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小説集・詩集

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物書きとしての「私」の拙作たち
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#エッセイ部門

掌編『活性化エネルギー』

 その手をもう、私は知りすぎた。  彼は私の身体をゆっくり撫でながら、首筋を舐める。唾液が乾いたら臭うなと思いながら、私は声を漏らした。  彼の手が胸からお腹を経由して徐々に下っていく。ごつごつした人差し指を咥えた私の身体がちゃんと湿っているのを確認して、彼は避妊具をつける。身体が覆い被さるにつれて、ミシミシと軋めく音がした。 照明を付けていない真っ暗闇の中でも、私たちの行為に障りはない。まるで組体操をするかのように、二人は滞りなく身体を動かす。もう2年だ。慣れ切った手順。