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超わかりやすくインナーゲームを教えます【アップデート】

『超わかりやすくインナーゲームを教えます』というのも書いています。

伝えたいことは変わっていないんですけど、もう少し分かりやすく、使えるものにしたい気持ちが強くなっています。
なので、アップデートしました。
結局分かったとしても、使えなけりゃあ意味ないですしね。


①、私たちには、目標を達成する能力がある

インナーゲームは、テニスを習いに来た生徒が、コーチから指示されると、ギクシャクした動きになり、指示なく自身にやらせてみると自然と上手くいっちゃった。

著者のティモシー・ガルウェイの、インナーゲーム探求はここから始まります。


コーチは、生徒にいろいろと指導します。

ラケット面を少し回しすぎた。
もう少し前足に体重をかけた方がいい。
ラケットを引くのが遅すぎた。
バックスイングは今のよりもう少し低く引かないと。

生徒は指示された『すべきこと』と、『してはならないこと』で頭がいっぱいになります。


しかしガルウェイはある日、生徒への指導を減らして観察していると、生徒が気づかぬうちに、エラーを自分で修正し始めて、良くなっていった。

そこから、頭で理解しなくても、体は勝手に理解して修正していくということを発見します。



②、自分の内側(セルフ1)が邪魔をする

コーチが、生徒にいろいろと指導していたときには、生徒はぎこちない動きになって、どんどん下手になっていく。
しかし、コーチが指導を減らすと、体は勝手に理解して修正し、上手くなっていきます。

なぜこんなことが起こるのか、ガルウェイは生徒を観察します。
すると、生徒はコーチから指導されたことを守ろうと、自分の内側でもっとこうしろ、これではダメだと、自分にダメ出しをし、テニスで大事な、ボールをよく見れていないのではないか?ということに気づきます。



『自分で邪魔をするとは?』


『体は勝手に理解して修正していく』能力があります。
なのに、なぜその能力が使えなくなるのかというと、自分の内側で邪魔をしているからです。

テニスでは、自身に『打て』と命令して打つときには、すでに遅い。
そんな自分に命令せずに、ボールが来たときに打つ。
こんなシンプルなことなのに、コーチからの指導を守って、自分の内側で自身にいろいろなことをさせようと頑張ります。


インナーゲームでは、この自分の内側で邪魔する全てを、セルフ1(自身への妨害)といいます。




『集中しているときに能力が発揮できる』


セルフ1が多くなると、目の前のことに集中できなくなります。
自分の内側でいろいろ考えているとき、何に意識が向いているでしょうか?
目の前のボールですか?
それとも、自分ができていないということですか?

本当は、ただ目の前のことに集中すればいいだけです。


『集中しているときに能力が発揮できる』、誰もが知っていることでしょう。
勉強、スポーツ、仕事でも、集中していれば能力が発揮できます。
スラスラ覚えられたり、あっという間にできるようになったりするでしょ?
集中が大事だという話は、インナーゲームに限らず、どこでも言われることです。

なので、インナーゲームでは、セルフ1の妨害を減らせば、集中できるはずだから、
・どういったものがセルフ1になるのか?
・どうやればセルフ1が減らせるのか?
ということを、教えてくれます。



③、自身に任せれば能力が発揮される(セルフ2)


自分にダメ出しをしたりする内側の妨害を、セルフ1といいました。
そして、その指示されている方を、インナーゲームではセルフ2といいます。

実はインナーゲームでは、このセルフ2が、分かりにくいところだと思います。
ぶっちゃけいうと、セルフ1の妨害を減らして、『あとは自身に任せましょう』っていう投げやりにみえる考えなんです。



『自身に任せるとは?』


私たちはセルフ1(自分の内側)に指導されながら、物事をすることに慣れすぎています。
常に、自分にダメ出ししたり、自分にこうしろと指導したり、自分に何かをやらせようとしています。

今だラケットを振れ!
手首をもっと固めないと!
もっとボールをよく見て!
リラックスリラックス!

こういう指示って、スポーツだけじゃなくて常に自分の中でしていませんか?
なんで、こんな指示するんですか?
本当にこの指示をしないと、何もやれないですか?

インナーゲームでは、こうした自分へ指示してやらせることを、頑張っているといいます。
頑張っているときにはそれに夢中になり、目の前のことに集中できていません。
しかし、頑張ることをやめろ、とは言いません。なぜでしょうか?



『インナーゲームの陥りがちなパターン』


インナーゲームを理解した。

セルフ1を減らそうと頑張る。

セルフ1が減ってきた。

でも、上手くいかない。

もっとセルフ1を減らさないと。

セルフ1が減ってきた。

でも、上手くいかない。

インナーゲームで頑張ることをやめろと言わないのは、それもセルフ1だからです。(自分自身への妨害)
インナーゲームでは、自分自身に何かさせようとすることは、全てセルフ1なんです。

なので、インナーゲームが分かったぞー!
セルフ1を減らすぞー!

