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過去語り~底辺子役編②~

前略)底辺子役をやっていた。


読んでない人は前回記事参照してくれ。

今回からは底辺子役時代に体験した面白いエピソードを一個ずつ数回に分けて話していこうと思う。とはいえ、覚えていることと忘れていることがあるので完全に真実ではないことに留意してほしい。

また、一部伏字を使う。身バレ防止のためだが、ググればわかる程度のことなので、知りたい人は勝手にしてくれ。

ではいくぞおおおおおおおおおおおおおおおおおおお



<〇子の衣装がデカすぎて共演できなかった話>


これは私が小学校4年生の時の話。底辺子役として一年仕事経ったか経ってないかぐらいの時だ。

そんな時、マネージャーからいつものように仕事のメールが来た。

マ「小林〇子さんと共演できる仕事あるんすけどやらないっすか?」(意訳)


母「えっ!? 〇子!?(隠語みたいだな……)マジ?」

僕「誰それ?」

母「あんた知らないの!?紅白歌手よ!……でも、まぁ年が年だし。あんたテレビも見ないしね……知らないのも無理ないか……」

僕「はえ~すっごい。よくしらんけど……」

母「アンタやりなさいよ。どうせ書類選考だけみたいだし」

僕「ほーん?どういう仕事なの?」

詳細をよく聞いてみると

アイリス〇ーヤマのEC〇LUXという商品の宣伝CMの撮影らしい。しかも大人数での撮影じゃない。

アイリス〇ーヤマは子供の僕でも知っていた。有名家電メーカーだったから量販店とかでも見たことがあった。

香しい金の匂いがする。

僕「まぁいいけどw受かんないでしょw倍率高そうだしwww」

満更でもなくそう答えた。

ま、でもどうせ受かんないだろう……









マ「〇月〇日都内某所で朝八時から現場入りお願いしまーす」


受かった。


こういう大手企業の少人数CMは書類選考で落ちる可能性が十分にあったはずだが、普通に通ってしまった。

当時の僕は書類選考番長ともいうほどに書類選考の通りが謎に良かったのが、ここにも大きく発揮した。

母「受かったわよ! 朝八時からだけど……しかも遠い……」

僕「つらたん」

そんな感じで撮影当日。朝5時前に起きて5時半くらいの電車に乗った。

今でも覚えているのは寒い日だったということ。肌寒くて、家からも遠くて(それはいつものことだったが)、それに加えて共演者は大物だったものだから、結構緊張していたような気がする。

僕「おはようございます!○○所属のユズヒトです。本日はよろしくお願いします!(業界挨拶)」

スタッフ&演者「よろしくちゃーん」

こんな感じで現場入りしてモデルハウス?の二階の待合室で茶をしばいていた。

JK「よろしくね!」

僕「……よろしくお願いします」

JK「ねーねー何歳?」

僕「……小学四年で9歳です」

隣に座っていた演者は、可愛いくて感じの良い女子高生だった。

僕は当時「弟役」を演じることが多かったが、年上美人と絡む機会は少なかったので、話していても結構照れていたような気がする。

待機時間は塾のテキストで勉強していたりしていたのだけど、そしたら「私が教えてあげようか?」と言ってくれたりと優しかった人だった。

僕「嫌どす(照)」

母「ああ~ごめんなさいね~。この子頑固なので~」

今思うと、合法オネショタ展開だった。

俺は何をやっているんだ。


閑話休題。


少し時間が経つと演者や撮影準備が終わり、スタッフが今日の流れを説明してくれた。

ここで大きな爆弾が落とされることになる。

スタッフ「今日は最初に個別撮影をやったあとに、最後に全体撮影って方向でいくので準備のほどよろしゃーす」

スタッフ「あっそうだ。演者の皆さんに報告が、本日共演予定だった小林〇子さんの話なんですけど……」

「衣装がデカすぎて、予定していた画角とだと皆さんが隠れてしまうが急遽分かったので、〇子さんとの共演シーンは合成に決まりました」

「なので〇子さん別スタジオ向かってます!一緒には撮影しません」

一同「??????????????????」


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↑スタジオ来ない

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<と゛お゛し゛て゛た゛よ゛お゛お゛お゛!


俺は心の中で叫んだ。

いや、一応共演できるって楽しみにしてたのにね。それがないってさ。他の演者も同じこと言ってたけどさ。

てか最初から気づけよ。なんだよ衣装がデカすぎて他の演者映らないって。初めて聞いたわ。三年間でこれだけだよ。

結論。

ラスボス系紅白歌手はCM撮影すら衣装がデカい。


閑話休題。


これで今回の話の大部分は終了。

この後は個人撮影をしてから、隣のJKから二重にするシールを貼ってもらったりしながら残り時間を過ごして、全体撮影したら撮影が終了した。

夕方5時頃に終わった。

撮影時間にして約8時間。半分以上は待機時間だったけど。

この時のお給料は結構よくて、数万円もらえた。

時給換算だと4000円くらいはあったのだろうか。

グヘへ。これだから底辺子役は辞められねーんだ。

ちなみに、このCMは検索すれば今でも普通にネットで見れる。

……

とはいえこれでは締まらないので、最後に個人撮影で起きた出来事を簡単に説明して終わろうと思う。


個人撮影


撮影トップバッターは僕だった。

トイレで〇んこしている途中で霊体と化した〇子が急に現れて驚くというシーンだった。こうして要約すると電球のCMとは思えないけど、トイレの照明が例の商品だった。

話を戻そう。

驚く演技をしなきゃいけないのだけど、

「うわああああああああああああああああああああああああああああ」

みたいな感じで絶叫してくださいって言われた。

元々ここは合成するシーンだから、〇子不在は気にならなかったのだけど、監督が問題だった。

松岡修造バリの熱血だったのだ。

監督「声量が足らない!」

僕「ん。おかのした」

僕「うわああああああああああああああああああああああああああああ」

監督「違う!」

僕「うわあああああああああああああああああ」

監督「まだ足らん。もっと腹から」

僕「うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」


「違う!もっと声だせよおおおおおおおおおお」

スタッフ「いや、もう十分じゃ」

「まだ足らん。もっとだ。もっと腹からだせ」


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僕「うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」


監督「よし!おけえええええええええええええ」









※このシーンはカットされた。


いや、カットするならこんなに声張らなくても良かったじゃん。

ドア閉めっぱなしだった待合室の二階にも声届くくらいだったらしいよ。

というか途中で他のスタッフも止めてたよね?なにがダメだったの?

未だによくわからん。

(おわり)




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