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双極症(躁うつ病)でもできる!セルフマネジメント講座

こんにちは。私はうつ病と診断されてから2年後に躁うつ病と再診断され、1年目の、合計で精神疾患は3年目選手です。
元々、小学生の頃から忘れ物が多かったり、集中が持たなかったりと、注意欠陥(AD)の特性を持っていましたが、最近改めて、ADとASDグレーを持っていることがわかりました。
さて、そんなぼちぼち精神疾患酷めの私ですが、この度、修士研究を無事に終了させることができました(パチパチ)また、就活も無事第一志望に内定いただき、これで心置きなく大学院を卒業できるというものです。
大学や大学院では、精神的に病んでしまって大学に来ることができない、課題を期限までに提出することのできない学生が一定数存在します。
私自身も、大学3年目の「抑うつ状態ではあるがまだ自分のことをうつ病だとは思っておらず治療を始めていなかった時期」は、途中から授業に行かなくなったり、課題を全然出せなかったり、グループ課題でメンバーに多大な迷惑をかけたり(その節は本当にごめんなさい)、単位を結構落としたりしました。そのせいで学部の頃のGPAは結構低かったです;;

では、どうやって病気をコントロールしながら大学院の卒業までこぎつけ、就活も成功させることができたのかというと、病院での治療ももちろんですが、セルフマネジメントに意識的に取り組んだことが大きい要因だと思います。実際、研究室内でも、先生に研究のマネジメントについて誉めていただいたこともあります。

今回は、大学の課題、特に卒業研究などの3ヶ月以上の長期的なものについて焦点を当てて、私が誉めてもらったマネジメントの方法についてみなさんにも共有したいと思います。


達成目標を考える

スケジュールを考える前に、取り組む課題の中で、自分が達成したい目標を書き出します。ここでの目標というのは課題(自分の設定したものか、出されたもの)に対して、どのように答えるべきかを考えます。
目標というのは例えば、「高齢者でも使えるUI」のように漠然としたものというよりかは「1人で住んでいて家族の助けが得られない要介護度1〜2の高齢者が行政手続を一人でできるようにするための一連のUIフロー」のように具体的に考えます。その際に調査やインタビューなどを通して、扱いたい課題についての全体的な知識を入れながら、課題感についてクリアにしていくことで、後々の作業をスムーズに進められます。
この作業は、3ヶ月〜半年の課題であれば1、2週間。半年以上の課題であれば1ヶ月程度かけます。急いで決めてしまうと後から迷いますし、時間をかけすぎてもドツボにはまってしまうので、期間を決めて決断をすることが必要です。

また、課題のゴールとともに、どんなものを作りたいか、自分のやりたいことは何か考えます。大学の課題ではどんなものを作れと指定されていない場合は、その課題に対して適切なもの(たとえば、映像、紙の冊子やポスターか、3Dプロダクトか、など、、)を選ぶとともに、自分がどのようなスキルをつけたいのかを意識して作るものを決めると良いです。
この2つのどちらかだけを決めて(またはどちらも決めずに)作業をスタートしてしまうと、途中から方向を見失ってしまいがちです。

アイデア出しとインプットに十分な時間を使う

研究の見通しを立てるために目標を立てるための時間は、多くの学生が考えているよりも、長い時間をかけていいと思っています。できるだけたくさんの本やサイトなどを見て、ブレストをします。実際に参考になる場所や人に会いにいったりコンタクトをとったりすることもかなり重要です。
この過程は、1日何時間と決めるよりも、短期間にかなりスピード感を持って進めることをおすすめします。調査やブレストが少ないと、最終的な目標が薄っぺらいものになってしまい後から後悔することになります。短期間でたくさんの知識を得ると、漠然とした全体感を掴むことができ、結果的に本質的な問いを立てることができます。

タスクを書き出して見通しを立てる

次に、研究全体の見通しを立てます。
目標の達成のためにどのような機能が必要か、その機能を作るためにどれくらいの作業時間がかかるかを時間単位で見積もっていきます。
半年以上の長期的な課題の場合は、タスクごとにおおまかに何週間〜何ヶ月で実装できそうかを見積もっておき、そのフェーズに入ったタイミングで細かく日割り、時間割での見積もりを立てます。
この際、ユーザーインタビューや実際に協力者のところに出向いて調査する場合は、相手の都合やアポとりの時間も考えて、1週間以上の余裕を持ってスケジュールを立てるようにしましょう。プロトタイプを送ったり手紙を送ったりなど郵送でのコミュニケーションがある場合は、さらに3日の余裕を持たせましょう。

