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指示書の横行。

最近、結婚式や前撮りで、誰かのマネをしたような「カメラマンへの指示書」がとにかく多い。

このままこれが増えるならボク、この業界去りますとプランナーさんに言ったら笑っていた。

信頼されていないのがイヤなのか、そうではない。

その場で偶然生まれる、ドラマというものを愛しているからイヤなのか、そうでもない。

きっと、あの文体だ。

インスタグラムにもそう書いてあるんだろう。「決してカメラマンさんの気を損なうことなく、立てつつ、こちらの希望を伝えましょう!」というような。あなたは一体だれなの、となってしまう。

もう10年近く前、地元の結婚式関連の雑誌で依頼を頂いて、書いたことがあります。

「カメラマンは、誠心誠意を込めて必死に、その時なにが起こるかを予測して、先回りをしてポジション取りをしたり、レンズを変えたり、声かけをしたりしています。

お二人らしさを表現しつつ、照れたところも笑ったところも、ひきつったところも。

指示書に指示が多いことは、カメラマンのその動きを阻止するものになります。逃したらいけないから、前後の10を奪って、それに注力しなければいけません。」

(前後の10を奪わないのがプロの技で、経験の成せる業でもあるのですが、しこたまストレスになる。)

「そんな指示より、『わたしは彼のことが大好きです、彼のことをたくさん撮ってあげて』というような指示だったら、どれだけエンジン全開になるか。そんなことを思うお嫁さんのこと、そんなことを思われる新郎さんのこと。それを取り巻くご友人、ご家族のこと。そのほうが、よっぽどいい写真が残ります」


時が経ち、今の心境を踏まえて加筆をしましたが・・


仕方ない。本当にこれをなくしたかったら、うちがレベルやポジションを格段と上げて、有無を言わさぬ信頼感を得ないといけない。

それをしてこれなかった自分が悪い。

プロがプロで居られない世界を、SNSに作られる。

きっと、修行をしない若者の参入が相次ぎレベルの低下が起き、非常アラートがどこかで鳴り出し、それを救おうとした正義がいるんだろう。そうすれば"いいね!"と言ってもらえるからなのだ。まさに、悪循環が起きている。


今、結婚式の撮影中で、新人スタッフががんばって撮っている。僕は裏方にまわり、彼の動き、コミュニケーションなどをチェックする。ここにくるまで3ヶ月。

カメラを持たず、式場スタッフに扮して動きまわるのもかなり面白い。朝はガーデンの草抜きもした。これも、写真がよくなるための密かな動き。

しっかり一歩引いて見渡すと、違う視点から見える。昨日は女の子スタッフが、スタジオ撮影のデビューを果たした。

彼女もしっかり準備をしてきた。あとは本人の気合いだけだった。前日に提案すると、まだムリです・・

だったのが、夜になって「やっぱり撮りたいです!」と言ってくれた。

先輩スタッフがアシスタントについて、ついに最初から最後まで撮ることができた。

これは自分にとっても嬉しいことで、「進んだ」気持ちになった。自分の新しい時間を作れるという、希望が見えたのだから。

ムリならムリでいいよ、いつまでも待つよ、というスタイルだったけど、ついに進んだんだ。

すると、夜になって新しいアイディアがどんどんわいてきた。Tverでビジネス系の番組を見てたからなんだけど。とにかく刺激をもらうことができた。

ありがたい、ありがたい、ありがとう。

「時がきたらススム」ではなく、

「ススンデから時を起こす」。

「今の規模にあった行動を」ではなく、

「自分の考えを実現するための人員を集める」。

これが、経営者としての仕事なんだろなあ。

本読んだり時短生活したり、スマホ一点集中したりと、いろいろ試して新しい境地に気づくことができました。

楽しいことを生み出そう。


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