劇場版R×逆シャア
叛逆性を感じる危うさと美しさが絶妙なバランスで同居している、そんな人やものに強く惹かれるのは、幼少期に、幾原邦彦氏の作品に夢中になった影響が大きいと思う。
「劇場版 セーラームーンR」は特に、子供騙しじゃないシュールさと生々しさ、強いメッセージ性を子供ながらに感じた。
「初めて映画館で観た作品」という特別感が多少加味されているとしても、「本物」だからこそ、30代になった今でも私の中に強く残っている。
胸がギュッと締め付けられるような、観ている者の感情が溢れ出るポイントがこんなにも散りばめられた子供向けアニメ映画は、他にあるだろうか……!
クライマックスとラストで流れる名曲、"moon revenge"の存在も大きい。
この曲をカラオケで歌うと、感極まって泣きそうになり、変な空気になることは間違いないので、ひとりカラオケの時によく歌う。
歌詞も、子供向けアニメでは今なら絶対に考えられないレベルの大人な内容で。意味が分からないながらもドキドキした、幼い日の記憶が蘇る。
物凄く良い意味で「子供に寄り添わない」感覚が、幾原氏らしさのひとつなのだと、私は思っている。
無性に泣きたい時、原点に還りたくなった時に観返す、私のプロップ的存在。
劇場版R好きな人と語り合う、そんな座談会をいつか開きたい。いつか…!
数年前、旦那さんの好きな「逆襲のシャア」を初めて一緒に観た時、凄まじい既視感に襲われたシーンがあった。(詳細は、敢えて割愛)
劇場版Rとの繋がりを勝手に確信したので、調べてみると、
劇場版Rが「セーラームーン版逆シャア」と呼ばれている、幾原氏によるオマージュを含んだ作品であると知った。
ガンダムが好きな旦那さんと、イクニ作品が好きな私。
幼い日の「好き」が根底で繋がっていたのかと思うと、改めて縁の面白さと奥深さを感じて、嬉しくなった。
大袈裟な話になるけれど、きっと万物の元を辿れば、全てのものが殆ど繋がると思う。
でも、人生は有限で。
五感をフルに活用して生きていても、置かれた環境も相まって、好きになれるものが限られている中で、
惹かれる感覚が近い者同士が共鳴して繋がっていくのは、自然なことなんだろうなと。
なぜか気が合う、そういう方とはきっと、何かしらの「好き」が繋がっていると思うと、心底ワクワクする。
語り合い、探り合っている中で、新しい「好き」を与え合う時間も、最高に楽しい。
だからこれからも、たくさんの「好き」を愛でて、掘り下げて。
その中からまた新しい「好き」に出会って、夢中になっていきたい。!
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