超わかりやすくインナーゲームを教えます
インナーゲームを勉強して、かなりの年数が経ちました。
ようやく、インナーゲームをシンプルに理解することができたので、解説します。
①、私たちには、目標を達成する能力がある
②、それを邪魔するのは自分の内側(セルフ1)
③、自身に任せれば能力が発揮される(セルフ2)
この3つがインナーゲームの真理です。
ひとつづつ解説します。
①、私たちには、目標を達成する能力がある
これは、本を読んでもらうのが一番いいのですが、テニスコーチから指示されると、ギクシャクした動きになり、指示なく自身にやらせてみると自然と上手くいっちゃった。
著者のティモシー・ガルウェイも、インナーゲームの探求はここから始まります。
コーチは生徒にいろいろと指示をします。
ラケット面を少し回しすぎた。
もう少し前足に体重をかけた方がいい。
ラケットを引くのが遅すぎた。
バックスイングは今のよりもう少し低く引かないと。
生徒は指示された6つのすべきことと、12のしてはならないことで頭がいっぱいになります。
しかし、ガルウェイはある日、言葉を減らしてもっと観察しようと思い立つ。
口で指摘しないと、生徒は生徒自身も気づかぬうちに、エラーを自分で修正し始めて、良くなっていった。
これは、頭で理解しなくても、体は勝手に理解して修正していくということです。
その能力を使うための方法がインナーゲームです。
②、それを邪魔するのは自分の内側(セルフ1)
インナーゲームは、頭で理解しなくても、体は勝手に理解して修正していく能力を、発揮するための方法です。
つまり、私たちはその能力が使えていない、ということです。
じゃあ、なぜその能力が使えていないのかというと、自分の内側で邪魔をしているからです。
先ほど、テニスコーチが指示したようなことを、私たち自身が、自分にしています。
それを、セルフ1(自身への妨害)といいます。
じゃあ、なぜセルフ1が能力発揮の妨害になるのか?
これは、『集中しているときに能力が発揮できる』という考えが元になっています。
それは、誰もが知っていることです。
勉強、スポーツ、仕事でも、集中していれば能力が発揮され、学習が加速します。
集中が大事だという話は、インナーゲームに限らず、どこでも言われることです。
インナーゲームでは、どうやって集中するか?ではなく、何が集中を邪魔しているのか?という考えになっています。
集中を邪魔するものが無くなれば、集中しちゃうでしょ、という考えです。
じゃあ、何が集中を邪魔しているのか?
それが、セルフ1になります。
インナーゲームは、セルフ1の妨害を減らせば、集中できて能力発揮できるから、
・どういったものがセルフ1になるのか?
・どうやればセルフ1が減らせるのか?
ということを、教えてくれます。
③、自身に任せれば能力が発揮される(セルフ2)
これはシンプルで、セルフ1が減れば集中できるから、あとは自身に任せましょう。(セルフ2)
実は、このセルフ2がインナーゲームで、分かりにくいところだと思います。
なぜなら、『あとは自身に任せましょう』という、なげやりなやり方が一番能力が発揮するんです、っていう考えだからです。
インナーゲームの陥りがちなパターン
インナーゲームを理解した。
↓
セルフ1を減らそうと頑張る。
↓
セルフ1が減ってきた。
↓
でも、上手くいかない。
↓
もっとセルフ1を減らさないと。
↓
セルフ1が減ってきた。
↓
でも、上手くいかない。
このセルフ2に任せることがわからないと、このループに陥りがちです。
『セルフ1を減らすための努力はします。
でも、セルフ1を減らそうとしては、失敗します。』
インナーゲームでは、これがめちゃくちゃ大事です。
結果をコントロールすることはできない
大会で優勝する
試験勉強に合格する
商談を成功させる
こうした結果をコントロールすることは、できません。
私たちにできるのは、その結果を得るための努力をするだけです。
でも、努力をしているときには、優勝したいとか、合格したいとか、成功したいとか、結果を忘れなくてはいけません。
なぜなら結果を求めると、優勝できないかもしれない、合格できないかもしれない、成功できないかもしれない、というセルフ1が必ず出てくるからです。
セルフ1が出てくると不安になり、その結果を得るために自分自身をコントロールしようとします。
自分自身をコントロールしようとするものは、すべてセルフ1(自己妨害)です。
スポーツでは、
・サーブが決まれば勝てると思って、決めようとする。
・PKを決めようと角を狙おうとする。
仕事では、
・部下のモチベーションを上げようと、褒めようとする。
・取引を成立させようと、説得しようとする。
求める結果を得ようと、自分にさせることは、自身に任せれば能力が発揮されるセルフ2ではなくなります。
求める結果を忘れて自然にやっていた、これがインナーゲームが理想とする、セルフ2です。
書籍で教えるインナーゲームとは?
