パフォーマンスを発揮できない人と外資の日本人チームの悩み

なんとなく書きたくなったので書き出してみます。
ふだんに比べるとまとまりのない文章になっているかも。
自分の中で答えが出ていません。

まず、自分のやってることは

に書いた通りなんですが、いわゆるチーム内で「低パフォーマンス」な人に対して、どうすべきか、という議論が以前チーム内でありました。

外資では、当たり前のように低パフォーマンスな人については1on1での面談、定期面談、PIPなどの手段によって解雇プロセスが存在します。
(※そこは↓の記事で書いたことがあるので割愛します)

さて、今回起きたのはチーム内で低パフォーマーな人の問題が話題に上がりました。
現在自分のチームには2人の問題視されているメンバーが居ます。

Aさん、Bさんと称しましょう。

Aさんの抱える問題

Aさんは落ち着きがありません。
とにかく自己判断が多く、根拠がない行動が多い傾向にあります。
また、内部手順も読み飛ばし、自己判断のスキップが多くみられます。
いわゆる「多動」の可能性がある人ですね。

チーム内では比較的聞きやすい環境を作ってはいますが、一定期間を経過した人には、もともと求めている能力の部分、つまりサービスデスクにおいては「事象の整理」「情報の正しさの確認」について不明確だった場合、まずそこを確認するよう突っぱねています。
すると、Aさんは「言われたことだけ」をやります。
つまり、「これを問合せ者に聞いてください」というと、「なぜそれを聞くのか」は理解しようとせずとにかく「聞き」ます。
そして次に返ってきた回答をそのまま貼り付け、「こういう回答がきたんですが、何をすればいいですか?」と聞いてきます。
また、「自分で、チーム内にある様々な情報リソースを確認するよう」指示すると、「自分の認識しているリソース」のみで調べるため、間違った回答ばかりきてしまいます。
(例えば7つ道具があったとして、3つ以外を普段使わないので3つでしか調べてこないが、答えが別の所にある場合見つけられない)

この場面において、7つを3つに極力寄せるのはチームとしてやるべきことですが、そもそも7つを使って調べるようなプロセスにしてあるので、それを実施できず、分からなければ、質問文そのままで「丸投げ」をしてくるか、質問をせずに他チームに「丸投げ」をして、他チームから「一次窓口として何もしていない」というところで怒られたりします。

Bさんの抱える問題

Bさんはサービスデスクとして言葉遣い、文章の締めくくり方などは非常に丁寧です。
しかし、技術知識が浅く、「問い合わせてくるユーザーが何を言っているか分からない」ことが多々あります。
新人で入社3~6カ月程度であればまぁ仕方ないか・・・となるのですが、中途採用ばかりで集めたチームなので、当然Bさんも業界経験5年程度はあります。
が、正直言って「わからない言葉に振り回されて、調べても調べてもわからない言葉が増えていく」という悪いループに陥ってしまい、「自分は仕事が出来ない」「他人に迷惑をかけている」というところが勝ってしまって、本当に向き合うべき、「問合せ者が何に困っていて、何をしたいか」がそっちのけになってしまうパターンです。
そうして、失敗するたびにBさんは自虐に走り、メンタルもうまく保てなくなりつつあります。
読解力不足に加え、「自閉」の可能性があるパターンです。

メンターの悩み

Aさん、Bさんともに、主にメンターとしてついている2人がいるのですがその二人が「どうすればこの人たちできるようになるんだろう・・・」と頭を悩ませています。

そこで、自分がAさん、Bさんの性格に合わせた回答をしてみると、すんなりと業務ができます。
それをメンターの2人が真似してやると、それまたちゃんと業務が進みました。
しかし、それはいわゆる「答えにたどり着く道順を示して、そこを辿らせる」方法です。
つまり、道のナビに従って、その通りにしたから目的地にたどり着けた、当たり前ですよね。
それでは仕事としてダメなので、考え方(道順をどうやって調べるか)を身につけさせるために、考え方を教えてやらせてみると、Aさん、Bさんはまたその仕事が出来なくなりました。

