【中小企業診断士について】②登録までの道のり

おはようございます。
本日は、「中小企業診断士」について、登録までの道のりや大変加減について、私の経験をふまえながら、振り返ります。

「中小企業診断士」になるには、まず夏頃に実施する第1次試験をクリアする必要があります。第1次試験のクリアを条件に、以下の2つの方法があります。(中小企業庁が公開している制度概要もご参考ください)

方法1:第2次試験をクリアして、実務補習などを修了すること

方法2:指定された登録養成課程を修了すること

方法1は、多くの方がとる手段だと思います。大変さ加減ですが、第2次試験は論述式の事例問題で合格率は例年、約2割ぐらいです。詳しくは、いろんな方が書いたり、勉強会とかも数多くあったりするので、ここでは割愛します。

方法2は、東京の中小企業大学校をはじめ、指定された登録養成課程を修了することです。期間は養成課程によってばらつきありますが、1~2年ぐらいかと思います。関東なら法政大や東洋大、関西なら大阪経済大や兵庫県立大の社会人大学院にコースなどに設定されています。(一覧はこちら)概ね、規定の年限で修了できるようですが、成績不振の場合は留年する場合もあるようです。

わたしは、本格的な勉強開始から登録まで5年かかりました。最初の3年は1次試験は毎年クリアしましたが、2次試験は合格まで少し足りず、受かりませんでした。2次試験で3回失敗したところで、「ちょっとやってられへんわ」と思い、養成課程も視野に入れて軌道修正し、最終的には名古屋商科大学大学院の養成課程を修了して、登録に至りました。

あまたの養成課程がある中で、名古屋商科大学大学院を選んだのは、
・住んでいる大阪にもキャンパスがあり、通学可能なこと
・関西の他の養成課程の入試が不調に終わったこと
につきます。ですが、いざ修了してみれば、さまざまな人脈を得たり、学びがあったり、大変でしたが非常に有意義だったと思います。

これから中小企業診断士を目指す方向けとしては、試験をクリアする方法と養成課程を修了する方法、それぞれ次のようなメリットとデメリットがあると思います。私の経験がベースになっているので人によって評価が分かれるかもしれません。どちらをとるかは、各人の価値観や目的意識などにもよってきますが、目指すまでの道のりを考える上で、参考にしていただければ、とてもうれしいです。

方法1:2次試験とクリアし、実務補習を修了する

(メリット)
○試験対策が豊富にある(予備校、勉強会、参考書など)
試験対策は、某●ACのような資格取得の予備校や、団体や個人が主催する勉強会など、さまざまあります。勉強法もいろいろのようなので、各自にあうものでいいかと思います。

○養成課程と比較して安価な場合が多い(個人差はありますが)
最低必要なのは、受験料は1次と2次試験あわせて約3万+実務補習約15万。それに予備校や参考書、勉強会の参加費がプラスされます。予備校だと、学校やコースによってばらつきありますが、数万~数十万ぐらい。あとは登録まで何年かかる(試験合格まで何年かかる)かで変わります。

(デメリット)
○試験と実践にギャップがあるかも(ペーパーテストと現場は違うかも)
試験はあくまでペーパーテストなので、現場とは異なる場合があります。また実務補習も後述の養成課程の実習と比較したら期間は短いです。よって、人により評価は異なるかもしれませんが、私は登録までの実践の積み方という面では比較的デメリットがあると感じています。

○独学だと人脈を得るチャンスを逃す場合もある(人によりますが)
これもどのように勉強するかで、個人差がありますが、仮に独学で勉強した場合、今後につながる人脈形成に不利な感じがしています。これは予備校で先生から聞いた話ですが、専門分野が各個人で差があるため、一人ではカバーしきれないこともあり、多様な人材との協力関係が必要だからです。

方法2:養成課程を修了する

(メリット)
○実習ではかなり実践的なことが学べる(時間をかけて深く議論します)
私が修了した養成課程では、実習に1か月かけて、ヒアリングや議論を通じて、その会社について深く考察していきます。また、指導員からは「明日から実践できる提案」を求められます。そういう点では実践には、養成課程のほうが有利に考えています。詳しくは次回に書きます。

○多様な人脈を得ることができる(業界、役職など)
養成課程では、いままでの自分とは縁のないような業界や役職の方と一緒に講義なり、実習なりをしていくことになります。例えば、医療関係の方とか、企業の役員とか。このような方とも一緒に講義や実習を行うことで、人脈形成や、違ったものの見方を得ることができると思います。

(デメリット)
○成績不振だと留年の可能性がある(私が修了した養成課程では顕著)
養成課程は入試もありますが、もちろん修了するための条件もあり、成績が芳しくない場合は留年、あるいは退学もありえます。当然ですが、規定の年数いればOKというものではありません。私のいた養成課程では、毎年数人は、半年単位で留年する方が出ているようです。

○試験をクリアする方法よりは、費用がかさむ(学費など)
とりあえず、カネがかかります(苦笑)費用は養成課程によって差がありますが、東京の中小企業大学校では、約234万(募集要項より)、私がいた養成課程では約350万は越えていたと思います。試験より、はるかにカネがかかります。ただし養成課程によっては、厚労省の教育訓練給付金制度が活用でき、費用を抑えられる場合があります。

以上は、私の経験などに基づくので、個人によって感じ方やメリット、デメリットに差が出てくることがありますが、いかがでしょうか。
次回は、私が修了した養成課程はどんなところ?、あたりについて書いてみようと思います。


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