書籍では、インナーゲームの仕組みと、セルフ1を減らす方法を教えてくれます。
でも、セルフ1を減らそうとしてはいけません。
あくまで、減らそうとするのではなく、インナーゲームの書籍を参考に、セルフ1が減りやすい方法を試すだけです。
セルフ1を減らそうとするのではなく、結果的に減っていたかどうか、これだけです。自分に合うやり方だけ取り入れればいいんです。
頑張ればセルフ1は減るものではないので、書籍では色々な方法が載っています。
セルフ1を減らす方法
書籍では色々な方法が書いてありますが、次の3つを元にしています。
・アウェアネス(知覚)
・チョイス(選択)
・トラスト(信頼)
アウェアネス(知覚)
5感を使って感じていれば、そこに意識が向いてセルフ1が減りやすい
チョイス(選択)
誰かに命令されたことではなく、自分で選んだことであれば、セルフ1が出にくい
トラスト(信頼)
自分の能力を信じていれば、セルフ1が出にくい
スポーツでは、アウェアネス(知覚)のやり方が多く紹介されています。
なぜなら、コーチを受けにくる人は、上手くなりたいと思ってきているからです。
それは、自分自身で選択しているので、なぜこんなことをやるのか?というセルフ1が出にくくなります。
仕事では、チョイス(選択)が多く紹介されています。
仕事は、指示・命令されることが多いので、やりたくないとか、なんでこんなことやるのかとか、セルフ1が多くなります。
自分で選んでこの仕事をしている、と言える人は、セルフ1が出にくくなります。
なので、書籍インナーワークでは、チョイス(選択)が多く紹介されています。
トラスト(信頼)は、どの書籍でも紹介されていますが、具体的な方法ってありません。
なぜなら、自己信頼こそがセルフ2だからです。
アウェアネス(知覚)しているときは、求める結果を忘れています。
そうすれば結果を出そうと、自分自身を強制しなくなります。
自分の能力を信頼できています。
でも、アウェアネス(知覚)しながら、結果のことを考えていると、自分を信頼できていません。
頑張ろうとしちゃうからです。
行動するときに、結果を出そうと努力するのは、すべてトラスト(信頼)できていません。
PELトライアングル
トラスト(信頼)には、PELトライアングルのバランスが大事だって言ってます。
・パフォーマンス(結果)
・エンジョイ(楽しむ)
・ラーニング(学習)
結果を求めると、エンジョイとラーニングを忘れて、結果を出そうと努力してしまいます。
でも、エンジョイとラーニングを充実させると、結果を出そうと努力することを忘れます。(セルフ2です)
エンジョイとは、楽しめ、ってことです。
ラーニングとは、どうなっているか興味をもたせる、ってことです。
今どうなっているのか興味を持つと、勝手に学習します。
純粋な興味です。
だから、インナーゲームでコーチングするときは、質問します。
ボールは縦回転だった?横回転だった?
ラケットはどれぐらい高くあげてた?
足のどこに体重が載っている?
こうした質問が、純粋な興味になって、どうなっているんだろう?と感覚を使って調べようとします。(アウェアネス)
そうすると、結果を出そうと、自分をコントロールすることを止めます。
エンジョイも同じです。
楽しめていれば、それに夢中になって、自分をコントロールすることをやめます。
すべて、自分をコントロールしようとすることが、セルフ2の妨害をしているので、それを止めるだけです。
これを理解すると、インナーゲームがシンプルになります。
結果を求めて頑張ると、疲労し、集中力が短くなり、能力の発揮も妨害されます。
疲れたと感じるときは、間違った努力をしている可能性が高い、ということをインナーゲームは教えてくれます。
まとめ
インナーゲームは、セルフ1の妨害を減らして、セルフ2にやらせれば、能力発揮できる。です。
なので、セルフ1を減らす方法を教えてくれます。
でも、セルフ1は減らそうとするものではなく、結果的に減っているものです。セルフ1を減らそうと頑張るのは間違っています。
アウェアネス(知覚)、チョイス(選択)、トラスト(信頼)をすると、セルフ1が減りやすくなります。色々試してください。
求める結果は重要です。
でも、結果を重視して、エンジョイ(楽しむ)、ラーニング(学習)するのを忘れると、セルフ2は能力が発揮できません。
これが、インナーゲームです。
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