第二回 白エルドラージでルールスを倒したい話(各論)

1.はじめに

これから、白エルドラージならルールスデッキに勝てるんじゃないかという夢の話をします。yuzです。

 もちろんルールスというのは、夢の巣のルールス/Lurrus of the dream-denのことです。夢から覚めたほうがいい、こんなエアプ勢に近い奴がが書いた記事なんか見るべきじゃない・・・

 そうかもしれません。しかし、白エルドラージが苦手なのはMUDであって、storm系のデッキにはコスト増加スペルの影響があり、アメジストのとげ/Thorn of Amethystを失ってもその輝きは消えていないと確信しています。

今日はこのデッキをどのように取り扱うか、デッキ構成から考察をしてまいりましょう。

2.デッキリスト

MAINBOARD
[Creatures] 26
2 封じ込める僧侶/Containment Priest
2 変位エルドラージ/Eldrazi Displacer
3 ドラニスの判事/Drannith Magistrate
3 輝きの乗り手/Glowrider
4 ファイレクシアの破棄者/Phyrexian Revoker
4 現実を砕くもの/Reality Smasher
4 スレイベンの守護者 サリア/Thalia, Guardian of Thraben
4 難題の予見者/Thought-Knot Seer

[Artifacts] 11
1 Black Lotus
1 虚空の杯/Chalice of the Void
1 魔力の墓所/Mana Crypt
1 Mox Emerald
1 Mox Jet
1 Mox Pearl
1 Mox Ruby
1 Mox Sapphire
1 太陽の指輪/Sol Ring
1 アメジストの棘/Thorn of Amethyst
1 三なる宝球/Trinisphere

[Lands] 23
4 古の墳墓/Ancient Tomb
4 魂の洞窟/Cavern of Souls
4 エルドラージの寺院/Eldrazi Temple
2 カラカス/Karakas
4 平原/Plains
1 露天鉱床/Strip Mine
4 不毛の大地/Wasteland

次に、仮想敵なるデッキを用意します。

3.仮想敵――BUW storm型Lurrus.

MAINBOARD
[Companion = 夢の巣のルールス/Lurrus of the Dream-Den]
[Creatures] 
2 アゾリウスの造反者 ラヴィニア/Lavinia, Azorius Renegade
1 瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage

[Instant and Sorcery]
1 悪魔の教示者/Demonic Tutor
1 ギタクシア派の調査/ Gitaxian Probe
1 商人の巻物/Merchant Scroll
1 思案/Ponder
1 苦悶の触手/Tendrils of Agony
1 Time Walk
1 ヨーグモスの意思/Yawgmoth's Will
1 Ancestral Recall
1 渦巻く知識/Brainstorm
1 時を超えた捜索/Dig Through Time
1 狼狽の嵐/Flusterstorm
4 意志の力/Force of Will
1 ハーキルの召還術/Hurkyl's Recall
1 精神的つまづき/Mental Misstep
4 逆説的な結果/Paradoxical Outcome
1 撤廃/Repeal
1 吸血の教示者/Vampiric Tutor

[Artifacts]
1 Black Lotus
1 睡蓮の花びら/Lotus Petal
1 魔力の墓所/Mana Crypt
1 魔力の櫃/Mana Vault
3 ミシュラのガラクタ/Mishra's Bauble
1 Mox Emerald
1 Mox Jet
3 オパールのモックス/Mox Opal
1 Mox Pearl
1 Mox Ruby
1 Mox Sapphire
1 虚無の呪文爆弾/Nihil Spellbomb
1 太陽の指輪/Sol Ring
1 ウルザのガラクタ/Urza's Bauble

[Enchantment]
3 Mystic Remora

[Lands]
2 あふれかえる岸辺/Flooded Strand
1 島/Island
1 カラカス/Karakas
2 霧深い雨林/Misty Rainforest
2 汚染された三角州/Polluted Delta
1 トレイリアのアカデミー/Tolarian Academy
2 Tundra
2 Underground Sea

さすが青系デッキは長いですね。それでは、ルールスを使った、POstormのどこを抑えることで勝ちを拾うかということを考えていきます。


4.白エルドラージの戦略を Lurrus Stormに適応する

 以前の記事で、白エルドラージは「相手をマナスクリューさせ、こちらはマナ加速を行い、クリーチャーを展開して殴り切るデッキ」であるとお話ししました。かつてのPO Stormであれば、相手が大量に軽量アーティファクトを展開しきる前にタックス効果のあるアメジストのとげ/Thorn of Amethystや輝きの乗り手/Glowriderを2枚以上展開できれば、脳内遊戯王サウンドトラックから「熱き決闘者たち」が流れてきてしまうくらい有利にゲームを進めることができました。

 しかし、相棒は「相棒として選ばれたクリーチャーが事実上の8枚目の初期手札として機能する」という問題があります。髪型が奇抜なファラオの右手力など、最早この令和の時代には必要ありません。WotCがそうしていいと言ったのです。

 1ターン目から、精神を刻むものジェイス/Jace, the Mind Sculptorが降臨してくるほどにヴィンテージのマナ加速は強烈です。いうまでもないことですが、これを達成するには手札が3枚必要です。しかし、相棒は違います。特に3マナの相棒は「初期手札で3マナひねり出してしまえばルールスが場に出てくる」ということです。

 ヴィンテージにおいては、3マナ圏は1ターン目で十分に着地が狙える軽さですから、ルールスも当然その中に含まれています。妨害するためには幾つかのカードを取り替える必要があります。

