イマジナリーフレンド
大石「やばっ、沼田との待ち合わせに15分遅刻しちゃった…。
一応LINE入れたけど、あいつ色々あってLINE通知OFFにしてるから中々見てくれ無いんだよな〜
ちゃんと待ち合わせ場所で待ってるかな…。」
沼田「へぇ〜!!!それでそれで?」
大石「あっ良かった。馬鹿みたいに大きい声で1人で喋ってる奴いる。
間違い無くあれが沼田だわ。
マスクと帽子とメガネで顔の3割しか確認できなくても分かる。」
沼田「へぇ〜!!!そういう事だったんだね〜!また1つ「かしこ」になれました!」
大石「遅れて本当にごめん!めっちゃ待ったよね…。」
沼田「ううん!全然大丈夫!
今楽しいお話してたし!」
大石「みたいだね。誰と何のお話してたの?
もしかして新しいイマジナリーフレンド?」
沼田「そうそう!このイマジナリーフレンドくんから
サッカーボールが六角形縫い目の集まりで出来てる理由を教えて貰ってたの!
センサーメガネ付けて無いのによく分かったね??」
大石「まぁ今の時代、1人で喋ってる=
イマジナリーフレンドか
自分の分身か
自分の好きな物の具現化と会話してるか
しか無いからね。
で、サッカーボールが六角形縫い目の集まりで出来てる理由を教えて?
俺もずっとそれ気になってたから。」
沼田「うん!それがね…
あっ、そんな事より壊れたセンサーメガネまだ修理から帰ってこないの?」
大石「え?あっ、そうそう。
それなんだけど壊れ方エグかったじゃん?
だから修理するとなるとかなりの金額になるらしくて。
それだと新しいの買う方が安いから買い換えることにしたのよ。」
沼田「へぇ〜 そうなんだ。
ん?新しく買うなら何でまだ持ってないの?」
大石「そうそう。それがね、こないだの憲法改正で1人何人でもイマジナリーフレンド作っていい事になったじゃん?
それでよく分かんないけどメガネの売り上げが倍以上に上がって生産が追いついてないらしいの。
だから届くのが2週間後らしいんだよね⋯。」
沼田「そうなんだ。
じゃあそれまで他人のイマジナリーフレンド確認できないんだ。しんどいね?」
大石「そうそう。だから今日も沼田の事一昔前のおかしな人みたいに見えてたよ。
で、そんな事よりサッカーボールは何で六角形縫い目の集まりで出来てるの?」
沼田「え?あ〜、そうそう。
あっ、「そうそう」で思い出したんだけどね。」
大石「はい?「そうそう」で思い出す事なんてある?」
沼田「このイマジナリーフレンド出来て早々から、めっちゃ意気投合して!」
大石「え?「そうそう」の使い方無理矢理じゃない?」
沼田「気が利くしビジュアルも最高だし。おまけに「うんちく」めちゃくちゃ知ってるからね?」
大石「へぇ〜、あっそれでサッカーボールの話も教えてくれてたのね。」
沼田「うむ!」
大石「因みにそのイマジナリーフレンドはどの生き物なの?」
沼田「あっ天狗だよ!」
大石「え?天狗?」
沼田「うむ!」
大石「真っ赤っかの?」
沼田「うむ!」
大石「鼻が長い?」
沼田「うむ!」
大石「何かでっけぇ紅葉見たいの持ってる?」
沼田「うむ!因みにその紅葉みたいな奴ヤツデって言う植物らしくて別名「てんぐのはうちわ」とも言うらしいよ。」
大石「早速うんちくありがとう。天狗のイマジナリーフレンドって珍しいね。」
沼田「そうかな?普通だと思うけど。」
大石「というか、うんちくをめちゃくちゃ言う天狗って事だよね?
何か気に食わないね。」
沼田「何でよ。気に食うでしょ。
うんちくだけじゃなくて、知らない単語が出てきた時とか分からない事があった時に質問したらすぐ教えてくれるんだよ!凄いでしょ?
