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逆切りのプレスが主流になっている

最近のJリーグを見ると、逆切りのプレスをするチームが増えているように見えます。
逆切りのプレスとは、最初にプレッシャーに行く選手が、守備するエリアを限定させるようなプレッシャーのかけ方をすることです。
理由は以下の2点です。
①守備するエリアを限定した方が人にアタックしやすい
②サイドチェンジや背後(スペース)を使われて前進されずに敵陣でボールを奪うため
敵陣でボールを奪うことの重要度が増している中、逆切りのプレスが多くなっている印象です。


プレスとは

ここでいう「プレス」とは、チーム全体でボールを奪いにいく行為のことをさします。
1人が取りにいくことは、プレッシャーという言葉を使っています。

以前までは縦切りのプレスが主流だった

縦切りのプレスとは

選手の間を通るような縦パスを防ぐように、プレッシャーに出ていくプレスです。

縦パスを切るようにまっすぐセンターバックに出ていくため、ボールは基本横へでます。
横パス、バックパスをさせて、そのパスを合図にプレスを始めるチームが多かったです。


逆切りのプレスとは守備するエリアを限定するためのプレッシャー

逆切りのプレスとは、ボールを持っているセンターバックに対して、逆サイドにけらせないような角度でプレッシャーにでていくことです。

主にフォワードやトップ下など、中のポジションの選手が外側へプレッシャーにいく際に使われてます。

このプレスにより、逆サイドへのパスの選択肢をなくし、ボールのあるサイドに限定させ、縦パスを引っ掛けたり、よりサイドにおいこんでボールを奪うことができます。

なぜ逆切りのプレスが多くなっているのか

守備するエリアを限定した方が、人にアタックしやすい

逆切りのプレスによって、守備をするエリアを限定した方が人にアタックしやすいです。
守備するエリアを限定できずに人についてしまうと、間を抜かれたり、純粋な一対一の勝負になりやすいからです。

ここでいうアタックとは、相手(人)に迫って自由を奪ったりボールを取ろうとすることです。

相手にパスコースの制限がかかっていない、自由にさせていると、守備するエリアが限定できません。
次にパスがでてくる先が読みにくいからです。
そうすると、動いた相手についていく守備になり後手の対応になります。

逆サイドや背後を取られるのを防ぎながら敵陣でボールを奪うため

 逆切りのプレスにより、ボールのあるサイドに追い込むほど、逆サイド相手が動くことでできるスペースを使われるのを防ぐことができます。
 相手の前進を防ぐことで、高い位置でボールを奪うことができます。

サイドの方が選択肢がない
 ビルドアップにおいて、タッチラインの方へ追い込まれるほど、パスコースがなくなっていきます。
 マークされやすく、近い距離までこられているケースが多くなるため、見えていてもパスが出しにくいです。
 また逆サイドへは距離が遠くなるため、サイドチェンジはしにくくなります。

スライドによりスペースを消す
 
ボールのあるサイドに相手がスライドしてくることで、ボールに近い味方は捕まえられやすくなります。
 守備側ははじめに立っていた位置からボールを取りにいったり、スライドしたとしても、ボールに近い方のスペースは他の選手が寄るため消しやすくなります。

今のサッカーは敵陣でボールを奪えるか、または自陣でボールを奪われないか

ボール非保持側はいかに敵陣(なるべく高い位置)でボールを奪えるか

理由をざっくりまとめると、ビルドアップはリスクが大きく、プレスの方がリスクが少なくカウンターにつなげられるからです。

敵陣で奪うには、個人だけでなく、より全体でボールを奪いにいくことが大事です。
全体で守備エリアを限定しながら、相手にアタックしやすくなるためです。
夏の暑い時期だから前へ出ないのでなく、敵陣でボールを奪おうとするチームは増えているように見えます。

ボールを保持する側は、いかに自陣でボールを奪われないか

逆にボール保持側は自陣で奪われないために、2ボランチでのビルドアップが多くなっているように見えます。
2ボランチでのビルドアップについては、以下の記事にまとめています。

まとめ

・逆切りのプレスをするチームが増えている。逆切りのプレスとは、中の選手が、逆サイドにけらせないような角度でプレッシャーにいくこと。
・逆切りのプレスにより、守備するエリアが限定され人にアタックしやすく、プレスを外されにくいため敵陣でボールを奪いやすい。
・今のサッカーはいかに敵陣で奪えるか。そのため個人に依存せず全体でボールを奪うかを目指しているチームが増えている。

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