マガジンのカバー画像

「今日は何の日」にちなんだ短編小説

42
「今日は何の日」をお題に創作した2000文字程度の短編小説集 2月19日から3月31日まで ジャンルいろいろ
運営しているクリエイター

記事一覧

3/31「それぞれの新生活」ショートショート

もうすぐぼくは、しょうがくせい。 ようちえんにはもういかなくて、しょうがっこうというとこ…

小木友月
1か月前
7

3/30「あなたの頭の中のイメージ、当てます」ショートショート

「今日はマフィアの日ということで、マフィアをイメージしてもらいます。いいですか、目をつぶ…

小木友月
1か月前
6

3/29「サイコパス?」ショートショート

「これに似たような話、ネットで見たことある」 「あれだろ、サイコパス判断みたいな」 「そう…

小木友月
1か月前
8

3/28「サイダーと魔法使い」ショートショート

しゅわわわわ。 氷の入ったコップにサイダーが注がれて、炭酸がはじける音が耳をくすぐる。 コ…

小木友月
1か月前
3

3/27「夜桜とうんちく」短編小説

近所にちょっとした桜の名所があるが、混んでいる日中にいくより、人が少ない夜に見に行くのが…

小木友月
1か月前
7

3/26 「さすがです品子さん」超短編小説

オレの彼女の品子は料理がうまい。 食品サンプルの会社に勤める品子は、良いサンプルを作るた…

小木友月
1か月前
3

3/25「偽物の恋」超短編小説

白熱電球のあかりが好きだ。炎のようなあたたかな光源を眺めていると、焚火を眺めているような気分になってなんとなく落ち着く。 蛍光灯やLEDにも白熱電球の色に近づけたオレンジ色の光を放つものがあるけれど、あれでは落ち着けない。やはり偽物はダメだ。本物にはかなわない。 ピロートークとでもいうのだろうか。 バーで出会った女性と情事を楽しんだ後のけだるくまどろんだ時間、ベッドで寝ころんだまま、柔らかな光をともす電燈を眺めながら俺がそんなことを言うと女性はゆったり笑いながら言った。 「

3/24「私のマネキン」短編小説

人里離れた山奥に、一軒の豪邸がある。2階建ての洋館だ。 そこには50代の女性が一人で住んで…

小木友月
1か月前
4

3/23「スジャータの恋人」ショートショート

仕事が終わり、疲れた体を引きずるようにして、わたしは会社から駅へ向かって歩いていた。 あ…

小木友月
1か月前
6

3/22「無人島にもっていくなら」超短編小説

「無人島に持っていくなら何にする?」 居酒屋で大学のゼミ仲間の集まり。オレはみんなに話題…

小木友月
1か月前
5

「ランドセル騒動」超短編小説

ついにわたしもこの問題に直面する日がやってきた。 そう、娘のランドセルどれにするか問題。 …

小木友月
1か月前
4

「春はユウウツ」ファンタジー ショートショート

「はあ……」 自室でひとり、しとしとと降る雨を窓越しにぼんやりと眺めながらボクは小さなた…

小木友月
1か月前
3

「音楽と女子高校生」ショートショート

やばっ。 満員電車の中、イヤホンを落としそうになっただけで、生命の危機に直面したかのよう…

小木友月
1か月前
7

「精霊」ショートショート

「今日、精霊の日」 「何それ」 「歌人の柿本人麻呂と和泉式部と小野小町の命日らしい」 「ほんとに?」 「いや諸説あるって」 「諸説って何?」 「これ付けておけば深く突っ込まれても逃げられる魔法の言葉」 「精霊と言えばあれだよな、お盆の」 「あれな、精霊馬」 「キュウリやナスに箸ぶっさして馬や牛に見立てるっておもしろいこと考えるよな」 「最初に思いついたやつ誰だろうな」 「そうとう暇だったんだろうな」 「もともとは平安時代に貴族たちが麦わらで作ったのが始まりらしい」 「優雅な