失点の仕方、得点の仕方

清水達也が投げたカーブの軌道と、丸佳浩が出したバットの軌道がぴったり重なり、打った瞬間分かるホームランになった。
あれは本当に仕方がないと思う。しっかり投げきったコースにバットが出てきたのだから、打った丸を褒めるしかない。

ただ、今日の1、2点目の失点の仕方はあまり良くないなと感じてしまった。先発の福谷浩司は5回までランナーを背負うと併殺で切り抜ける無失点ピッチング。要所では間違えることなくイニングを終えていた。ところが6回、同点打となった吉川尚輝のボールは、木下拓哉が構えたアウトコースからは逆球となり、インローに入ってしまった。
なおかつそれが絶妙にレフト前に運ばれ、同点という結果となってしまった。
第3打席目ともなれば、これまで第1、第2打席の情報をもとに組み立てていきたいところだが、投げミスにより一気にプランが崩れてしまった。6回1失点といえば響きは良いが、明らかな失投で同点になってしまったところは福谷自身も悔いが残ったことだろう。

2点目においても勝野昌慶がカウント有利から岡本和真に出塁を許すと中田翔にはボールが高めに上ずった。同じノーアウト1・2塁でも出塁の仕方によっては(この場合:あっさり連打となってしまえば)また違った結果になっていたようにも思える。
福谷が6回68球とリズムよく投げていただけに、勝野のところで間延びしたような印象は拭えない。ゲームの進行に逆らうような空気になると、一変してしまうのもよくあることだ。

とはいえ、これらを解消できるようになれればチームとしてもぐっと強くなるし、こうした課題を乗り越えるための一人ひとりへの期待は大きいので、暖かく見守っていきたい。

新天地で輝く存在に

そんなことばかり言っていても面白くない。それは書いている本人が思っていることだ。
今日はなんといっても細川成也に尽きる。
1点を勝ち越された8回、アルモンテのツーベースでチャンスメイクをするも原監督の小刻みな継投に2アウト2塁となってしまった。追い込まれた状況の中、細川は代わったばかりの鍵谷陽平が投じた初球のスライダーを振り抜き、鋭い打球をレフトに飛ばし同点タイムリーとなった。

このイニング3人目となる投手の初球を迷わずフルスイングできる、細川の持ち味を存分に発揮した一打となった。
今日のオーダーで細川がスタメンを掴み取ったかと言われるとそうではないのが現状ではあるが、ビシエドを休養させるためのオプションとして、一塁守備を含め使える選択肢となったようにも思える。
ぜひともアピールを継続して、チームに新しい風を吹き込んでほしい。

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