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空腹の訴えの言葉の意味を知れる内容になってます

介護を経験していると入居者様から
「お腹空いた」
という訴えを聞くことが多いと思います。

実際どのような対応がいいのか悩みの種の一つではないでしょうか?

・空腹感を満たすために異食してしまう
・食べたことを伝えても同様の訴えが続く
・食べたことを伝えて、「そんなことはない!」と怒られてしまう

なんていうトラブルにあるはずです。

実際どのようにしたらいいか分からずストレスを抱えている人も少なくありません。

認知症対応型施設を12年経験し、私の学んだ内容を伝えることで
「こういう理由だったのか」
「こういう対応していけばよかったのか」

というきっかけになればと思い、記事にしました。

よかったらご覧なって下さい。

空腹のメカニズムを知る

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そもそも空腹の訴えは認知症と関わりのある症状の一つです。

認知症の症状は「中核症状」と「周辺症状」に大別されます。

このうち中核症状は、認知症を発症すると例外なく現れるもので、物忘れが酷くなる記憶障害、日付や自分がどこにいるのかわからなくなる見当識障害といった症状が代表的です。

これに対し、周辺症状には徘徊や幻覚、不眠といったさまざまな症状があり、このうちのひとつに過食があります。

人が感じる空腹感あるいは満腹感は、脳下垂体の満腹中枢や摂食中枢と関係しています。

このうち空腹感は、血中の糖質、脂肪、インスリンといった栄養素が減少すると摂食中枢が刺激されると同時に、満腹中枢が抑制されることで起こります。

一方、食事によってこれらの栄養素が血中で増加し、満腹中枢が刺激されることで得られるのが、満腹感です。

認知症を発症した場合、この満腹中枢が正常に機能しなくなります。

さらに、食事をしても摂食中枢が刺激され続けることから満腹感を感じられず、過食が起こると考えられています。

ただし、周辺症状に関しては人によって現れ方が異なるため、過食に関してもすべての人に現れる症状ではありません。

つまり空腹感が本当に空腹かどうかも分からないのです。

ここで大事になっていくのは
・どういう行動が本人に納得できることであるか?
・どういうタイミングで訴えがでるか?

によって左右されます。

具体的な方法を考えます。

食器を置いておく

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食事を忘れている人に対して有効的な方法です。

食事したことの説明の動機づけにもなります。

食器を置くことによりトラブルが出てしまう場合はお勧めはしません。

食事の回数を増やす

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・1回の食事量を減らし、4回分または5回分を用意する
・食事とおやつの他に捕食を用意する

といった方法です。

・糖尿病でなければ満腹感を満たせるおやつを購入し、いつでも出せるようにする
・糖尿病であればカロリーゼロの飴などの好みのものを用意する

こういう対策をうつことで空腹感を満たすことができます。

特に制限がなかったら全然ありです。

食べることから意識をずらす

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・入居者さんが興味のあるレクをやってみる
・散歩をしてみる

などをして食事の意識を遠ざける方法です。

暇、退屈からくる空腹かもしれない時は効果的な方法と言えます

一番忘れてはいけないこと

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説明した通り空腹感は入居者自身でさえも分からない場合があります。

なので安易に
「食べましたよ」
と言ってあしらってはいけないです。

お腹すいたという事実は変わらないので、どの時間でもティータイムしながら雑談できる対応が一番は望ましいかもしれないです。

毎回同じ内容と見切らずに話を聞く姿勢は忘れないでください。

あまりにも訴えが続く場合は糖尿病の恐れがあるかもしれませんので、医師に相談などが必要になってきます。

まとめ

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具体的な方法を実践していく中で
・空腹の訴えがある時はどういった内容であるか
・どういうことをしたら落ち着いたか

日々の記録を聞き、これが答えと言った方法を見つけることです。

答えを見つけると
「こういうことを言いたいのか」
と分かり、介護がより楽しくなります。

介護にまつわる記事をこれからも配信しますので、よろしくお願い致します。

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