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PUNK WORKSHOPロープロボタンの仕様変更の話

先日、新レバーレスを作成するためにとてもひさびさ(1年ちょいぶりくらい?)にボタンを買い増ししました。PUNK WORKSHOPのロープロボタンです。届いて確認したところ、いつから変更されていたのかはわからないのですが、以前と細かいところで仕様が変わっていたので気になったところを書いていきます。

一応、先に書いておきますが、仕様変更にともない以前記載したゴムワッシャーを取り付ける記事について、記事のサイズのワッシャーだと上手く取り付けられなくなりました。注意してください。

新レバーレスの記事にまとめて書こうと思ったのですが、そこそこ分量がありそうなので独立させました。というわけで始めます。


変更点1:軸が変わった

左:TTCロープロ赤軸、右:Cherryロープロ銀軸

以前はCherryのロープロ銀軸でしたが、TTCのロープロ赤軸に変わりました。公称の性能は以下。

CHERRY MX LOW PROFILE SPEED

特性リニア
押下荷重45g
キーストローク3.2mm
アクチュエーションポイント1.0mm

TTC KS32 LOW-PROFILE MECHANICAL KEYBOARD SWITCH

特性リニア
押下荷重45g
キーストローク3.2mm
アクチュエーションポイント1.2mm

アクチュエーションポイントが1.0mmから1.2mmに変わりました。ロープロでないCherry銀軸相当になっていて、ロープロ軸はここを目当てに買う人が多いと思われるので、残念なポイントです。

また、地味に外に出ている部分の軸の太さがCherry銀軸は6mmですが、変更後のTTC赤軸は6.5mmになっているので、軸の太さを利用するような改造をしていた人は注意が必要です。

TTC KS32は中華製のゲーミングキーボードなどに使われていることが多いらしく、単純に安い部品に変更したんだろうなという印象です。

とはいえ、現行販売されているゲーム用のボタンでロープロファイルが使用されているものは他にないので、気に入らない場合は自分でCherryのロープロ銀軸を購入して交換することをおすすめします。互換性があるので交換可能です。

変更点2:ボタン押下時の土台になるパーツがなくなった

なくなったパーツ
こんな感じに付いてた

いかにも3Dプリンタで作りましたという質感のボタンを受ける土台になるパーツが以前には付いていたんですが、なくなりました。

自分はキーキャップの裏にワッシャーを入れていて、このパーツがあった方が接触時の力が均等に分散されると思うので、なくなったのはちょっと残念です。

軸受けのパーツの作りは以前と変わっていないように見えるので、単にパーツを減らしただけかと思われます。押し込んだ時の安定感に少し差があるかもしれません。

変更点3:ファストン端子を挿す端子が抜け落ちることがなくなった

逆にしても落ちない

前まではスイッチを外したあと、軸受けを下に向けるだけで外れていたのですが、後ろから押しても外れなくなりました。地味だけど、紛失することがなくなるので改造する人にはいい変更点かと思います。

あと、この部品地味にちょっとだけ長さが伸びてます。多少背が高くなるので低背のコントローラーを自作する人は注意が必要です。

変更点4:ねじ式のボタンを留める部品の直径がちょっと小さくなった

左:現行、右:前回

ねじ式のボタンを留める部品の工作精度が上がったためか直径が少しだけ小さくなりました。Φ30のボタンにて、前がおよそΦ34、現行がおよそΦ33です。この部分がボタン全体の直径で一番大きい部分だったので、ここの直径が縮むと実装したときにボタンとボタンの間を詰めることが可能になります。

手が小さい人や、横に並んだボタンを一つの指で同時に押したい人にとってはいい改良点だと思います。

変更点5:キーキャップのサイズが縮んだ

左:現行、右:前回

キーキャップの直径がΦ30のボタンにて、前がおよそΦ25.5、現行がおよそΦ25(参考までにゲーマーフィンガーはΦ24.5くらい)に縮みました。キャップの販売ページの下に寸法表がありますが、実測するといまいち正しくないです。何故?

以前からPUNK WORKSHOPのキーキャップは成形時のバリが残っているため、ボタンを押すとバリが外周と干渉して戻りが悪くなる個体がありました。自分はキーキャップにやすりがけをして対応していましたが、通常は購入したボタンをそのまま使うため、不良品として扱われることも多かったと思われます。

おそらく、このバリによる不具合の解決方法として、精度を上げてバリをなくすという方針ではなく、キーキャップのサイズを小さくして、バリが干渉しないくらい軸受けとのスペースをとるという手段をとったために小さくなったと推測しています。

結果として現行でも相変わらずキーキャップの質にはばらつきがあり、バリがあるものも多数あるのですが、押し込んだ時に干渉して戻らないということはなくなっています。

ただ、キーキャップのサイズというのは実際にプレイする人間に影響する部分のため、ここを製造上の理由から変更してしまうのはちょっとなーという気持ちです。

また、キーキャップが小さくなったので裏にワッシャーを仕込む場合、前回のキーキャップ裏の内径ギリギリのワッシャーを使っていると、現行のキーキャップには入らなくなりました。買いなおし……。

総評

個人的にトータルとしてはちょっと残念な方向に振れたなという印象です。廉価な部品への変更、影響の少ないパーツの除外、歩留まりを上げるためにプレイに影響する部分のサイズを変えるなど、プレイヤーに向けての改善というよりは、製造上の理由と思われる変更が目立ちます。

とはいえ、ロープロの軸が使えるボタンというのは他に選択肢がないので、使わざるをえないんですが、質を下げるような修正も多かったため、今後も同じようなものが供給され続けるか怪しくなったというのはちょっと不安になるところです。

以上です。

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