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新人介護士必見!認知症高齢者のイライラを和らげる衣類の選び方3つポイント

認知症高齢者の「辛い!」「イライラする!」は、実は衣類が原因かもしれません。

衣服を適切に選択することによって認知症を患っているお年寄りもケアをさせて頂いている介護職もお互い笑顔になれます。

1. 伸縮性のある前開きの服にして「できない」という自尊心低下を防ぐ

衣類の選び方

麻痺がないのに衣服を着ることができなくなったというお年寄りをみたことありませんか?
それは着衣失効といいます。
何気なく私たちがしている服を着る脱ぐという動作は実はとても複雑です。
上下、後ろ前、気候によって素材を選択するなど・・・認知機能が低下すると難しくなるのです。
前開きの服ならば上下、前後はすぐに分かりますし、介護職も説明するのに楽ですよね。
また、加齢とともに筋肉や関節が固くなり手が思うように屈曲できなくなり痛みが伴うこともあります。
そこで最悪なのは、伸縮性がない上からかぶるタイプの服です。
無理に手足を服に通して痛みが伴うだけでなく骨折したという事故もありますので注意が必要です。
加齢によって認知能力、身体機能の低下が見られたら伸縮性のある前開きでゆったりした服が適しています。

2.自立を促すためにボタン→マジックテープへ

マジックテープ 衣類

認知症の身体機能で何が一番低下しやすいと思いますか?
空間認識能力と手指の巧緻能力です。
巧緻能力とは、「巧緻性」と呼ばれる、頭の中でイメージした通りに体を動かす能力のことです。
ボタンが留められなくなったのは、手指の機能が低下しただけではなく、巧緻機能の低下も大きな要因です。
今は、ボタンやホックに見せかけつつ、裏はマジックテープになっているおしゃれな服もありますのでおすすめです。
また、マジックテープの服の取り扱いで注意しなければいけないことがあります。
マジックテープは、ゴミやほこりが着くととまらなくなります。
お洗濯をするときは、必ずマジックテープをとめて、さらにネットに入れることをお勧めします。
マジックテープの機能低下で、前が上手くとまらないイライラに悩まされているお年寄りもいることも忘れずに。

3. 素材は何を選べばいいの?

洋服の素材選び

伸縮性があれば素材は何でもいいというわけではありません。
皆さんも経験があるかと思いますが、高齢者の皮膚は乾燥しやすいですよね。
服を着脱するときに皮膚の落屑が舞う経験をしている方もいるのではないでしょうか。
乾燥が強い証拠です。
乾燥が伴うと必ずと言っていいほど発生するのが痒み。
痒いとイライラが増し集中力が低下します。
衣類によって皮膚の乾燥が引き起こされることがありますので衣類選びは重要です。
とくに気をつけなければいけないのが、肌に直接触れる肌着です。
現在は、あるメーカーから夏は、吸湿サラリのエ〇〇ズム、冬は吸湿発汗ヒ〇〇テックなど大々的に宣伝され巷では大人気です。
伸縮性があり格安であることから、ご家族が買ってきてくれて届けてくださいます。
しかし、加齢によって皮膚の保湿、バリア機能が低下しているお年寄りには不向きです。
化学繊維は摩擦によって熱を生み痒みを引き起こしやすく、また乾燥も増強させやすいと言われています。
昔ながらの自然素材の肌着に変えると、痒みが軽減されることが多々あります。
自然素材には、綿、麻、絹があります。
夏は吸汗に優れサラリとした質感の麻が向いています。
綿は、汗を吸収には優れていますが湿気がこもりやすいという欠点があります。
絹は、昔からを通して吸湿放湿・保湿保温にすぐれ皮膚にはとても良いと言われています。
しかし、高価であり洗濯など取り扱いが面倒なため、本人とご家族と相談のうえ準備しましょう。
施設ならば、自分の施設は絹の洗濯ができるかどうか確認が必要です。

まとめ

衣類は、本人の好みもあります。本人ご家族と十分に話し合って、快適に過ごせるよう適切な衣類選びを心がけましょう。


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