【読書メモ】アフターデジタル
アフターデジタルとは
オフラインがオンラインに包括された世界。
オンラインが主軸で、手段としてオフラインが存在する。
全てがデータ化するため、いかに高頻度で低単価でユーザーと接点を持てるかが大事であり、スコア制度であったり、平安保険のグッドドクターアプリなどを用いて、ユーザーのデータを集めるなど、いかにユーザー体験の価値を高められるかで、データを貯められるかが決まる。
OMOとは
オンラインとオフラインが融合した社会。
口頭でのデリバリー注文や、冷蔵庫の中で足りないものを察知しショッピングカートへ追加するなど、オンラインともオフラインともいえるもの
OMOの発生条件
・スマホ、モバイルネットワークの普及
・モバイル決済の浸透
・センサーが品質上昇、安価で手に入る
・自動化ロボット、人工知能の普及
オンライン企業がオフライン店舗を持つ理由
そもそもオンラインオフラインと分けて考えていない。店舗もモバイルサービスも、一つのユーザーインターフェース。
ユーザーはその時々で最も便利なものを活用する。
どちらでもデータの取得は可能になるので、データ取得の接点が純粋に増える。
いかに高頻度低単価でタッチポイントを多く作れるかが大切。
そのためにも、データを多く取得し、高速でプロダクト改善を回す必要がある。
つまり、
・ユーザーが自由にチャネル選択できる
・データを多く取得することで、ユーザー体験、プロダクト改善に活かせる
日本の思考の悪例
①効率とテクノロジー中心の無人化
中国ではあくまでデータ取得のために無人化を使用。顧客はアプリで認証することでお店に入るため、購買データはもちろん、行動導線や何で悩んだかなどをIDと紐づけることが可能
②オンラインを活用するという思考
試験的に一部導入では意味がない。オンラインとオフラインともにデータをつなぎ合わせ、それを活用していくことに意味があるため、取り入れるという思考自体が異なっている
③プロダクト中心の考え方
オフラインのものを、そのままオンラインに移行しがち。オフラインでの目的を明確にした上で、オンラインにて考え直す必要がある。
オフラインは店舗面積や距離などの物理的制約があるため、全く異なった形になる可能性もある
データエコシステムを作るための方法論
①ユーザー体験を、デザインのみの観点から、デザインとテクノロジーとビジネスの3点に捉え直す
② ①の観点をビジネス側(例えば活用する中小企業の仕事をどれだけデジタル化させられるか)で磨き上げる
③ 同じ仕組みを使って、近しいビジネスと連携する。ECとデリバリー、スーパーマーケットなど
④ リアル接点、オンライン含め得た膨大なデータを、様々なサービスに活用。
例えば、AI開発や信用度スコアなど
⑤トレンド、オペレーション、パフォーマンス、データ、機能、競合優位性、世論の7つの要素のバランスが取れている
→使用者、提供者、運営者、データ活用者など関わるすべての人に評価される
新しい産業ヒエラルキー
・これまで
とにかく売り切れれば良い。よく売れるものを作れるかが重要であり、メーカーが主導であり、モノづくりを支えるインフラ(原料、エネルギー、通信など)が大きい存在
・これから
顧客と接点を持ち、顧客を理解し、優れたサービスを提供できるものが主導。
そのため、購買データを多く持ち、顧客IDと繋げられているプラットフォーマーがトップ。
その下に、体験を提供する各サービサーが君臨(ウーバー、食べログ、ブッキングドットコムなどいろんな業界のサービス)
メーカーは作ったものをサービサーに使ってもらうという座組みになる。
日本の企業が変わるには
①経営陣がOMO転換の重要性を把握
②全レイヤーが同じイメージを持つ
③行動データ×エクスペリエンスの小さな成功を作り、ボトムアップで浸透させていく
④成功を大義名分に組織構造やデータインフラを整える
売り上げではなく、ユーザー満足度(継続)を指標に置く