問題1) ドラニスの判事 vs 異端聖戦士サリア

Drannith Magistrate / ドラニスの判事 (1)(白)
クリーチャー — 人間(Human) ウィザード(Wizard)
対戦相手は自分の手札以外から呪文を唱えられない。1/3
Thalia, Heretic Cathar / 異端聖戦士、サリア (2)(白)
伝説のクリーチャー — 人間(Human) 兵士(Soldier)
先制攻撃
対戦相手がコントロールする、クリーチャーと基本でない土地はタップ状態で戦場に出る。3/2

 ドラニスの判事/Drannith MagistrateのCMCは2で、異端聖戦士サリア/Thalia, Heretic CatharのCMCは3です。残念ながら、白エルドラージではCMC3以上の人間は重いと言わざるを得ません。
 多くのヴィンテージのデッキにはフェッチランドが入っていて、実際にマナを出せる土地は数枚しかない、ということはよくあります。例示したLurrus BUW stormでも、加速用のトレイリアのアカデミー/Tolarian Academyとユーテリティのカラカス/Karakasを入れれば、6枚しかありません。このうち、基本の土地は島/Islandだけです。異端聖戦士サリア/Thalia, Heretic Catharがあれば、なんとかなりそうな気がします。
 昔のPO stormでしたら、彼女に加えて、アメジストのとげ/Thorn of Amethystとスレイベンの守護者 サリア/Thalia, Guardian of Thrabenが止めている間に、難題の予見者/Thought-knot Seerが降臨して手札を台無しにしていたでしょう。しかし、滅茶苦茶にするべき手札にルールスはいないのです。採用されているアーティファクトはあまりにも軽量で、0マナのオパールのモックス/Opal Moxに加えて、ミシュラのガラクタ/Mishra's Baubleまで搭載しているのです。ミシュラのガラクタ/Mishra's Baubleで1ターン遅れのドローができる以上、墓地に落としたカードを妨害するのが良しと考えます。ドラニスの判事/Drannith Magistrateのクリーチャータイプは人間ですから、白エルドラージの魂の洞窟/Cavern of Soulsとの相性も問題ありません。ドラニスの判事/Drannith Magistrateはメタとして採用可能でしょう。

問題2) 無のロッド vs 石のような静寂

Null Rod / 無のロッド (2)
アーティファクト
アーティファクトの起動型能力は起動できない。
Stony Silence / 石のような静寂 (1)(白)
エンチャント
アーティファクトの起動型能力は起動できない。

前段で述べたとおり、PO stormタイプのルールスデッキは極めて速度が速く、1ターン目から完全に機能する可能性があります。したがって、ここは速度を優先するべきです。どちらもCMCは2ですが、石のような静寂/Stony Silenceには色の拘束があります。初期手札に、白マナが出る何かがある確率は約70%ですが、マナの色を問わなければ確率はさらに上がります。ヴィンテージの環境下では、エンチャントとアーティファクトの破壊において、二つの違いは区別はされないため、色拘束の少ない無のロッド/Null Rodを選択するのは合理的でしょう。

問題3)封じ込める僧侶+変位エルドラージ 要 vs 不要

Containment Priest / 封じ込める僧侶 (1)(白)
クリーチャー — 人間(Human) クレリック(Cleric)
瞬速
トークンでないクリーチャーが唱えられずに戦場に出るなら、代わりにそれを追放する。2/2
Eldrazi Displacer / 変位エルドラージ (2)(白)
クリーチャー — エルドラージ(Eldrazi)
欠色(このカードは無色である。)
(2)(◇):他のクリーチャー1体を対象とし、それを追放し、その後それをオーナーのコントロール下でタップ状態で戦場に戻す。((◇)は無色マナを表す。)3/3

 PO Storm以外のアーキタイプとどうバランスをとるか、という問題とも深くかかわる問題です。そもそもこの2枚を使ったコンボは、変位エルドラージ/Eldrazi Displacerの起動型能力によってクリーチャーをブリンクさせ、「唱えずに場に出させる」ことで封じ込める僧侶/Containment Priestの能力によりゲームから追放する、というものです。
 極論してしまえば、PO stormではクリーチャーは少ないので、アタッカーとしての能力しか問われません。夢の巣のルールス/Lurrus, the Dream-Denを除けば。クリーチャー除去の仕事を、剣を鋤に/Swords to Plowsharesに変えたりするなどしてもよいと思うのですが、相手に意志の力/Force of Willや精神的つまづき/Mental Misstepがあるなどのカウンター事情を考えると、魂の洞窟/Cavern of Soulsの恩恵にあずかることのできるクリーチャー能力で除去していったほうが合理的でしょう。
 あわよくば、封じ込める僧侶/Containment Priestの瞬速で討ち取ることもできるかもしれませんし。

問題4)エーテル宣誓会の法学者 vs 耳の痛い静寂 

Ethersworn Canonist / エーテル宣誓会の法学者 (1)(白)
アーティファクト クリーチャー — 人間(Human) クレリック(Cleric)
このターン、アーティファクトでない呪文を唱えた各プレイヤーは、追加のアーティファクトでない呪文を唱えられない。2/2
Deafening Silence / 耳の痛い静寂 (白)
エンチャント
各プレイヤーは、毎ターン1つしかクリーチャーでない呪文を唱えられない。

 メインボードからの採用はありえないので、どちらかというとサイドボードにどちらを搭載するかという問題かもしれません。しかし、再三書いているとおり、このタイプのPO stormには軽量のアーティファクト呪文が大量に積まれていることから、エーテル宣誓会の法学者/Aethersworn Canoistの常在型能力や、クリーチャータイプ、パワーとタフネスを考慮に入れても、耳の痛い静寂/Deafening Silenceのほうが優れています。

5.それじゃあ実践行ってみよう

この記事の下書きをしている間に、ヴィンテージを名指しして制限・禁止の予告が行われてしまいました。この実践編がどこまで役に立つかわかりませんが、また次の記事でお目にかかりましょう。

それでは、健康に気を付けて。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?