子が短い文で表されているのが特徴的です。

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