犠牲フライでため息?得点してるのに?!

非常に興味深いツイートがありました。

※うるドラまんさんから引用の許可を頂いています。

2023年7月25日、中日VS横浜DeNAの9回裏 1死2・3塁から大島洋平選手が犠牲フライを放ち、2点差に追い上げた場面です。

「確かに!」と私は思わず膝を打ちました。そして、「なぜ犠牲フライは歓迎されなかったのか」ということ、その心理はどこからやってくるのかを自分なりに考えてみました。

1)大島選手であれば犠牲フライ以上の結果を期待できた
当該の場面は大島選手が打席。2000本安打を目前に控えるヒットメーカーですから、ファンは安打、あわよくばツーベースなどの長打で複数得点を期待したいところ。結果は犠牲フライ。
アウトになった代わりに1点が入ったということに対する「結果が期待値を下回った」状態であることが、不利を感じさせたのかもしれません。よくアウトと引き換えに奪う得点を「最低限」と言いますが、シチュエーション的には最低限にも到達しないような状況であったようにも思います。

2)犠牲フライによってランナーが一人いなくなった
今回のケース、犠牲フライ後のシーンは2点ビハインドの2アウト3塁。
同点にするためにはさらに1人ランナーを新たに出塁させる必要があります。ヒットであればアウトカウントが増えず、同点のランナーになっていたため、アウトが増えてランナーが減ったという状況は芳しくなかったように感じます。
チーム打率が.250だとして、同点、逆転するには4回に1回の当たりを3連続以上引かなければ行けない(完全ランダムではないので、この限りではありませんが)のは、やはりハードルは高いです。

3)スクイズの選択肢はない(≒1アウトをあげるプレーに価値はない)
同じ状況を意図的に発生させるとしたら、スクイズが再現するにあたり一番確率は高いですが、状況的には絶対にしないですよね。ということは、繋いで繋いでランナーを溜めて返していくことが条件となってくるので、1アウトを献上したことが点数を縮めたことよりも自分たちの状況を苦しめているような感じでしょうか。

ちなみに、これがフラットな状態で犠牲フライとスクイズの可能性を考えたとき(1回の表、ノーアウト3塁から犠牲フライと、ノーアウト3塁からスクイズ)だと、犠牲フライなら「まずは先制点を奪えた」と喜ばれる結果になると思いますが、逆にスクイズだと「まだ初回なのになんか消極的だなぁ」という印象になりますよね。

そもそもスクイズの語源は「Squeeze=搾り取る」ということで、だいたいは終盤の勝ち越しや決定的な得点差にしたい場合に使う作戦ですから、ゲーム序盤に行うものではないですね。

そして、これは「送りバントは非効率」にもリンクするような話にもなりますが、強行した結果犠牲フライになったものであって、結果如何ではヒットやホームランになりますが、送りバントやスクイズは結果如何ではホームランになり得ないのが大きいと思います。(ただ、送りバントはその分打撃結果でダブルプレーというネガティブな部分の可能性を減らすものでもある)

以上3点が、犠牲フライを放つことで不利を感じるという、どちらかというとメンタル寄りの話でした。
非常におもしろい問いかけでした。改めてうるドラまんさんにお礼申し上げます。


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