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高橋伸哉氏のプリセット総集編

こんにちは。杉本です。

この度、高橋伸哉初個展「IMPERMANENCE」の開催とに合わせ、個展のタイトルを冠するプリセットを発売しました。
今回も例に漏れず高橋伸哉監修、制作は僕が担当しました。
以前製作したプリセットに関しては、今回の個展で展示された写真に使用されていますので実績や実際に使用した印象について皆様の目に見える形で具現化されました。今回は総集編と銘打って今までのプリセットの中からいくつかを抜粋して紹介しつつ、最新作についても一部言及できたらなと考えています。

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第一弾より

第一弾は「写真にドラマチックな息吹を与える極上のLightroomプリセット」というネーミングでした。伸哉さんの気の強さが宿るような名称ですが、実際に結構アグレッシブなプリセット群になっています。


Dramatic Sunset

文字通りドラマチックな夕陽を演出するプリセットです。夕陽対応のプリセットだけでセットに四つ含まれており、数を作ることで汎用性を担保するという方針を取りました。
また、この第一弾シリーズは唯一、基本補正の露光量やホワイトバランスをプリセット内部にパラメータとして含んだものになっています。
ですので、露光量やホワイトバランスについてご自身で調整した方がいいという方はリセットした上で再度プリセット化しておくといいと思います。この設定を残すことで伸哉さんが現地でいかに撮影に集中しているのかを感じてもらえるかなと思い残しています。




Summer

Summerは元々は僕のプリセットです。それを微妙に改造したものを提供しました。元々、汎用性を意識して制作してありますので、安心して使えると思います。当時の僕のメインプリセットの一つで今でもこの原型になったものは相変わらず使用しています。当時のコンセプトと発売時期からSummerと銘打ちましたが、季節を問わず使える便利さがあります。原型よりも少しエモーショナルな色味になるよう調整してあります。


大正ロマンシリーズ

大正浪漫03

レトロな印象を獲得するプリセットです。室内でのポートレートにも使えますが屋外や夕陽のシーンでも使えます。室内は以前の記事で紹介した記憶があるので今回は真逆の広い構図のものを。空の色が移り変わる時間にレトロな雰囲気がマッチします。



第二弾より

第二弾はCINEMA STYLEプリセットという名称で制作しました。
このプリセットから露光量やホワイトバランスを省き、多少下地としての有効性にフォーカスしています。
もちろんそのままでも使用できるように作ってあるのですが、オリジナリティにアプローチした方がある程度直感的に改造できるような仕様にしてあり、幅広く楽しめる内容になっています。


CINEMA-Low

このCINEMAシリーズにはCINEMA-LowとCINEMA-Middle、三つ目にCINEMA-Prideがあります。非常に使いやすく僕自身よく使用しています。このシリーズが組めた時の感動はいまだに覚えていて、同時はこれ以上のものはもう作れないかもなとすら思ったような記憶があったりななかったりします。
特に可動領域が大きく自由に楽しんでいただけると思います。




Classic

なんか冷静に書いてますが、素直に言います。めっちゃ良くないですか?この第二弾は本当にお気に入りが詰まっています。制作期間の長さもそうですが、とてつもない労力を掛けて、それに見合う品質まで向上させることができた自信があります。



FEEDSET

こちらはフェードを切ってあるものです。少し濁るような印象で最早流行を超えて定番化したと考えています。
一世を風靡したようなプリセットにもこの仕様は多いですね。国内外問わずよく使われる設定の一つかなと思います。
第二弾では基本的にはトーンカーブを切ることはしていないのでこちらは例外的なプリセットになっています。便利どころの騒ぎではありません、万能型です。



Silent

元々、第一弾が春夏のコンセプトだったので、第二弾は秋冬という話から始まりました。結果的に通年使える感じにまで追い込んでしまったのですが、その名残でこのプリセットの他にもSNOWというものがセットになっています。
少し地味に見える側面もあるのですが、しっとりした写真や、騒がしくない写真にはおすすめです。
僕は結構こういう地味でなんの変哲もない習慣の写真を大量に撮るのですがそれらにはちょくちょく使用しています、


第二弾は全体を通して、汎用性と個性をバランスさせることに心血を注いでいます。開発時間も最も長く、当時はこれ以上のものを作る自信はないな、というところまで行きました。
結果としてとてもいいものができて、今回伸哉さんの初個展をレタッチという側面で影ながら支える存在にまでなれたのかなと思います。



第三弾-最新作


第三弾は映画風に!カラグレで色作って!という指示が飛んできて、まぁ苦労しました。
一般的なレタッチの方法論からいうと多分そこまで難しくないというか、一枚をそれ風にするのはむしろ定番化された手法な気がします。
でも今回、カラグレを抜いた時にもトーンカーブで色が立つ状態の二段構えにしたかったので、そこの仕込みに苦労しました。
簡単にいうとカラーグレーディングの色を変えたり無くしたら使い物にならない、という状態を徹底して避けました。
HSLなどは極端な話、含まれる色数や元々の彩度次第で調整が必須なのでどうとでもなるのですが、トーカーブとカラグレは全体の屋台骨になると考えているためです。



01-情景

01-情景です。販売時の記事にそれぞれの特徴は書いてあるので細かい話はそちらをご覧ください。今回は使用感を綴っていきます。
発色の良さが良いですね。また出力先に応じて適用量を調整すれば撮って出しとのバランスで落とし所を簡単に探ることができます。
コートの赤は元々濃いので、ここまで濃くなってしまっています。


適用量60%

60%まで落としたものです。
少し優しくなりました。このようにパラメータ調整以外でもほぼワンタッチで調整できるのはあらかじめある程度濃さを意識して制作しているためです。

Lightroomは進化しています。僕が思う伸哉さんのイメージは新しいものを積極的に受け入れる、時代の流れに逆らわず、受け入れ許容しながらも自分を貫くというイメージです。その人間的な懐の深さを形にしたかったので、Lightroomが進化し、搭載された機能を積極的に使える仕様にすることで、先鋒としての存在感を持たせようという試みでこういった仕様にしました。
この適用量の効果はスマートフォン版のLightroomでも使えますのでスマホで撮影した写真でも気軽に使用してみてください。ぱっと見は濃いなと思っても簡易に調整可能です。


まとめ

これまで製作して販売したプリセットの数は3回分を合わせると26種に及ぶらしいです。この過程で生まれたテストプリセットは120個くらいあります。本当に細かいのを含めると多分200個近いというか超えてるというか。散々合体したり分解したりを繰り返したので正確な数は僕自身も追えませんが、かなりの数があります。その集大成になるものを販売しているので品質は自信がありますし、伸哉さんも僕も実際に日常的に使用しています。
これまで大変多くの方に使用していただき、本当にありがとうございます。実際にお会いしたときやSNSで感想を伝えてくれるのを心から嬉しく思っています。
一人でも多くの方に使って頂きたいので、ご興味のある方はぜひ使用してみてください。よろしくお願いします。


https://s-onlineclasses.stores.jp

それぞれのプリセットの記事は下記からどうぞ。


https://note.com/yuya_sugimoto021/n/nc8a4f526c850




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