となると、それはインナーゲームではありません。
それは結局セルフ1にコントロールされていることに変わりないからです。


このセルフ2に任せることがわからないと、このループに陥りがちです。

『セルフ1を減らすための努力はします。
 でも、セルフ1を減らそうとしては、失敗します。』

インナーゲームでは、これがめちゃくちゃ大事です。



『セルフ2とは?』


このセルフ2に任せるという感覚は、インナーゲームですごく大事です。
これが分からないと、いつまでもセルフ1で頑張り続けることになります。

私も、インナーゲームを読んだ当初は、セルフ1を減らそうと頑張っていました。
するとなぜか、セルフ1がさらに増えるんです。
自分での内側の声が、鮮明に聞こえるようになり、いろいろとダメ出しするようになり、すごく疲れるんです。

それで、あーもう!こんなことやってられん!ってなると、なんか楽になります。

これが、セルフ1とセルフ2の違いです。



『こんなことってあるでしょ?』


車の運転はしますか?
いつも運転した道で、家に帰るときって、音楽聴いたりラジオを聴きながら運転して、自分に次は右だとか左だとか、指示しなくても目的地まで着くじゃないですか。

でも、知らない道だったら、ナビや地図を見て200m先を右だなって調べて、200mってここか?それともすぐ先か?とかいろいろ考えながら運転するじゃないですか。

で、インナーゲームって、自宅に帰る時のように、いろいろ考えずにやってみよう、それが自身に任せるセルフ2だ、って考えなんです。
普通に考えたら、知らない道なら色々と考えながら運転しないと目的地に着かないって思うじゃないですか。

もちろん地図は見ますよ。
でも、頭の中でこっちだあっちだってやらないでも、目的地につける能力があるよってことなんです。


結果をコントロールすることはできない


知らない道で自分自身に任せて運転したら、一度も間違えずに目的地に着くか?と言われると、何度も間違えるでしょう。
でも、地図見ながら、色々考えて運転したら一度も間違わないか?と言えば、それも間違えるでしょう。

でも、どちらの運転が集中できているでしょうか?
頭の中で、次は200m右折だ、200mってここだろうか?この道であっていただろうか?って考えているときに、運転に集中できているでしょうか?

セルフ1的に行動しても、セルフ2的に行動しても、目的地に着くときに、間違えることはあります。



『できるのは結果を得るための努力をすること。』


大会で優勝する
試験勉強に合格する
商談を成功させる

こうした結果をコントロールすることは、できません。
それはインナーゲームでも同じです。
私たちにできるのは、その結果を得るための努力をするだけです。

でもね結果が大事だからこそ、優勝できないかもしれない、合格できないかもしれない、成功できないかもしれない、というセルフ1が出てくるじゃないですか。



『私たちに必要なのは、努力の結果を発揮すること。』

大事な場面になるほど、自分には任せておけないと言わんばかりに、セルフ1が出てきて、自分をコントロールしようとします。
セルフ1は、ときに自分を不安に思わせて無気力にさせ、ときに自分を励まして指導をしてきて、ときに鬼コーチのように自分に厳しくなります。

じゃあ、そのときに私たちは目の前のことに集中できているのでしょうか?
テニスでは、大事なのはボールを見ることをでした。来たボールを打ち返すスポーツだから当然です。

では、テニス以外では?
目の前のことに集中できていますか?
自分の内側の指示に従うことに頑張っていませんか?
自分自身をコントロールしようとするものは、すべてセルフ1(自己妨害)です。



『考えないってことじゃない。』

スポーツでは、
・サーブが決まれば勝てると思って、決めようとする。
・PKを決めようと角を狙おうとする。

仕事では、
・部下のモチベーションを上げようと、褒めようと頑張る。
・取引を成立させようと、戦略を考えながら話を進める。

これらはすべて、セルフ1の妨害です。
求める結果を得ようと、自分にさせることは、自身に任せれば能力が発揮されるセルフ2
ではなくなります。
求める結果を忘れて自然にやっていた、これがインナーゲームが理想とする、セルフ2です。

なにも考えなくていいってことじゃないんです。
大事なことは何か?ってことなんです。

サーブで、次の球で決めてやると考えることなのか、来た玉を打つことなのか。
PKで、角を狙おうと考えることなのか、キーパーの動きを見ることなのか。
部下を褒めようとすることなのか、部下を見ることなのか。
戦略を考えることなのか、取引先の相手を見ることなのか。

インナーゲームは、目の前のことに集中するための方法です。



書籍で教えるインナーゲームとは?


