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ヒップホップ名盤を聴く①

最近お気に入りのアルバムということで、今回は割と最近よく聴いてるヒップホップの名盤についてです。2021年はヒップホップお勉強元年としてきちんと聴きたいと思っているので、定期的に聴いたアルバムの感想を残していきます。いや、でもヒップホップは門外漢過ぎて感想が全て「かっこいい」になりそうな予感・・・。順番は古い→新しい順に並べています。

Arrested Development / Unplugged (1993)

ヒップホップアーティストのアンプラグドは初めて聴きました。本編11曲、ボートラがインストの7曲構成だけど、特に本編が最&高。生演奏バンドだからヒップホップアルバムというよりJBを彷彿とさせるような完全なるファンクアルバムだ。M4、M7、M8のファンクネスっぷりまじ半端ない。M11People Everyday」はスライへのオマージュ

Mobb Deep / The Infamous (1995)

ニューヨーク、クイーンズ出身でHavocとProdigyのデュオによる2作目であり大名盤とされている一枚。ピアノなどのジャジーなループも多少はありつつも、基本的には相当にドープでハードな内容。M15「Shook Ones Part II」は8 Mileでも使われていたようだ。なかなかにストイックなトラックとラップがかっこいいけど、ほとんどヒップホップを聴いたことがなかった時期に出会ってたらわからなかったかもな〜。

Jay-Z / Reasonable Doubt (1996)

Jay-Zのデビューアルバム。これはまさにクラシックですね〜。M1からいきなり素晴らしい。煌びやかなソウルネタの使い方はデビュー当時から健在で、最初に聴いたヒップホップアルバムが「The Blueprint」だったりカニエの1st、2ndだったからか、自分の中での正統派クラシックヒップホップのイメージはまさにこういう音である。歴史を考えたら間違ってるとは思うけど、それくらいの説得力はやっぱりある。Mary J. Blige、Meccaという女性ボーカルをfeatureしたセクシーなM1やM5、M3におけるビギーとJay-Zというタイプの異なる2MCによる掛け合い、Nasのリリックを引用したM4、DJ Premierのトラックが光るM6、ATQCのCan I Kick Itを引用したM7、GファンクっぽさもあるM9と印象に残るトラックを挙げたら本当にキリがない。傑作。

Black Star / Mos Def & Talib Kweli Are Black Star (1998)

ソロでも各々が大活躍、ニューヨークはブルックリン出身のTalib KweliとMos Defの二人によるデュオのデビュー作(今のところデュオとしてはこの一枚のみのリリース)。東西抗争で2Pacとビギーという才能を失った当時のヒップホップシーンに向けて、彼らはM3Definition」でStop The Violenceのメッセージを突きつけ賞賛を浴びた。全体的に緩急自在の二人のマイクリレーが素晴らしい。Gil Scott-Herron & Brian Jacksonの曲をサンプリングしたソウルフルなM6、Commonも加えた硬派な3本マイクが特徴のM11、ジャジーなトラックのM12あたりが好き。

Mos Def / Black on Both Sides (1999)

上述のBlack Starの片割れであるMos Defのデビューアルバムは、東海岸の代表作として名高く、Qestlove、Common、D’Angelo、Erykah Badu、Q-Tiq、Jay Deeと言った名だたるアーティストのコレクティブ、Soulquariansからも多大な影響を受けたと言われている。実際に、トラックはジャズやソウルを基調としたイナたいサンプリングビートを主体としており、客演にはBusta Thymes、Q-Tip、Talib Kweliの名前を発見できる。Mos Defのライムの印象としては本当にスムース。フロウが軽くて、縦横無尽に流れるようなラップがとても聴きやすい。この人、俳優でもあるんだよね?なんか器用な印象を受けた。

Deltron 3030 / Deltron 3030 (2000)

Del Tha Funkee Homosapien+Dan The Automator(ダン中村)+Kid Koalaのユニット。このアルバムは、3030年、巨大な組織によって支配された世界をDeltron Zero(デル・ザ・ファンキー・ホモサピエンス:それにしてもイカれた名前だ!)がラップバトルで次々と敵を倒し世界を救うという、B級SF映画のようなストーリーとのこと笑。個人的には映画のサントラを意識したような大仰でスペーシーなサウンドのM2、疾走感に溢れ攻撃的なフューチャーファンクのM5が特に印象に残る。SFとヒップホップという組み合わせの相性ってのはやはり良い。ちなみにゴリラズと関係が深く、ゴリラズの1stではダン中村がプロデュースをし、デルがラップ、キッドコアラがスクラッチをしているらしい。

Clipse / Lord Willin' (2002)

