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ピアノはうたう

バレンボイムさんの来日と急なプログラム変更に私のまわりのクラシックファンは沸いているようだが、ピアノソロはエル=バシャさんと小菅優さんがいれば概ね満足、という私は遠い海の向こうに思いを馳せている。

先日ベヒシュタイン・ジャパンでピアノを弾かせてもらうことがあって、思いが募るあまり「エル=バシャさんが来たら教えてくださいねっ」とお願いしていたら、エル=バシャさんの調律師さんのことを教えてくれた。


エル=バシャさんは、弾き込みで音が狂わないように調整しながら弾けるんだって。普通ピアノは弾き込むと一時間くらいで調律をやり直さないといけない。コンサートの休憩時間に調律師の人が直しているのを見たことがあると思う。ライトも影響するし、弾く曲にもよるんだけど、上手な人が弾くとあまり狂わず、子どもの発表会なんかはぐちゃぐちゃになる。


調律をし直さないでいいように育てて行くと、色んな条件が揃えばだが、熟成された、ビブラートのような、シンギングトーンと言われる音が出ることが、あるそうだ。ほんとかな。ベヒシュタインでなければ難しい、というのはそう嘘でもない気はする。

今日のバレンボイムさんは並行弦だそうなので、これまた特別な響きだと思う。行かれる方、楽しんでらしてくださいまし。

(2021.6.4)