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「撮影前に必要なこと」を提唱する

写真業界にとって、写真を生業にする人にとって、大事にし損なっている部分であり、大事にしたいけどワケあってできない部分、または大事ということに気づいてない問題をはらんでいるお話です。

「これ、したいと思ってできてないんだよな〜」

というところから思い立ち、書きながら掘り下げることにします。


<問題提起>

結婚式前撮りにおいて、撮影が始まる時点で、「カメラマンは新郎新婦さんについてとても少ない情報で撮影を始める」問題について。また、「カメラマンと美容師の、双方の撮影中の考え方・スタイル」の、すり合わせができていない問題について。(第三者から見ればマジかよ!って問題かもしれないのですが、でもできてない、できない理由があるのです)


<課題と解決策>

今回僕が強めようと思っているのは、撮影前に美容師さんとの「情報すり合わせ時間」を設けること。3分から5分。

美容師さんはお支度から1時間以上、新郎新婦さんと一緒にいてたくさんの会話をしている。だから、カメラマンからしたらお支度が終わって美容師さんと話せる時間があるととってもありがたい。「何を大事にしていて、何が好きで、どういう考えをお持ちで、どこにこだわりがあって」、など。新郎新婦さんから聞くより、客観的情報を端的にゲットする一番の方法。
(ベテランの先輩方は、撮影しながら新郎新婦さんからそれを早い段階で聞き出すことに長けています)

撮影が最初から移動になる場合、できるだけ美容師さんを自社の車に乗ってもらって、ありったけの情報をもらう時間にする。(ただしカメラマンは下見があるため現地入りになることが多い)

それができない場合は、いきなり新郎新婦⇄美容師⇄カメラマンの三者が揃い、「実はこういうところを気にされてて」みたいな話ができない。
だから撮影中にコソッと美容師さんが耳打ちをしてくれることになる。

プランナーさんがある程度パーソナルな部分を聞き出しておられるので、、プランナーさんとしゃべるのも大事。聞き出さなくても分かる人柄、雰囲気、好みなどは当然。だけどこれも、プランナーさんからしたら「カメラマンがそんなことを気にしてると思ってない」問題が見受けられ、できるだけ知りたいんです、と伝え続けることである程度聞けるようにはなっている。

これがBtoC、すなわち新郎新婦さんと直接やりとりができる(コストをかけれる)自社前撮りプランなら、とことん聞く。とことんコミュニケーションを図る。スタジオでのお支度からほぼ居座って、時間を持て余す新郎さんのお相手をとことんする。歩いて10分ほどのコンビニへ行くことをデートと呼んでいる。新郎さんも、新婦さんと一緒にいるときの会話と、男同士で世間話をしながらの会話では、全然違うことが聞けて楽しい。ゲットしたそのお二人の関係性を、最大限写真に反映しようと努力する。

若かりしころならコスト度外視で、お支度の最中から顔を出してそれをしていた。それを今もできたら理想だとは思うんだけど、今はそういう考えじゃなくて、一業者として、決められたコストの中でいかに最高のパフォーマンスを発揮することができるか、そこを磨かないといけない。それでこそ、自社プランのよさが出てくるし。(でも、スタッフにそのコスト度外視を禁じるということはしなくて、本人の意思でそれがしたいならぜひすればいい。それで新しいステージへ進んでほしい。)あ、僕も今でも精神的時間的に余裕があればしてます。

と、ここまでの話をくつがえすことになるけど、現状自社でさせてもらっている撮影のほとんどは美容師さんとの関係性ができていて、あうんの呼吸でそれ(撮影前のすり合わせ)に近いことができている。問題は、何人も美容師さんを抱える美容室さんとのお仕事。何人もカメラマンを抱えるカメラマン派遣会社にも言える。新郎新婦さんにとって”結婚式の前撮り”という一生に一回の撮影で、スタッフが理解し合わず、チームを組もうとせず、お互いがてんでばらばらなことをしようとする。”チーム戦”ではなく、私はただ時給で働いてますメンバーが存在する。そういうときは心の底から自社に美容師が欲しい、と思う。

新郎新婦さんの携帯をあずかって、カメラマンの邪魔をしてまで写真を”撮ってあげる”美容師さん。あなたの仕事はなんですか。カメラマンが場を盛り上げようと必死でしゃべっているのに、久しぶりに現場が一緒で話せるね、とおしゃべりに夢中な美容師さん。全然笑わずむすっとしている美容師さん(新人で緊張してるのかもしれない、それなら仕方ないよ)。このへんは本当にチームにとって害なので、こちらが圧倒的貢献度を蓄えたら物申したい。

ある程度決まったチームで撮影ができるほうが絶対にいい写真になるし、お互い社外ではあるけど「チームですね」と理解し合える関係のときは、公私共に関係性を作ることを大事にしてきた。

とここまで書いてきましたが、自分にぶっちぎりの実力があってしっかり名が売れているなら、自ずといいチームになるんだと思う。だからいいチームにならないのには自分に非がある、とは思っているんです。

それと話は戻って撮影が始まる前に「3〜5分のすり合わせ」することについて、それがしにくい理由は”その数分”新郎新婦さんを二人きりにしてしまうということにあって、業界的には二人を「ほったらかし」にしてしまう=「大変失礼」なこととしてイメージづいているがため、それがしにくい状況となっている、と思うのです。

そこは仕組みを作ってしまえばいいだけで、「お支度仕上がりました、ではカメラマンとすり合わせしてきますね」と、美容師さんがお二人に言ってくれる状況を作ればいいだけ。普段のお仕事上、10社以上の美容室さん、フリーランスさんと一緒になるので、プロデュースの大元から美容室さんまで、ワタクシのこの想いをカドが立たないように説明し、大切さを伝え、1枚の要望書を作ってこの「すり合わせ」を仕組み化しよう作戦をします。明日から。

今度は美容師さんのこういうところに助けられた、こういうところがすごい、という話をしたいと思います。(フォローみたい)

株式会社フーシャ
山中優

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