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ひとりBIODESIGN 疾病の基礎2

今回は6つある項目のうち「①解剖学と生理学」の部分を行う。対象とする疾病は糖尿病とする。糖尿病を選んだのは、友人に糖尿病患者がいて、なんとなく身近に感じたからである。

まず、BIODESIGNの教科書に載っている疾病研究の説明をざっくりとまとめると以下のようになる。
①「解剖学と生理学」
ニーズに関連した臓器や器官、体の構造に関して学ぶ。これを通して、異常な状態を理解する基礎を身につける。重要な語彙や背景を理解できるようになるのに加えて、調査でフォーカスする臓器や領域を見極められるようにする。


まずはGoogle検索で大まかな把握を行ってみる。BIODESIGNの教科書にあるように、臓器に注目してみると、膵臓、肝臓あたりが重要な臓器とわかる。また、臓器ではないが、筋細胞や脂肪細胞も関わってくることがわかる。

膵臓は、胃の後ろにあり、ホルモンや消化液を分泌する臓器だ。画像検索などをするとイラストがたくさん出てくるのでイメージがしやすい。肝臓は、肋骨に守られた臓器で膵臓の近くに位置している。人体における役割としては、蛋白合成、栄養貯蔵、有毒物質の分解、食物の消化に必要な胆汁の生成と分泌のようだ。

膵臓、肝臓に関して少し掘り下げて検索や書籍で調査してみると下記のことがわかるはずだ。

膵臓はグルコースの変化を検知する仕組みを持っており、グルコースの濃度に応じて、インスリン、グルカゴンを分泌する。インスリンは、細胞が血中のグルコース(血糖)を取り込むために必要なGULT4という物質を機能させる役割を持つ。そして、GULT4の機能が開始するための唯一の物質である。膵臓のβ細胞という部分で作られている。また、グルカゴンは肝臓に蓄えられてるグリコーゲンという物質をグルコースに変換する役割を持つ。

肝臓はグルコースを貯蔵したり、放出したりする仕組みを持っている。グルコースは肝臓に貯蔵される際に、グリコーゲンという物質に変換される。このときに、血中グルコースの濃度が減少し、グルカゴンによってグルコースに分解されると血中のグルコース濃度が増加することになる。

また、筋細胞や脂肪細胞は、血中からグルコースを取り込んで、エネルギーとして消費する。

上記の臓器や細胞たちが正常に機能する場合のことを考えてみよう。食事をとると、胃で食べ物が消化され、血中のグルコース濃度が上がる。すると、膵臓は濃度上昇を検知してインスリンを分泌する。すると、インスリンにより肝臓、筋細胞、脂肪細胞のGULT4が機能しはじめ、グルコースの取り込みが始まる。取り込みが進み、血中グルコース濃度が下がると、膵臓は濃度低下を検知して、インスリン分泌を減らす。ただし、細胞が活動するためのエネルギーを取り込めるようにインスリンの濃度はゼロにはならない。そのため、徐々に血中グルコース濃度が低くなってくる。膵臓が濃度減少を検知して、グルカゴンの分泌が始まる。グルカゴンは、肝臓に蓄えられているグリコーゲンをグルコースに分解するため、血中グルコースの減少が抑えられる。インスリンの作用による肝臓、細胞のグルコース取り込みとググルカゴンによる肝臓からのグルコース放出量が釣り合ったところでグルコース濃度が一定となる。再び食事を取ると、血中グルコース濃度が上昇し...というループが続いていく。このように、血中グルコースの調整は、膵臓のインスリン、グルカゴンの分泌と肝臓におけるグルコース取り込み、放出が絶妙なバランスで組み合わさってなされる技なのである。

さて、糖尿病になると、、、という部分は次回の「疾病生理学」で詳しく見ていこう。

参考にした書籍など
・病気が見える 糖尿病・代謝・内分泌
入門的な本で、イラストや簡単な語句で説明がされている。なんとなくのイメージを掴む際には役に立つ。ただし、深く突っ込んで専門的な知識を求める場合には、不向きかもしれない。適宜、Googleで検索したり、より専門的な内容を扱う本で補強が必要となる。

・糖尿病診療ガイドライン
この本は糖尿病の診療に関して詳しく解説してあり、かなり参考になる。その上。下記ページで無料で読むことができる。
http://www.jds.or.jp/modules/publication/index.php?content_id=4

・糖尿病治療ガイド
糖尿病の治療の基礎的な知識の確認に便利。そして、なんと言っても安いのが良い。糖尿病ガイドラインと比べて、やさしくまとめてある。治療の実例が30個ほど載っており、医師がどのように診断や治療をするかという基礎的な知識も身につけることができる。

・糖尿病専門医研修ガイドブック
この本は少し高いが糖尿病の専門医の研修で使われるような専門的な内容を含んでおり、診療ガイドライン以上に糖尿病に関して詳細に説明がされている。これを読み込めば、糖尿病に関してはかなりの知識が身に付くと思われる。




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