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作業に飛びつくな。イシューを見極めろ。
イシューを見極める力が重要
仕事や勉強など何かに取り組む際は、始める前に、イシューを見極めてから取りかかることが重要です。
イシューを見極めるとは、本当にやるべきことは何なのかを見極めることです。
より短い時間で、価値のある仕事や質の高いアウトプットを出すためには、問題を解く力よりも、解くべき問題を見極める力の方が重要だからです。
どの問題を解くかで答えは変わり、どのように取り組むかでも結果は変わってきます。
数学の問題か、国語の問題かでも、前提となる知識、考え方、最終的な答えは違ってきますし、解き方がよければ結果もよくなってきます。
例えば家の水回りの清掃をしたいとします。
水回りは、掃除がしにくいですし、長い期間放置しがちです。
こうした場所を自分で掃除することは、時間と労力がかかります。
頑張って掃除するのも一つの方法です。
しかし再考してみると、そもそも「自分で掃除する」ことが本当に必要なのかと考えてみます。
家事代行や清掃業者に依頼することで、掃除のプロが行う清掃により、水回りをよりきれいにするができるかもしれません。
「どのように掃除をするか」という問題に取り組むよりも「最も効果的な方法できれいにするには?」という問題を見極める視点があると、よりよい解決策を見つけることができます。
このように目の前の問題にただ取り組むより、本当にやるべきことを見極めることが大事です。
犬の道に行って成果を出そうとしてはいけない
犬の道とは
「イシューからはじめよ」という本では、「一心不乱に大量の仕事をこなして成果をあげようとする」ことを「犬の道」と呼んでいます。
あらゆる仕事をとにかく早くやる、とにかく量をこなすことだけで成果をあげようとしてはいけません。
![](https://assets.st-note.com/img/1694832744993-YCghNYzYpX.png?width=800)
イシューとはどのように見極めればいいか
図4のイシュー度とは、要するに「解くべき課題を選ぶこと」です。
よいイシューを見極めるには、
「その仕事はいったいどんな課題解決をしているのか」
「そしてその仕事は本当に解くべき課題なのだろうか」
という2点を課題を解く前に考えないといけません。
自分でラーメン屋を立てるとして、売上を作る上でラーメンの味にこだわることは大事です。
ですがそもそもの立地からお客さんはきやすいのか、その地域の人のラーメンの需要はどのくらいあるのかなど、より戦略的な部分から考えないといけません。
本当に価値のある仕事をするには
イシューを見極めずに、ただ目の前の課題、仕事をこなしていき成果を上げようとするのが、上記した図4でもある「犬の道」です。
犬の道の先に、本当に価値のある仕事や質の高いアウトプットは得にくいです。
例えば新しいアプリ開発の提案を頼まれたAさんとBさんがいます。
Aさんはまず「誰のためのアプリなのか?」「どんな課題を解決したいのか?」を考え、仮説を立てました。
そこからその仮説を立てた理由から、どのような根拠があるのか、開発したらどのような影響を与えられるのかを考えた上で、調査や分析を行いました。
大枠であるターゲット、どんな課題を解決するか、その根拠などが明確になった上で、アプリのコンセプトや機能の方向性を提案することができます。
次にBさんはまず市場全体の調査からスタートしました。
世の中にどのようなアプリがあり、どのターゲットのどんな課題を解決しているのかを幅広く調査しました。
その結果多くのアプリの情報を手に入れましたが、「誰のためのアプリなのか?」「どんな課題を解決したいのか?」が定まっていないため、特定が困難となります。
定めたとしても、どのような仮説があり、どんな根拠があるのかを持った上で、調査ができていないため、有力な情報を得ることもできない可能性があります。
結果アプリのコンセプトや機能の方向性を明確に提案することができにくくなります。
著者は、まずは「どんな問題を解くか」を見極めることに注力し、見極めた後にその問題に集中して取り組むことが、最も生産的なアプローチだと言っています。
これまで好奇心や焦りから作業に飛びついていた
私がこの「イシューからはじめよ」を最初に読んだのももう相当前です。「本当にやるべきことを見極めることが大事」という言葉自体はだいぶ前に頭に入っています。
また「タスクを分解する」「アウトラインを作る」ことも重要です。
そのようなことは少し勉強すれば得られる情報です。
大事だとわかっていてもいつもできているかと言われるとそうではありませんでした。
なぜできないのか。
その理由は好奇心や焦りでした。
「この本も読みたい」
「このことも知りたい」
「サッカーのあの試合もこの試合も見たい」のように、やりたいことをどんどん増えてしまいました。
また「この作業を早く片付けないといけない」
「このタスクを完了しないといけない」
「このことについて学ばないといけない」
という焦りから、イシューを見極めたり、タスクを分解したりせずに、作業に飛びついてしまっていました。
好奇心や焦りがあるとどんどんやることを増やしてしまいます。
タスクに追われれば「そもそも何のためにやっているんだっけ」と目的を見失うことになりかねません。
時間と労力もかなりかかります。
本当にやるべきことを見極めるとは、やるべきタスク、作業を絞りこむ、減らすと同じことです。
イシューを見極めるとは、やらないことを決めることともいえます。
急いだり焦ってはいけないです。
一旦冷静になって「本当にするべきことは何か」を考え、優先度の低いタスクをなくし、見極めることで、そのタスクに集中して取り組むことができます。
イシューを見極めるには明確なゴール設定が大事
イシューである本当にやるべきことは何かを見極めるには、明確なゴール設定が不可欠です。
ここでいうゴールとは以下のようなことです。
・何が達成できればゴールなのか
・そもそも何のためにこの作業をするのか
・作業をした上でどんな状態になりたいのか
私はこのnoteで、サッカーや本で気づいたことをアウトプットしています。
はじめから「〇〇vs〇〇の試合をみてこの記事を書こう」と決めた上で試合を見たり「この本を読んでこの記事を書こう」と決めた上で読むわけではありません。
サッカーであれば、いつも見ているチームの試合やあらゆる試合のハイライトを見ながら「このような記事がかけそうかも」という仮説を立てることが多いです。
そしてその仮説を検証するように情報をえられそうなゲームを見て、必要な情報を得ていく流れです。
本であれば「この本からどんな情報がほしいのか」を買うときや、読むときで描きながら、必要な情報を得ていく流れです。
「〇〇について記事を書く」ゴール設定があれば、アンテナが張ったように情報を集めることができます。
不要だなと思った情報を切り捨てることもできます。
明確なゴール設定が「本当にやるべきことは何か」を見極める上での判断基準となります。
「誰のどんな課題を解決するか」「どんなアウトプットを出すか」のように最終的にどんな状態になっているかを描くことから始まります。
まずはゴールを明確に設定しましょう。
まとめ
・イシューを見極めるとは、本当にやるべきことは何なのかを見極めること。最終的な価値を出すには、目の前の問題を解く力よりも、問題を見極める力の方が重要。
・犬の道とはとにかく大量の仕事をこなしたり、ただ目の前の仕事を一心不乱にこなして成果をあげようとすること。
犬の道から価値のある仕事は生まれにくい。
まずは「どんな問題を解くか」を見極めることに注力した後に、その問題に集中して取り組むことで本当に価値のある仕事ができる。
・好奇心や焦りがあっても急いではいけない。冷静になり「本当にやるべきことは何か」を見極めることで、タスクを絞りこむことができる。
・明確なゴール設定が、イシューを見極める判断基準になる。アウトプットを前提として、ゴール達成に必要なことを作業していく。
参考文献
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