見落としがちな、コンセプトやユーザーストーリー、報告書やプレゼンテーションなどの、制作する「もの」以外に使う時間についてもタスクに入れるのを忘れないようにしましょう。プレゼンがブラッシュアップされていてよくまとまっていることや、伝わりやすく話せることは、作品のクオリティ以上に、あなたの作品を評価を左右する要素になります。いいものを作ったのなら正しく評価してもらいたいと思うのであれば、これらの要素にも時間を使いましょう。

ここで立てた見通しは、後々変更しても大丈夫ですし、むしろここで決めた予定を全くそのまま最後まで完遂できる人は作業能力が非常に高く精神的に安定していると言えるので、この記事を読む必要がないくらいです。多少は無茶な作業量とおもったとしても、安心して理想的な予定を立ててください。

自分の無理のない作業時間で割り振る

全体の工数(必要な作業時間)が決まったら、作業のスケジュールを立てます。これは、1日、1週間、1ヶ月で考えます。
1日のスケジュールについて、まず自分の無理のない1日の作業時間を考えます。社会人は9時〜18時の8時間ですが、自分は夜型だったので、13時〜20時の5時間を絶対に作業する時間として設定しました。もちろんこれを超えて作業することもありますが、気分が落ち込んでいてもこの時間だけは机に向かう、と決めることで、自己効力感の低下を防ぐことにも役立ちます。

また、1週間のうちに何もしない日を1日くらい設定しておき、普段はリフレッシュの日にします。作業がどうしても行き詰まった場合のバッファとしても役に立ちます。この日は、アルバイトなどもない1日フリーの日にしておくことが大切です。デザイン系の知的作業は、アイデアを寝かすことでひらめきが生まれる場合もありますから、(締め切り前の、とにかく作業時間を確保しなければいけない期間以外は)週に6日稼働でスケジュールを立てることをお勧めします。

これらの1日の稼働時間と、1週間の稼働時間をもとに、1ヶ月でどれくらいの作業を進められるかを決めていきます。1ヶ月ごとの目標を立てることで、毎日の作業でどのくらい急いだ方がいいか、前倒しにできるか、スケジュールを考え直す必要があるかを理解しやすくなるので、課題の進捗が崩壊するのを防げます。

進捗の見直しは定期的に

進捗の確認は、うまくいっている時はいいのですが、遅れている時に根性で取り返そうとするのは絶対に失敗するのでやめましょう。また、当初立てていた予定から、制作をしていくうちに方針を変更する必要が出てきたときにもスケジュールの立て直しが必要です。
スケジュールを直す時は、今まで立てたスケジュールを思い切って白紙に戻す勇気が必要です。スケジュールを直す時は、スケジュールを立てる過程を繰り返す他に、併せてコンセプトやテーマの振り返りを行い、その作業が本当に必要なものか、どうしても間に合わなさそうな場合は削れる機能がないか、目標と照らし合わせながら検討します。この作業をしないと、本当に必要な機能などに手が回らなくなったりして崩壊します。締め切り直前に焦らなくても済むように、スケジュールを直す時には目標を再確認し、必要があれば目標の再設定を行うことで自分の納得のいくものを作ることができます。

休んでもいい

グループワークで他人と一緒に作業している時以外は、3日〜1週間程度、思い切って休むことも重要です。余裕のある時期に一定のペースで作業を進めておくことで、数日思い切って休むことができます。締め切り間近にガス切れが起きないようにも、余裕をもったスケジュールを立てておくことが重要です。

締め切り2ヶ月前から「バッファは1週間」

卒業制作など、半年から1年以上の長期的な制作に取り組む場合は、締め切り2ヶ月前からは、締切日を意識して今までよりもっと細かく毎日のタスクを割り振ります。この際に、全体で1週間はタスクを入れない日を作るようにしています。なぜなら、直前になったら絶対にもっとやりたいことが出てくるからです。根詰めて作業すると、風邪を引いたり、体調を壊す可能性も考慮しています。もし余裕ができたら、クオリティを上げるための作業に取り組むことができます。


以上が、私がやっていたタスクマネジメントの方法です。
人には気分や集中力などに数日から数ヶ月周期の波がありますが、双極症はそれが日常生活に影響が出るほどになってしまう(何日もお風呂に入れない、布団の上から動けない日があったかと思えば、24時間寝ないで作業できたりもするような感じ)病気です。投薬治療で生活を安定させていますが、ちょっとしたことで浮き沈みの波が大きく、なかなか思い通りに作業が進められないこともありましたが、ここに書いたように、自分の自己効力感を失わないように少なめのタスクで余裕を持った見通しをたて、波に乗った作業時間に細かく修正しながら進めることで、なんとか長期的な研究を乗りこなすことができています。

文章ばかりでわかりにくい部分もあるかもしれないですが、よければ参考にしてみてください。


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