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妻から出題された良問!!

 先日妻から、ある数学の問題を出されました。
 8月22日の夜に出題されたのですが中々解けず、ようやく昨日の朝、ようやく解くことができました。

 面白く有名な問題なので、記事で紹介させてもらいます。

 最後まで読んでいただけると、うれしいです!!

1 出題された問題

 下の図のような角度が与えられている時、$${∠x}$$の大きさを求めなさい。

図1 妻から出題された問題


2 解けそうなのに解けない!

 この問題の、解けそうなのに解けないところを書きます。

 今回のような角度を求める問題は、三角形の内角の和などの性質を使って、分かる角度をどんどん明らかにしていきます。

 まず、図2のように△BCEの2つの内角は分かっているから、残りの1つの角は、
$${∠BEC=180°-60°-50°}$$
    $${=70°}$$

図2

 次に、図3のように△ABCに注目すると、先ほどと同様に、
$${∠BAC=180°-80°-50°}$$
    $${=50°}$$

図3

 また同様にして、△BCDで
$${∠BDC=180°-80°-60°}$$
    $${=40°}$$

図4

 最後に、向かい合っている角(対頂角)は等しいので、図5の3つの矢印で示した角の大きさが分かる。

図5

 さて、これで求めることができる角度は全て求めましたが、これでは$${∠x}$$の大きさが分かりせん。
 なぜなら、$${∠x}$$を求めるためには、図6に「?」で示している角の大きさが必須だからです。

図6

 どうすればよいのでしょうか。

3 答えを予想する

 答えを予想することは、数学ではとても大切です。
 ゴールが見えれば、あとは逆算して考えればいいからです。

 今回の問題の場合、角度の大きさを求める問題なので、分度器を使って答えを予想します。
 きれいな図をかけば、分度器で答えの予想は十分可能です。

図7 答えの予想

 図7を見ると、おそらく答えは30°だと予想できます。

3 予想した答えから解決策を考える

 予想した答えから逆算して解決策を考えます。

 今回の解決策は、補助線を入れることです。

 どこに、どのような補助線が必要か考えればいいです。

 上述したように、この問題を解くためには、「?」の角の大きさが分かることが必要です。

(再掲)図6

 そのためにまずは、
 ①$${∠x=30°}$$と仮定します。
 ②そうすると、図6の「?」の角の大きさは80°と言えます。

図8

 次に、図8の80°だと分かるために必要な補助線を考えます。


 ③図9のような$${∠DAE=70°}$$となるような補助線AEをかきました。
 この補助線は△ADEが二等辺三角形になるようにかけばいいです。

図9


 図10のように、オレンジの角の大きさは40°です。
 もし$${∠BEC=80°}$$(〇で囲んだ角)であれば、△ADEは$${AE=DE}$$であることが言えます。

図10

 つまり、補助線BEがかければ、この問題が解けるかもしれません。

4 解法

 まず、辺BCと等しい長さの辺BEを作図します。(図11)
 このとき、△BCEは$${BC=BE}$$の二等辺三角形なので、
$${∠BEC=∠BCE=80°}$$
 また、△ABCは$${∠BAC=∠BCA=50°}$$より二等辺三角形。
 よって、
$${AB=BE=BC}$$

図11

 また、図12のように
$${∠CBE=20°,  ∠ABE=60°}$$
です。
 △ABCは$${∠ABE=60°,  AB=EB}$$の二等辺三角形だから、正三角形です。

図12

 最後に、△BCEで
$${∠BDE=180°-60°-80°}$$
    $${=40°}$$

$${∠BDE=∠DBE=40°}$$より、△BDEは二等辺三角形。
$${BE=DE}$$といえるから、
△AEDは$${AE=DE}$$の二等辺三角形。
$${∠AED=40°}$$だから、
$${∠ADE=(180°-40°)÷2}$$
     $${=70°}$$
 よって、
 $${∠x=70°-40°}$$
    $${=30°}$$

図13

5 良問だと思うポイント

 私は、この問題を良問だと思う2つのポイントがあります。

ポイント1 補助線をかく力が育つ

 この問題では、補助線を2本描かないと解けません。
 これは中々難しい。

 ですが、私がしたように、答えから逆算しながら補助線を考えるという方法があります。
 そのときに、補助線として描けるのは、二等辺三角形を作ったり、正三角形を作ったりする時だと理解できます。

ポイント2 正十八角形が隠れている

 図14のように、元の図の辺ABとCDを延長すると、二等辺三角形FBCができます。

図14

 この二等辺三角形は、正十八角形の一部です。

図15 正十八角形

6 おわりに

 今回妻が出題してくれたこの問題は、「ラングレーの問題」という有名な問題です。

 過去には灘中学校の入試にも出されたそうです。
入試でこの問題は厳しいですね笑

 でも今回は、入試ではないので分度器を使いましたし、解く過程を色々考察するのが楽しいかったです。

 また補助線を逆算で考えるというのは大事ですね。

この問題は、他にも解法があるようなので、興味のある方は挑戦してみてください。

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました!!

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