【創作大賞 高校生エッセイ】五月病と葉桜の狭間で
私の高校1年目は、淡くて脆い桜のようだった。
桜は必ず、満開になったら散ってしまい、ずっと咲き続けることはできない。
皆それを分かっているから、桜のシーズンにこぞってお花見に行き、散りゆく桜を見て楽しむのだ。
あくまで、桜が「咲いている」時だけ。
桜が全て葉になった途端、大体人々はそれを見ようとわざわざ足を運ばない。
桜は、前年の夏から約1年かけてやっと花を咲かせるのに、人々が関心を持つのは1ヶ月にも満たない。
そんな儚い桜と共に。
私は、憧れの皐月ヶ丘高校に入学した。