荒々しい啖呵のお国言葉集合〜*落書きnote
こんにちは。お立ち寄りいただきありがとうございます。
おいらは臆病なもんで、口論になっても荒々しい啖呵はきれない。だが、気が短い友人A君なら言いかねない。
「いい加減にしろ、この野郎、ぶっ飛ばすぞ」
この言い方、お国によっては楽しい?ものもある。「方言学入門」(三省堂)に出ていた。
関西弁、特に大阪弁では「えーかげんにしくされ、いてこますぞ」と見るからに、聞くからに怖い。
言葉の意味は想像できるのだが、相手の怒りに満ちた表情と語気で、それは容易にわかる。
ヨソはもっとドギツイのだ。九州へ飛ぶ。
福岡弁、佐賀弁は「くらさるーぞ」、福岡弁は「うちころっそー」、鹿児島弁は「うったくっぞー」とこの迫力はどうだい。
広島弁は「えーかげんにせー、おどりゃー、しごーするぞ」。
四国地方は関西弁とよく似ている。
名古屋弁は愉快だ。「ぎゃふんとこかせるぞ」。むしろユーモラスではないか。お隣の三重弁は「びしゃいたろか」だ。
千葉弁は「いいかげんにしろよー、この野郎」と東京風?もあるが「きたんきたんにすっとー」と奇妙な?な言い方もある。
山梨弁は「えーかげんにしろ、おい、ぶさらうど」で、半分わかって半分わからない。
富山弁は「よいかげんにせーま、こら、かちころすぞ」と何となくわかる。新潟弁は「こてげにしれいや」と聞き方によってはノンビリ?している。
関東地方でも群馬弁は「たたんじまうぞ」とまるで洗濯物。
東北地方はわかりにくい。
福島弁は「ぶっちめっつぉ」、岩手弁は「えくれにしゃ、こりゃっ、やっつけるじぇ」と難解。
山形弁は「いーかげんにすろ、ほれ、ひばたいでけっからな」、秋田弁は「えーかんげんいしぇ、ぶたらぐど」、宮城弁は「やんべにすれよ、この」と難易度は高くなる。
青森弁は「いーかげんにせ、やってまるや」。「なぐるぞ」を「やってまるや」と言うのである。
旅行先や出張先でこれらの方言に出くわしたらご用心のこと。そうなれば三十六計逃げるにしかずなのさ。
ああ、おいらも言ってみたいぜ。「てやんでぇ、いいかげんにしろって、この野郎」。だが、紳士面の手前、言えねえんだよ。
さて、あすは晴れるのか?曇るのか?
*フォト ▽神秘の田代池(長野県上高地)
*俳句巡礼 二百十日馬の鼻面吹かれけり(高田 保)
季語は「二百十日」で秋。今年は八月三十一日。立春から数えて二百十日。台風シーズンで農家にとっては厄日。馬にとっては「どこ吹く風」なのだ。
【高田保=たかた・たもつ】茨城県出身、早稲田大学卒、劇作家、1895年(明治28年)〜1952年(昭和27年)
【俳句手控え】表掲句の「けり」は切れ字の代表格だ。動詞や形容詞などの連用形の後ろに接続する。つまり「けり」とは、しみじみした気持を表している。