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外国為替相場のテクニカル分析が最も難しい理由。

いわゆる「相場」を予測する手段は、大きく分けて2つに分類できます。

1つは、過去から現在までのチャート(ローソク足)の動向から相場を分析して予測するテクニカル分析。

もう1つは、投資対象となるもの自体や、それを取り巻く経済や社会のあらゆる諸条件・状況などから相場を予測するファンダメンタルズ分析です。

その上で、外国為替相場を対象とする「投機(俗に言うFX)」を行っているトレーダーの多くは、どちらかと言うと「テクニカル分析」に比重を置いている人が多いようです。

ですが、そのようなFXトレーダーの大多数は、外国為替相場で「勝つこと」ができずに「負けている」のが実情かと思います。

要するに「テクニカル分析」で、外国為替相場の動向を予測するものの、その予測がことごとく「上手くいっていない」ということです。

ただ、それは実際のところ「必然的な結果」と言えるほど、そこには確固たる『理由』と『要因』があります。

そんな『外国為替相場をテクニカル分析で予測することが難しい理由』について、解説していきたいと思います。

外国為替相場のテクニカル分析が最も難しい理由。


原則として「相場」を分析し、予測する手段は、上述した「テクニカル分析」と「ファンダメンタルズ分析」のどちらかに分類されます。

相場の動向そのものを分析する場合はテクニカル分析ですが、それ以外のありとあらゆる情報ソースを分析の対象する場合、それはファンダメンタルズ分析に分類されることになるからです。

ゆえに、ありとあらゆる「相場」においては、常に『テクニカル分析に基づく売買を行っている人達』と『ファンダメンタルズ分析に基づく売買を行っている人達』が混在している事になります。

よって「相場」における変動(値動き)は、

・テクニカル分析に基づく売買
・ファンダメンタルズ分析に基づく売買

このいずれかにおいて、その比重が大きい方へと動いていくことになります。

相場全体の比重として、テクニカル分析に基づく売買を行う人の比重が多く、尚且つ、そのような人達の売買の方向が偏った場合、その相場はその「偏り」の方へ動いていくことになります。

ファンダメンタルズ分析に基づく売買を行う人の比重が多く、そのような人達の売買の方向が偏ったなら、相場はそのファンダメンタルズ分析の「偏り」の方へ動いていくということです。

テクニカル分析に基づく売買の比重が高くなるケースとしては、チャートの形状やテクニカル指標の動向が、テクニカル分析を行っている多くのトレーダーが着目する条件を満たした場合。

具体的な例としては「ゴールデン・クロス」「デッド・クロス」「ダブルトップ」「ダブルボトム」など。

ファンダメンタルズ分析に基づく売買の比重が高くなるケースとしては、その投資対象となるものの「価値」や「将来性」の判断に大きな影響を与える報道やニュースが公になった場合。

具体的な例としては大規模な自然災害、戦争やテロ、経済の動向を大きく左右する法改正などが突如として、公になった場合など。

このように相場内における「テクニカル分析に基づく売買」と「ファンダメンタルズ分析に基づく売買」は、時と場合によって、その比重そのものが大きく変動する(変動している)ということです。

相場変動のメカニズム。


ですが「テクニカル分析に基づく売買」と「ファンダメンタルズ分析に基づく売買」の比重は、そもそも、その『対象物』によって、顕著なほどの「偏り」が存在します。

相対的にテクニカル分析に基づく売買の比重が高く、ファンダメンタルズ分析に基づく売買の比重が低い対象物。

対して、テクニカル分析に基づく売買の比重が低く、ファンダメンタルズ分析に基づく売買の比重が高い対象物が存在するということです。

よって、常に「テクニカル分析に基づく売買」を行っている人が多数を占めるような相場であれば、その相場はテクニカル分析に基づく売買の偏りに沿って動いていく可能性が高くなります。

常に「ファンダメンタルズ分析に基づく売買」を行っている人が多数を占める相場であれば、その相場はファンダメンタルズ分析に基づく売買の偏りに沿って動いていく可能性が高くなるということです。

その上で『外国為替相場』はどちらの比重が大きいのかと言えば、これは圧倒的にファンダメンタルズ分析に基づく売買の比重が大きい傾向にあります。

そもそも相場内におけるテクニカル分析およびファンダメンタルズ分析に基づく売買の「偏り」は、その相場へ影響を及ぼす『ファンダメンタルズ分析の対象となる要因の多寡(多いか少ないか)』に左右されます。

その投資対象の「現在価値」や「将来的な価値」を分析するための有効な判断材料となるものが多ければ多いほど、その判断材料に基づく売買が、より高い比重と頻度で行われる事になるからです。

