弱いチームの監督は批判されて当然なのか

「ひとつの負けにアツくなっている人が羨ましい」
飾りひとつない、私の本音だ。

中日ドラゴンズは5月19日現在37試合を消化し、13勝25敗で借金を12抱えている。同試合数で今年より悪い年は、1980年の9勝25敗3分の借金16というのがあるが、長い球団史で2番目に弱い年といっても過言でもないかもしれない。

閑話休題。負け試合は毎日のようにSNSが荒れているが、私としてはそれが本当に羨ましくも思える。勝つ分には良い気分にはなるが、負け試合においては「まあ、こんなもんだよね」とストンと気持ちが落ち着くからだ。

監督の評価なんぞ「負ければ賊軍」だ。
最下位を独走しながら「我々ファンの思う起用をしてくれている!」なんて納得の声はどのチームでもあがってこないだろう。あっても戦力不足を嘆く同情くらいではないだろうか。
そして勝ちに慣れたチームの監督は「勝てば官軍」ではないというのも付け加えておこう。

一度でもファンに見放された監督は、大抵の場合どのように選手起用をしても、どういう作戦を立てても批判されてしまう。朝のニュースで勝利チームとの引き合いに出され、各紙面で批判を浴び、ネット記事やYoutube動画で叩かれ、一軍と二軍の入れ替えの公示がなければ批判され、あっても批判され、スタメン発表で批判され、試合でも事あるごとに批判される。
結果が出せない選手を起用していることを批判され、サインひとつを批判され、代打を出したこと・出さなかったことどちらの世界線でも批判され、そして試合に敗れ批判される。

逆に起用した選手が結果を出し、サイン通りに遂行して得点に繋がり、代打策が的中すればそれは選手への称賛に向かう。しかしこの間、ひとつでも気に入らないものがあれば監督は徹底的に批判される。慈悲もない。

監督とは、そういう立場なのだ。

タイトルにある「弱いチームの監督は批判されて当然なのか」という問いに対しては、世間一般的には「YES」である。結果が出ていない現場責任者であるからだ。

繰り返すが、私は一つひとつの負けに対して落胆をしないし、おおっぴらに批判もしない。私自身が嘆き、負の感情をどれだけ発信したとて何も変わらないからだ。同義で、最下位チームである以上勝ち試合一つに対して手放しで称賛もしない。

多量に批判をするエネルギーがあるなら自分が思うように采配ができるゲームで遊んで思うような結果に自分の手ですれば良いのではとも思っている。
他人に任せて自分の思い通りの結果にならないから批判したくもなる訳で、ならば、自分ができる環境は用意されているのだからそちらの世界で結果を残したほうがよっぽどストレス解消にもなるだろう。

監督の大義名分は勝つことであり、ファン一人ひとりを納得させることではない。どれだけ批判されるような選手起用をしても、作戦を立てようとも、私には興味がない。ただ信じた道を貫いて勝てば良いと思っているからだ。

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