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勝ちたくて野球やってる

ライデル・マルティネスの離脱が痛すぎるというか、これほどまでにダメージになるとは思ってもみなかったというのが本音だ。
9回最後の1イニングを任せる絶対的クローザーが抜けることで生じる歪みは想像以上に大きかった。ライデルがいなくなると共に、鉄壁のリリーフ陣に狂いが生じてきた。思えば最後2020年も、ほぼAクラスは確実だろうというところからライデルが離脱し、祖父江と福がボロボロになりながらも何とかAクラスを死守していた。

リリーフ陣が不調なここ最近よく目にする「もう今年は最下位でいいから来年に切り替えて主力を休ませよう」という意見。
シーズン通して蓄積された疲労もピークに来ているであろうこの時期そう言いたくなるのも分からなくもないが、現場の選手当人たちはどう思うのだろうか。

一軍で投げている以上、絶対に抑えたいし勝ちたい

これに尽きるのではないだろうか。いや、むしろ「今年は勝ちの割に防御率も良かったし、もうシーズン終わっても年俸アップだろうし」なんて思ってる投手がいたら(いや、思っても口に出すことはないだろうが)絶対に応援したくない。信じられない。

残り数試合となったシーズンでも奪った三振1つ、獲得した勝利1つ、マウンドに上がった1試合で来年の年俸査定にも影響があるだろうし、通算成績にも大きく影響してくる。そんなときに「あの時年間成績に満足してシーズンを終わらせていなかったら」と後悔しても遅い。

当たり前だが、チームは目の前の試合を勝ちに行っている

侍JAPAN相手に快刀乱麻のピッチングをした小笠原は、投球回こそ前年より上回り3年連続の規定投球回到達を果たすも、それ以外の全ての諸指標で数字を落としている。
フルイニング出場を続けている岡林は、連続試合安打記録が途絶えてから状態が一向に上がってくる気配がなく、2年連続最多安打も黄色信号が灯っている。
序盤のチームを引っ張った細川も、22本塁打という数字はここしばらくチームの日本人選手で記録していない立派な数字だが、後半戦はバテてしまった。

それでもグラウンドに立つ選手たちは目の前で行われている試合で、自分たちのできることを最大限に発揮して勝利を目指そうとしている。どれだけビジターの試合で勝てなくとも、どれだけ完封負けを喫しても、どれだけ借金が増えようとも。

誰も負けたくて試合をしている訳ではないからこその6回の大逆転劇。これまでの敗北だって負けたくて負けた結果ではない。順位が確定しても、143試合目のゲームセットの声を聞くまでグラウンドにいる選手たちは勝利を追い求めてプレーをしていることを、私たちファンは忘れてはならない。「もう休ませよう」は外部からのノイズで、単なるエゴでしかない。

これ以上の失点はできない状況で大事な5回の裏をゼロに抑えた橋本、プロ初勝利おめでとう。これからもどんどん勝ち星を重ねていって欲しい。

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