よって、ファンダメンタルズ分析の対象となる何らかの要因が多ければ多いほど、その相場はファンダメンタルズ分析に基づく売買の比重が高くなります。

必然的に、そのような相場は「テクニカル分析に基づく売買の比重が低くなる」ということです。

外国為替相場に影響を与えるファンダメンタルズ要因。


外国為替相場は「圧倒的にファンダメンタルズ分析に基づく売買の比重が大きい」とお伝えした通り、その分だけテクニカル分析の優位性は低くなる傾向にあります。

それだけ、外国為替相場は「ファンダメンタルズ分析の対象となるような要因が多い」という事です。

これは、そもそもの外国為替相場が、各国の通貨当局(政府または中央銀行など)が発行する「通貨(法定通貨)」の交換レートを対象とする相場であることに起因しています。

外国為替相場における「通貨(法定通貨)」のように、それ自体の「発行主体」が存在するようなものの相場は、必然的に、その発行主体の動向などが、そのままファンダメンタルズ分析の対象となりえます。

その分だけ、ファンダメンタルズ分析の対象となるような「分析材料」も必然的に多くなり、実際の相場の動向も、その多くの分析材料に左右されやすくなるのです。

よって、外国為替相場の動向は、否が応でも、その対象となる通貨(法定通貨)を発行している各国政府やその通貨当局、中央銀行などの「動向」に左右されてしまうことになります。

具体的には、

・公定金利などの金融政策
・公共支出などを含めた財政政策
・GDPの推移
・公開市場操作の動向
・国債の発行状況
・貿易収支
・各国政府による為替介入の有無

などなど、これら全てが外国為替相場を対象とする「ファンダメンタルズ分析」の対象になりえます。

上記のような要因がそれぞれ外国為替相場に対して、どのような影響を及ぼしているかは、経済学上の学説などでも見解が分かれている部分です。

ですが、現実として「異なる2カ国間の通貨(法定通貨)における交換レート(外国為替相場)」は、上記のような複数の要因の影響下にあるということです。

外国為替相場は「テクニカル分析」では捉えられない。


よって、外国為替相場は、ここで挙げたようなファンダメンタルズ要因に基づく、それらを分析した上での売買が、常に相場内に介入し続けています。

これは明らかにテクニカル分析に基づく売買によって生じる相場の傾向とは異なるため、必然的に、外国為替相場はテクニカル分析の有効性が薄れてしまうということです。

現実として、外国為替相場をテクニカル分析によって予測しようとしているトレーダーのほとんどが勝てていないという事実が、何よりも、このことを物語っていると思います。

それこそ、テクニカル分析で相場を予測していくことを意図するのであれば、外国為替相場のようなファンダメンタルズの影響が強い相場は避けなければなりません。

具体的には「金(ゴールド)」などの自然物や「ビットコイン」などの中央集権型ではない仮想通貨など、それらの「発行主体」が存在しないものは、必然的にファンダメンタルズの影響を受けにくい傾向にあります。

発行主体そのものが存在しないというだけで、そのようなものの相場は、ファンダメンタルズ分析に基づく売買よりも、テクニカル分析に基づく売買の比重が圧倒的に高くなるからです。

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ちなみに私がここ数年間、以下のツイッターを介して「相場の予測」や、それに基づく「売買の経過」を公開しているのは、その9割以上が「ビットコイン」を対象とするものになっています。

https://twitter.com/FXY69219641

2023年度(ビットコイン公開トレード):102勝 / 103回(勝率99.02%)
2022年度(ビットコイン公開トレード):108勝 / 108回(勝率100%)
2021年度(ビットコイン公開トレード):135勝 / 136回(勝率99.26%)
2020年度(ビットコイン公開トレード):102勝 / 103回(勝率99.02%)

このツイッターでは、あくまでも「テクニカル分析に基づく短期的な相場」のみを予測の対象としているため、その予測を有利に行うことができる『ビットコイン』を対象にしています。

その上で、ここ数年間は継続して『年間99%以上の勝率』を実現しています。

ファンダメンタルズ分析に基づく相場の予測を、ここまでの精度と確率で的中させるのは困難かもしれません。

ですが、テクニカル分析に基づく短期的な相場の動向に特化すれば、ここまでの精度と確率で相場を予測していくことも可能ということです。

多くのトレーダーが陥る外国為替相場(FX)の落とし穴。


もしも外国為替相場を対象とする「FX」などで勝ちたい(稼ぎたい)のであれば、少なくともテクニカル分析に比重を置くべきではありません。

それこそ「FX」においては、有用性の薄い情報コンテンツ(ノウハウ・ツールなど)が巷に溢れているのが実情であり、そのほとんどが「テクニカル分析」を前提とする取引手法となっています。

このようなものにきっかけとして外国為替相場(FX)に参入する人も決して少なくは無いため、結果的に、FXで大きな損失を被ってしまう人は後を絶ちません。

ただ。ここでその理由と要因を明確に述べた通り、外国為替相場をテクニカル分析で攻略しようとするのは、明らかに「悪手」ということです。

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ただ、上述した通り、外国為替相場におけるファンダメンタルズ分析の対象となるような要因は多岐に渡ります。

その上で、どのようなファンダメンタルズ分析が外国為替相場を攻略する上で有効なのか、という点については以下のようなコンテンツがございますので、是非、併せて参考にしてください。

最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。


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