3/25「偽物の恋」超短編小説
白熱電球のあかりが好きだ。炎のようなあたたかな光源を眺めていると、焚火を眺めているような気分になってなんとなく落ち着く。
蛍光灯やLEDにも白熱電球の色に近づけたオレンジ色の光を放つものがあるけれど、あれでは落ち着けない。やはり偽物はダメだ。本物にはかなわない。
ピロートークとでもいうのだろうか。
バーで出会った女性と情事を楽しんだ後のけだるくまどろんだ時間、ベッドで寝ころんだまま、柔らかな光をともす電燈を眺めながら俺がそんなことを言うと女性はゆったり笑いながら言った。
「