そんな状態が続き、メンターの二人にも限界がきていたので、チーム議題としてリード陣でのディスカッションを行いました。

チームとしての悩み

チームにおいて、自分はいわゆる「顧客知識も、技術知識も十分に持ち合わせたスーパープレイヤー」であり、なおかつ「プロジェクトマネジメントやリード経験、要件定義や顧客折衝もできる」オールラウンダーです。
もちろん自身はそこまで驕ってはいませんし、他のリード陣やメンバーの得意とするところに弱い部分があります。
しかし、ただ単に持ち合わせているスキルと職務適性の適合率が高い上に、そういう仕事を好んで取りに行くのでできるようになっただけです。
上記のディスカッションにおいて、AさんBさんの出来ないことを指摘し、道筋を提言すると「誰もかれもが柚人さんのようにできるわけではない」という意見が出てきました。
そりゃそうです、経験不足かつ適性が合っていないからAさんBさんは苦労していますし、自分は適性が合っているからメキメキとスキルを伸ばしているわけで。
また、現在「人を減らさないと採用できない」状態にあり、減らしたあと入社までの準備期間、「減った状態でチームを回さなくてはいけない」という非常に不安定な状況が発生しています。
議論の結果、チーム内での結果は「保留」となりました。
1on1では既に「自覚」している、ということがわかっていて、改善方法も考えてはいるし、こちらからも提案はしている、がそう治らないのが現実です。
ここは、マネージャーが前にPIPの記事を書いた時には中国人だったのですが、そこが現在は日本人に代わっている、という部分もあるのかと思います。
日本企業で長く働いてきた人がリード層に入ると、終身雇用ではないことが当たり前の外資企業でも、日本企業のようになってしまうのも一つの問題かもしれません。

どうすれば解決するのか

職場において、それぞれの精神性に踏み込むことは非常にナイーブな問題と言えます。
しかし、そうとはいえ、問題が解消されなければ負担がかかる人が居て、そういった問題を抱え続けることはチームに大きな軋轢を生むことになりかねないので、早めに治療をしなくてはチームが苦しむでしょう。
チームとして出来ることをする(プロセスを見直す、素人でもできるようにする)のはもちろんですが、問合せ窓口のように無限のパターンの問合せがくる中ではある程度のパターンしか作れません。
また、本人が問題を解決する意志を持つことが重要ですが、いざ意志があっても行動に移せない、など次の壁にぶつかるケースもあるでしょう。
そういったときに支援してあげることも必要だとは思います。
自分個人の考えとしてはAさんもBさんも一度自分を見直すことが必要ですが、例えば性格診断などではやはり限界がありますし、心療内科受診などはハードルも高い、かつ昨今では受診者も多く予約待ち、なおかつ医師も当たり外れが多い、というところがあるのが現実なので、正解という正解はないように思います。

オフショアはどうなのか

自分のチーム以外の多くはオフショアのチームですが、とにかく人の入れ替わりが激しいです。
半年もすれば既存のメンバーがいなくなり、リーダーも含めて顔ぶれが変わっています。
そして、ちゃんとした指導もされていないので、きっちりきっかり、責めたもん勝ちな日本の仕事のやり方が求められる中で様々な問題を引き起こしています。
しかし、メンバーが病むことはほとんどありません。
なぜならオフショアのメンバーは低いレイヤーでは非常に安い給料(日本の比ではないぐらい)で雇われているケースもあり「自分の給料以上のことは知らんし、自分が知らないことは自分には出来ないとはっきり言う」ので、チームとしてハイレベルなサポートを求められていても「自分」を軸にもっているためです。
とはいえその中にはしっかりと自分を磨いてきた人もいます。
インドの会社なので、カースト制度はなくなったとはいえ、中にはまともな教育を受けられていなかったために下働きから頑張って、ようやく上り詰めてきた、日本でいう苦学生のような育ちをしてきた人もいます。
そういった人は基本真面目で、「自分が出来ないことでも挑戦する」ので苦労し、病むこともあります。

まとめ

日本の文化、海外各国の文化、外資企業文化、日本企業文化、様々あれど各現場で起きていることは基本的に変わらないと思っています。
ただ異なっているのは、個々人の環境に合わせた意識・文化・意志の違いであり、それらは千差万別としか言いようがありませんが、それらを分類しやすくしたのが学問であり、教育の重要な部分であると思います。

自分と同じ世代でも大きく仕事の出来に差が開いているように、若い世代だから、年配の世代だから、というカテゴライズもただのカテゴライズで、やはり人それぞれの進み方があるものだと思いますが、ある程度職場環境というものは組織で仕事をする以上、引き続き組織で物差しを測る必要があるのかな、と思います。

人に合わせた「生きやすくする方法」、永遠の課題、です。
心理学をもう少し深く学べば、答えは見つかるのだろうか・・・。

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