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カウンターの守備の原則
カウンターの守備の原則は、「ペナルティエリアの5m前まで下がり、中央の選手が相手に寄せていく」です。
その原則の理由について
「ペナルティエリア5m前まで下がってから寄せに行く理由」
「中央の選手が寄せに行く理由」
の2つにわけて説明していきます。
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ペナルティエリアの5m前まで下がってから寄せに行く理由
味方が戻ってくる時間を作るため
ペナルティエリアの5m前まで下がる理由の1つは、味方が戻る時間を作るためです。
人数が少ないと、1人でより広い範囲を守らないといけなくなります。
人数が増えればスペースを消せ、相手のマークもたります。
ゴール前で守備の陣形を整える(ブロックを構える)ことができれば、失点の確率をぐっと減らすこともできます。
そのため味方が戻ってくる時間を作ることは大事です。
キーパーとディフェンスラインの間のスペースを使われないようにするため
ペナルティエリアの5m前まで下がるもう1つの理由は、キーパーとディフェンスラインの間のスペースを使われないようにするためです。
理由はこのスペースを使われると、ゴールに一直線に進め、キーパーしか防ぐ人がいないからです。
ディフェンスは、ディフェンスラインの背後(キーパーとの間のスペース)を第一に防ぐべきです。
理由は以下のことがあげられます。
・ディフェンスの背後を取られれば、ゴールキーパーとの一対一になる
・背後のスペースが広いと、スピードのある選手が有利
・ペナルティエリアの手前まで下がった上で背後を使われたとしても、キーパーが処理できる
そのためディフェンスとキーパーの間のスペースを最優先に守るべきです。
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下がりすぎるとミドルシュートやラストパスの可能性が上がるため
ペナルティエリアの5m手前より下がってしまうと、ミドルシュートを決められたり、ラストパス(次のプレーがシュートにつながるパス)を出される可能性があります。
また相手をペナルティエリアに入らせてしまえば、シュートが決まりやすくなり、PKをとられるリスクも出てきます。
ただ下がって攻撃を遅らせたり、背後を警戒すればいいわけではありません。
相手から自由を奪ったり、ボールを奪いにいくことが大事です。
結局相手がフリーで何でもできる状況では失点するリスクはでてきます。
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そのため5m手前まで下がったら、タイミングを見て相手に寄せに行きます。
ボール保持者に寄せにいくときは、原則は中央の選手が寄せに行きます。
その理由を以下で説明します。
中央の選手が寄せに行く理由
チャレンジ&カバーがしやすいため
中央の選手が寄せにいく理由の1つは、チャレンジ&カバーがしやすいことです。
チャレンジ&カバーとは要するに「誰かがボール保持者に寄せにいき(チャレンジ)、近くの選手が寄せに行った選手の背後のスペースを埋める(カバー)こと」です。
中央の選手がが出ていき、両脇の選手が絞るように埋れば、あいた背後のスペースを消しやすいです。
中央をしめ外にボールが出た際も、カバーに入った両脇の選手が寄せに行き、中央の選手がカバーに行くことができます。
両脇の選手が出ると背後を取られ守備者の枚数が減るため
カウンターの守備の際は、両脇の選手がボール保持者に出ていかないのが原則です。
なぜなら両脇の選手が寄せにいった背後を取られた場合、中央の選手がカバーにいきにくいからです。
両脇の選手が寄せにいっても、中央の選手はすぐにカバーにいけません。
ボールから目線をきるのが難しく、カバーに行けばゴールへの最短(中央)があいてしまうからです。
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カバーする選手がいなければ、スルーパスを出され一気にゴール前まで運ばれます。
スルーパスを出されると寄せに行った選手がおいていかれる状況になり、守備の枚数が減ります。
中央の選手が遅れてついていけば、対応が後手後手になります。
そのため両脇の選手が寄せに出ていくと、中央の選手も含めたチャレンジ&カバーがしにくくなります。
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サイド、斜めからくる相手にはどうするか
サイドから縦またはカットインしてくる相手には、両脇の選手が寄せに行きます。
中央の選手が寄せに行くには距離がありすぎるからです。
逆にゴール前をあけてしまいます。
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中央より外側から斜めにくる相手に対しては、原則は中央の選手が寄せにいきます。
両脇の選手の方が外側からくる相手に距離が近いため、寄せに行ってしまいがちです。
ですが前述のように背後のスペースを使われてしまうため、下がりながら中央の選手が寄せに行った方がよいです。
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中央より外側からのシュートの方が失点の確率を減らせるため
中央からシュートよりも、外側からのシュートの方が失点の確率を減らせる場合が多いです。
理由はシュートがくる場所を限定できるからです。
上記した「チャレンジ&カバー」をして中央を消せばボールは外へ出る可能性が上がります。
その上でシュートを打つ選手の利き足にもよりますが、外側からシュートを打つ相手に対して、ニアサイドを消してファー側に打たせてキーパーが処理するといったプレーもできます。
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原則はあくまで確率を減らすためのもの
ここまでカウンターの受けた場合の守備の原則について言及してきました。
しかしこれをすれば絶対に失点を防げるわけではありません。
あくまでカウンターでの失点を防ぐための有効な手段の1つです。
「ペナルティエリアの5m前まで下がり、中央の選手が相手に寄せていく」という原則の通りプレーしても、ドリブルで中央を抜かれたり、サイドからのクロスで失点したり、シュートがうまくて失点したりします。
サッカーは料理に似ていると思います。
料理における原則をレシピだとすれば、レシピ通り作ったつもりでも、ちょっとした火加減、茹で加減、材料の質、調理道具の違いによって味が変わります。
またレシピにはない調味料を入れてしまったらまずくなる可能性があります。
しかしよりおいしくなることもあるでしょう。
サッカーも原則通りにプレーしてもうまくいかないこともありますし、原則とは違うプレーをしてうまくいくこともあります。
ただサッカーにしても料理にしても、うまくいく確率の高いプレー・おいしくなる調理法を知っておくというのは大事なことだと思います。
まとめ
・カウンターの守備の原則は、ペナルティエリアの5m前まで下がり、中央の選手が相手に寄せていくこと。
・ペナルティエリアの手前まで下がり、背後を埋めながら味方の戻りを待つ。
・中央の選手がボール保持者に寄せに行くことでチャレンジ&カバーがしやすくなり、スルーパスで外され一気に前進されるリスクが減る。
・原則はあくまで有効な手段の一つ。相手のプレーが上回れば失点する。
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