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写真作家高橋伸哉氏が送るプリセット第三弾


みなさんこんにちは。杉本です。

2023年の11月28日から12月3日まで行われた写真作家高橋伸哉氏の初個展

「IMPERMANCE」

大変多くの方がギャラリーを訪れ、写真を味わった素晴らしい個展でした。そして同時にXのトレンドに連日案を連ねるというおおよそ常人の範囲を超えた影響力の強さに改めて凄い人なんだなと感じた方も多いと思います。

その天性の人たらしがもたらす恩恵からか素晴らしいスタッフの方々に恵まれ、大賑わいの個展の裏で、人知れず人Lightroomと向き合い続けるフォトグラファーが伸哉さんのアイデンティティを具現化するために頑張って、新作プリセットの製作を終えました。というわけで今回も説明書のようなものを書くので是非ご一読の上、購入して頂けると大変嬉しく思います。


全6個からなる新シリーズ「impermance」

今回の展示を現地でご覧になった方やXで感想を見た方はわかると思いますが、非常にホスピタリティに気を遣った展示となっていました。見にきてくれた方々が気持ちよく作品を閲覧できるように、という寄り添い、おもてなしの一方で写真表現においては写真作家として本人が想う写真を展示する、という明確な意志が通貫している個展だったように感じました。

プリセットに関しても同様で、1回目は「高橋伸哉氏の撮影の自由度を感じることができる」ような仕様にしています。2回目は「普段使いできて印象的なもの」という最もプリセットらしいものでした。
今回は打って変わって「個性的で濃くて良いのでがっつり好みを盛り込んだものを」というオファーだったので、今までで最も汎用性に割く比重を落としました。
ここは後述しますが、落としたといっても元々がかなり高く設計してあったので結果としてそれなりの汎用性は担保されました。
その代わり、写真作家としてここはこうしたい、このパターンが欲しい、こういうシチュエーションで使いたいという意志をしっかり拾って形にすることで個性的なプリセットに仕上がったと思います。最も個性的で味のあるプリセット群になったのは間違いないと思います。


01-情景


情景-before


情景-after

01-情景は名前の通り、高橋伸哉氏の真骨頂、情景ポートレートにマッチさせるためのプリセットです。室内外を問わず使えるプリセットになっています。
独特のカラーグレーディングを施しています。適用量の調整や、カラーグレーディングの項目のみをリセットするなどをすると少しあっさりした色味になるので
分解や改造も可能な作りになっています。

また今回も露出及び色温度はプリセットに含んでおりません。皆様が撮影した環境に合わせて適宜調整してください。この二つをしっかり調整してあげるとなお、使い易く感じると思います。色味は派手にしてあるので、濃いなとも感じる方は適用量を75%にするなどして、濃度を調整して遊んで頂いても面白いと思います。



02-無常




無常-before


無常-after

02-無常は濃いグリーンがレトロな空気感を演出します。
トーンカーブとカラーグレーディングの塩梅で色を作っています。肌の色にイエローが乗り過ぎる場合にはHSLなどで少し調整してあげてください。
インパクトのある仕上がりを実現します。また色かぶり補正をプラス側に振ると違う表情が顔を出すのも特徴です。


無常-調整後

こちらは色被り補正とHSLのオレンジの輝度を上げたものです。さっと調整できるので濃さとは裏腹に扱いやすさも確保しています。
基本補正で撮影した写真とプリセットのバランスが取れるので、明るくなりすぎた、とかシャドウが思いなと思ったらピンポイントで調整してあげてください。
基本補正である程度フォロー可能な様にすることができたので、その点で可変領域を確保できたと考えています。

03-残像


残像-before


残像-after

03-残像はイエローが特徴的なプリセットです。夕焼けのシーンでは写真の様に色を強調するので、あまりに爆やけに恵まれた際には適用量を落としてあげると扱いやすいと思います。


残像-after

色の多いシーンでは古めかしさと色の濃さがバランスして効果的な仕事をします。
今回は「カラグレの濃い映画の様なイメージで」と言われて、昔使っていたプリセットを引っ張り出してきてデータを採取したのですが、以前僕が作ったものはここまでバランスが成り立たずいつの間にか使わなくなっていたんですよね。数年ぶりに見たら散々プリセットを作ってきた影響なのか、悪さをしていた項目が分かって良い感じにまとまってくれました。自分でも結構びっくりしたのですが、これまでの伸哉さんのプリセットを作る過程で作った試作品の数が100個を軽く突破していていました。多分これまでしっかりLightroomに触ってきたので知らず知らず成長していた様です。嬉しい誤算でした。もちろん、結構苦労もしましたがその甲斐はあったのかなと思えるものは出来上がりました。



残像-before


残像-after


04-激情


激情-before


激情-after

04-激情は今回のプリセットの中で最も攻めた一品です。
赤とピンクの中間の様な色が乗るようにしてあって夕方の光や室内の光をムーディに演出します。


激情-before


激情-after

赤みとコントラストで生々しさを表現できるような一面もあり室内でも良い感じに使える仕様になっています。昭和感のある仕上がりになりました。


05-冷炎


冷炎-before


冷炎-after


05-冷炎は今回のプリセット群の中で唯一、カラーグレーディングを使用していません。トーンカーブのみで色を作っていて、露光量やホワイトバランス、カラーグレーディングで任意の色に寄せることが可能です。
何もせずともそれなりに濃い味付けになっていますので、そのままでも使用可能です。こちらの写真はプリセットを当てたのみとなっています。
好きな色と組み合わせてプリセット化しておくことで拡張性も担保しています。


06-静寂


静寂-before


静寂-after


06-静寂は派手さはないものの、ハイライトとシャドウにひっそりと色を忍ばせているプリセットです。地味ながら艶感や質感の出るプリセットです。


before-afete


白に色が乗るケースではカラーグレーディングの量や適用量を調整して塩梅を調整してください。



調整

今回のプリセットは上記の6つがセットになったものになります。
Lightroomに適用量の項目が追加されたこともあり、濃いけど使えるを目指して製作しました。結構細かい修正指示があったので、細部の調整にはすごく時間をかけています。
適用量は、文字通りプリセットの濃度を上げ下げする機能ですが、基本的には下げる方が多いと思います。
細かい調整をしてもいいですし、適量量で一括調整をしても良いのでご自由に調整してみてください。
また全てのプリセットにおいて、カラーグレーディングのみをリセットしてプリセット化しても問題ない様にしてあるので、コントラストはプリセットに任せたいものの、全体の色味はコントロールしたいという方はカラーグレーディングをリセットしてプリセット化しておくのも良いかと思います。

伸哉さんに見せた時にかなりテンションが上がっていたので使って楽しいこと間違いなしです。途中、「もっとこうしてくれやー!」の段階は普通に、いやまじでしんどかったですが、やはり拘りが強い分出来上がった時には良いものができるなと実感しました。
伸哉さんもすでに日常的に使用している様です。皆様もぜひ、このプリセットで情景ポートレートに挑戦してみてください。

購入はこちらから↓

https://s-onlineclasses.stores.jp


※プリセット製作にあたり使用した写真は伸哉さんの写真と僕の写真です。
※今回の記事内で使用している写真は全て伸哉さんの写真になります。
※スマートフォンでもご使用して頂けます。








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