天狗ちゃん偉いでしょ?」
大石「へぇ〜確かに凄いけど。
それって、なんか人類的に退化してない?」
沼田「え?どういう事?」
大石「だって、今までだったら分からない事とか単語が出てきたらスマホで検索してたじゃん?」
沼田「うん。まぁそうだね。」
大石「それって人間が作り上げた文明で解決してた訳じゃん?
でもイマジナリーフレンドは何千年前からある神頼みと同じ系統だよね?
それを使用してるって事は何か退化してない?」
沼田「難しいです。。分からんちんです。。」
大石「あっごめんごめん。
文系の悪い所が出たわ。
そう言えば憲法も変わった訳だし、その天狗の他にも新しいイマジナリーフレンド作ったの?」
沼田「うん!作ったよ!」
大石「そうだよね。そのイマジナリーフレンドはどういう子なの?」
沼田「えーっとね。その子も物凄い頭が良い子で。
生活で出てくる難しい計算をその子に聞いたら一瞬で答えてくれるんだよ!」
大石「ほら!やっぱり退化してるじゃん!
それもスマホで出来る事じゃん。
もっと言えば電卓で出来るよ?
3世代ぐらい戻っちゃってるって。」
沼田「え〜?そうかな?
因みにこの子、ウィッチよ。
白雪姫に出てきそうなタイプの。」
大石「あっ魔女ね。天狗と魔女って凄い組み合わせだね。
てか君はイマジナリーフレンド、鼻の長さで選んでるの?」
沼田「あとまだまだ新しいイマジナリーフレンド居るからどんどん紹介するね。」
大石「へぇ〜そうなんだ。こっちは大分お腹いっぱいだけど。」
沼田「次は象のイマジナリーフレンドについて紹介するね!」
大石「やっぱり鼻の長さで選んでんじゃねぇかよ!」
沼田「この子も気が利くの!夜寝る前に次の日何時に起こしてって伝えたらその時間にパオーンパオーンって鳴いて起こしてくれるの!」
大石「ほら!結構退化してんじゃん!
それはスマホでも出来るし目覚まし時計でも出来るから!
4世代戻っちゃってるよ!」
沼田「そっか。砂時計でも補えちゃうか。」
大石「ん。補えないよ?
砂の落ちる、「スッ....」って音しかしないから。
「スッ....」で起きられないでしょ。」
沼田「あと天使のイマジナリーフレンド!」
大石「へぇ〜 鼻は普通だね〜」
沼田「この子は天使というか、キューピットで自分に合う相性の異性を探してきてくれて出会えさせてくれるの!」
大石「ちょっと退化してんじゃん!
それはスマホで。マッチングアプリで出来るから!
1世代戻っちゃってるよ!」
沼田「最後のイマジナリーフレンドくんはちょっと変わってて。」
大石「今までも全員変わってたけどね。」
沼田「「メガスケバスマ エリトロクラミス」のイマジナリーフレンドなの!」
大石「え?なんつった?
めがすけばすま えりくとりる....?」
沼田「メガスケバスマ エリトロクラミス!植物のイマジナリーフレンドなの!」
大石「名前の長い花じゃねぇか!
何でそんなに長い「はな」が好きなんだよ!」
沼田「この子も賢くて、明日の天気が何となく分かるの!」
大石「何となくかよ!」
沼田「2割ぐらいの確率で当たるんだよ!」
大石「ボロクソ外れてるじゃん!今の天気予報7割は当たるから。
めちゃくちゃ退化してるじゃん!
6世代くらい戻っちゃってるよ!」
一方その頃 吉祥寺では⋯。
謎の男「ふはははは!!!!
私は最強の能力を持つ魔術師だ!
私が1つ指を鳴らせばこの世のイマジナリーフレンド達を一瞬で消すことが出来るのだ!!
さぁイマジナリーフレンド達よ!この手で消滅させてくれるわぁぁ!」
かすっ。
謎の男「あれ。」
かすっ。
謎の男「あれっ、指パッチン出来ない。」
かすっ。
謎の男「あっ⋯ むりだこれ。
ふはは!指パッチンの練習してからまた出直すとするか!
おまえら命拾いしたな!!!」
僕はアオト イン ティラミスというバンドでギターボーカルをしています!
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