書籍では、インナーゲームの仕組みと、セルフ1を減らす方法を教えてくれます。
しかし、セルフ1を減らすのを頑張ろう、とは言っていないんです。

あくまで、減らそうとするのではなく、インナーゲームの書籍を参考に、セルフ1が減りやすい方法を試すだけです。
セルフ1を減らそうとするのではなく、結果的に減っていたかどうか、これだけです。自分に合うやり方だけ取り入れればいいんです。

頑張ればセルフ1は減るものではないんです。


『セルフ1を減らす方法』


書籍ではセルフ1を減らすベースになるのは、次の3つです。

・アウェアネス(知覚)
・チョイス(選択)
・トラスト(信頼)

『アウェアネス(知覚)』
5感を使って感覚に意識を向ければ、そこに意識が向いてセルフ1が減りやすい
(つい結果を求めてしまうと、セルフ1が出やすくなるから、自分の中にある感覚に意識を向けてみようという方法)

『チョイス(選択)』
誰かに命令されたことではなく、自分で選んだことであれば、セルフ1が出にくい
(誰かにやれって言われたことは、なんでこんなことやらなくちゃいけないんだっていうセルフ1が出やすくなるから、自分で選択しようよという方法)

『トラスト(信頼)』
自分の能力を信じていれば、セルフ1が出にくい
(先ほどの運転で、知っている道なら指示しなくても運転できるけれど、知らない道なら地図を見ないと、自分はたどり着けないはずだって思っているから、セルフ1が出やすくなる。なので自己信頼を高めて自身に任せようっていう方法)


スポーツでは、アウェアネス(知覚)のやり方が多く紹介されています。
動いている玉や、体の動きなど、意識を向けるものが数多くあるので、結果を忘れてそれらに意識を向けることで、セルフ2自身に任せている状態ができやすくなるからです。


仕事では、チョイス(選択)が多く紹介されています。
仕事は、指示・命令されることが多いので、やりたくないとか、なんでこんなことやるのかとか、セルフ1が多くなります。
自分で選んでこの仕事をしていると言える人は、上司に指示されて嫌々仕事をやっている人に比べて、セルフ1が出にくくなります。
なので、自分でチョイス(選択)することで、セルフ2の状態を作りやすくなります。


『インナーゲームで最も大事なこと』

トラスト(信頼)は、どの書籍でも紹介されていますが、具体的な方法ってありません。
なぜなら、自己信頼こそがセルフ2だからです。

大事な場面ほど、足が震えたり、緊張したり、期待したり、不安になったり、いろいろな感情が出てくるじゃないですか。
人間って不思議なもので、このままだと何かしないとまずいって思っちゃうんですよね。

でも、自分の緊張を解こうとして上手くいったことなんてないじゃないですか。
深呼吸したりしますけど、意識的に呼吸しようとすれば、さらに状況は悪化します。緊張していないときでも、吸ったり吐いたりを意識してやろうとすれば、すぐに息苦しくなりますよ。
自己信頼は、そうした起こることに抗うな、ってことなんです。

抗うほど、セルフ1の声が大きくなって、自分自身に何かさせようという気持ちが強くなります。


じゃあどうしたらいいのか?
インナーゲームでは、何か自分自身にさせようとすることをやめ、それをやめようとすることもしない、っていう言い方をします。
それってつまり、あとは自分自身に任せなさいよってことです


PELトライアングル


トラスト(信頼)には、PELトライアングルのバランスが大事です。

・パフォーマンス(結果)
・エンジョイ(楽しむ)
・ラーニング(学習)

結果を求めると、エンジョイとラーニングを忘れて、結果を出そうと努力してしまいます。
でも、エンジョイとラーニングを充実させると、結果を出そうと努力することを忘れます。(セルフ2です)

エンジョイとは、楽しめ、ってことです。
スポーツでも、昔からいいますよね。
それは、楽しんでいれば、セルフ1のコントーロールが減って、結果が出てくる。
スポーツをする人は、それが感覚的に分かっているんでしょうね。

ラーニングとは、興味です。
興味も、結果を求める気持ちを解放してくれます。
知りたいっていうのは、欲望ですから。
だから、インナーゲームでコーチングするときは、質問します。

ボールは縦回転だった?横回転だった?
ラケットはどれぐらい高くあげてた?
足のどこに体重が載っている?


こうした質問が、純粋な興味になって、どうなっているんだろう?と感覚を使って調べようとします。(アウェアネス)
興味が湧いているときは、結果を求める心をおとなしくしてくれます。



最後にインナーゲームで大事なこと


何度も繰り返していってきましたが、インナーゲームとは、自分をコントロールしようとすることが、セルフ2の妨害をしているので、それを止めるだけです。

本当にこれだけです。
これが理解できると、インナーゲームがシンプルになります。

結果を求めて頑張ると、疲労し、集中力が短くなり、能力の発揮も妨害されます。
疲れたと感じるときは、間違った努力をしている可能性が高い、ということをインナーゲームは教えてくれます。


まとめ


インナーゲームは、セルフ1の妨害を減らして、セルフ2にやらせれば、能力発揮できる。ということを教えてくれます。
これは、今までセルフ1の指示で、色々と頑張ってきた方には、信じられないような話だと思います。

セルフ1は減らそうとするものではなく、結果的に減っているものです。セルフ1を減らそうと頑張るのは間違っています。

アウェアネス(知覚)、チョイス(選択)、トラスト(信頼)をすると、セルフ1が減りやすくなります。

もちろん結果は重要です。
試合で勝つ、成果を出す。そのために、こうした勉強をしていると思います。
でも、結果を重視して、エンジョイ(楽しむ)、ラーニング(学習)するのを忘れると、セルフ2は能力が発揮できません。
それは、同時に求める結果からも離れるということを指しています。


これが、インナーゲームです。

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