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バッハ シンフォニア第12番【解説】 BWV798(演奏動画付き)

長めに響くスタッカートや、オルゲルプンクト(保属音)、最後に出てくるバスのソロによってオルガン的な要素が多くなっている。3声で書かれているが、実質4声を想定しているつくりが随所に表れている。イ長調のもつ明るい響きとリズムの躍動感によって喜びを表現。


オルガン的要素

この曲には、オルガンを想わせる特徴が3つあります。
①8分音符と8分休符によるオルガン・スタッカート風の伴奏


②各終結句の前に出てくる長大なオルゲルプンクト(保属音)
③最後に出てくるバス・ソロ


擬似4声構造

間奏(9~12小節、20~23小節)の左手、16分音符による伴奏はバスと旋律に分けて考えることが出来ます。そうしますと、4声体として捉えることになります。
まず3声の形↓

下のバスを2声に分けます↓

そして、表現したい4声はこの形です↓

この形に直して、バスにシンコペーションのタイがあることがハッキリしました。
また、テノール声部と上2声とのハーモニーもより感じられるようになったのではないでしょうか。
1声の16分音符で見ているとなかなか浮き彫りになりづらい部分かもしれません。

また、7小節目後半に出てくるバスは4声目の主題が出てくることを期待させています。(結局出てきませんが・・。)

この曲が4声体の響きを狙って書かれていることが、窺えます。

構造

第一提示部(主調・イ長調)1~9小節
間奏9~14小節
第二提示部(平行調・嬰へ短調)15~20小節
間奏20~23小節
第三提示部(主調・イ長調)24~31小節

主調→(間奏)→平行調→(間奏)→主調
という、分かりやすい構造になっています。

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