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2021年に絶対に注目したい若手UKバンド3選

■ Yard Act

ロンドンより北に約200マイル、マンチェスターより少し東に位置するウエストヨークシャー州のリーズという都市を拠点に活動するYard Act。リーズといえば少し前の世代だとAlt-JやKaiser Chiefsなどの出身でもあり、新しいバンドだとDrahlaやMushなども活動、ウエストヨークシャー州という括りで考えればWorking Men's Clubなども。ロンドンとは少し離れた位置だからこそなのか、ロンドンの雰囲気に呼応と対抗を感じさせる面白いバンドがよく出てくるイメージがあります。

2020年に7インチ”Fixer Upper / The Trapper's Pelts”をリリースし、アルバムのリリースがあれば一気に名前を上げてくるポテンシャルのあるバンドがYard Actかと大注目しています。

太いビートを軸にしたダンスミュージック的な要素がありつつもその辺のポストパンクバンドを一蹴しかねない鋭利性を備えたサウンド。「見た目は文学少年、中身は不良」なんて江戸川コナン風味なキャッチコピーをつけたら殺されます。殺されましょう、この音で。ライブハウスでもクラブでも、Yard Actのサウンドで踊り狂える2021年を待っています。

■ Sapphire Blues

Sapphire Bluesはロンドンから西に120マイルほど離れたブリストルを拠点に活動しているバンド。ブリストルといえばブリストルの兄貴から俺たちの兄貴、そして今年リリースした”Ultra Mono”では全英チャート1位を獲得してイギリスの兄貴的な存在となった(?)Idlesも拠点とし、その弟分的バンドのHeavy LungsやLice。それ以外にもHome Counties、Pet Shimmersなど。リーズと同様にロンドンとは少し離れた場所で、新しくてカッコイイ(そして音がデカイ)ロックが生まれて盛り上がっているイメージがありますね。

”不安定こそがロックの醍醐味”と言うのならSapphire Bluesは間違い無いでしょう。The Libertinesだってそうだった。熱狂を作るところは思いっきり作って、クールにキメるところはとことんキメる。そのテンションの緩急や落差にスリルを感じつつも、そのギリギリのところで保つ均衡に美しさを感じる。「色あせてしまうぐらいなら、いっそのこと燃え尽きてしまった方がいい」とはカート・コバーン師匠の名言だけど、まさにそんな感じ。現在リリースされている曲は3曲で全部が良い意味でそんな感じ。


■ The Lounge Society

The Lounge Societyもリーズではなさそうだけど、ウエストヨークシャー州出身で、現行のイギリスのギターロックを語るには欠かせないSpeedy Wundergroundというインディレーベルがサポートしている期待の若手バンド。

Speedy WundergroundについてはCasanovaさんのブログでチェックするとよく理解できます。色々と端折って説明するとFontaines D.C.などもプロデューサーとして手掛けているDan Careyさんが2013年に創設したロンドンの新興レーベルという感じでしょうか。

The Lounge Societyの音はサイケデリックな音像とShame以降のロンドンで醸成されたポストパンクの雰囲気がグッと結びついた感じ。少し上の世代のバンドだとToyあたりも彷彿とさせるし、まさにHeavenly Recordingsとかといずれ契約しそうな感じはめっちゃあります。今公開されている2曲ともサビに向かってグッとこみ上げが爆発していくところが凄く好き。Liveはもっと凄そう。

コロナお構いなしの熱狂に笑っちゃったよ。(手洗いをうがいしましょう!)





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村田タケル

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