MalicePusha Tによる兄弟ユニットClipseが、昔からの知り合いであるPharrell Williams(とChad HugoのプロダクションチームThe Neptunesとガッツリ組んでリリースしたデビュー作。「主役はClipseというよりPharrell」と言われがちな本作は、確かにPharrellの優れたトラックメイカーっぷりが際立つ作品だ。今聴いて革新的かと問われれば「うーん、どうでしょ?」だが、M4「Grindin'」やM8「When the Last Time」という大ヒット曲をはじめとして、アルバム通して見られる音数の少ないエレクトロファンクは確かに異彩を放っており、抗えない魅力を感じる

Viktor Vaughn / Vaudeville Villain (2003)

はい、こっからMF Doom三連発いきます。MF Doom好きだけど聴いてないアルバムも多かったところに例の訃報ね・・・・。本当に悲しいっすね・・・。最近、訃報が新たなアルバムを聴く契機となっているケースが多く複雑な気分だ・・・。

気を取り直して、まずはDoomのオルターエゴの一つ、Viktor Vaughnによる「Vaudeville Villain。プロデュースはSound-Ink recordの面々に全面的に任せ、MF DoomはMC役に徹している。コンセプトは過去にタイムスリップしたMF Doom改めViktor Vaughnが現代に帰るために奮闘する・・というDoomらしい設定で、古いBSF映画のような雰囲気で縦横無尽にDoomがラップする様が楽しめる。適当な印象だが、上述のDeltron 3030がスターウォーズ的な冒険劇だったら、こちらはブレードランナーのようなダウナーな世界観。いやーいつまでも聴いてられるなこれは・・・聴いただけじゃ歌詞を理解できないのが悔しい。

King Geedorah / Take Me to Your Leader (2003)

キングギドラといえばゴジラの永遠のライバルで八岐大蛇をイメージした三頭怪獣だが、今回MF Doomは自身にその有名な怪獣の名をつけ、メインとしてはMCとしてではなくトラックメイカー/プロデューサーとしてその手腕を存分に発揮している。したがって、今作の聞きどころはラップよりもトラックにある。まず、序盤の数曲で見られるVaperwaveを彷彿とさせる強烈でチープなシンセサウンドにかなり面食らう。全般的には不明瞭なぶつ切りサンプリングコラージュ作品なんだが、やたらとジャジーでおしゃれなM6があったりするのが憎い。まさに他のヒップホップ作品とは一線を画す内容で最高。

MF Doom / Born Like This (2009)

ほぼセルフプロデュース作。J Dilla「Donuts」に収録されている「Lightworks」やDoom自身のビート集のトラックをそのまま使ったりと、ファンには既視感のあるビートも散見されるが、良いものには変わりない。Born Like This」というタイトルはCharles Bukowskiの詩から引用されており、M10「Cellz」の冒頭2分くらいで実際にCharles Bukowskiの朗読がサンプリングされている。この終末的な世界観がこのアルバムのムードを決定づけていて、全体的に不穏な雰囲気のトラックが並んでいるが、ま〜Doomのくぐもったライミングは聴いていて本当に気持ちがいい。M14「That's That」は弦楽器によるループが陽なのか陰なのかわからなくなるような、混沌を表現する名曲だと思う。Thom YorkによるM2のRemixも収録。

Pusha T / My Name Is My Name (2013)

上述したClipseのPusha Tによるデビュー作で、カニエのレーベルGOOD Musicからのリリース。カニエとPusha Tといえば2018年の「Daytona」は相当にウケが良かったと思うし、自分も愛聴したのを思い出す。そういえばカニエの「Runaway」ではPusha Tがfeatureされてたし、思い返せばとっくに二人の関係は始まってたのね。トラックリストをみると、Kendrick Lamar2-ChainzRick RossFuturePharrellなどのゲストの豪華さがまず目につく。カニエがM1〜4、9〜11で、ファレルがM5、12の二曲でプロデュースを担い、ハドソン・モホークがM4、M7でトラック提供していたりとトラックメイキングについてもなかなか磐石だ。フロウはかなりカニエの影響を受けているように見え、さらにM4などはオートチューンの使い方がMBDTFを彷彿とさせ、MBDTFでガツンとやられた身としてはなかなかテンションあがる。M11のケンドリックとの邂逅もミニマルなトラックにのるフロウがかなりかっこいいです。

Earl Sweatshirt / Doris (2013)

Earl Sweatshirtについては、アブストラクトヒップホップの名盤「Some Rap Songs(2018)」はよく聴いたが、そういや過去作は聴いてないなと思い、まずは1stから。え、「Some Rap Songs」と全然違う・・・笑。めちゃ陰鬱なトラックに禁欲的にラップする、ある意味では真っ当なヒップホップアルバムで、この1stから5年で何があってSome Rap Songsに辿り着いたんだ・・・というのが最初の印象。内情的かつパーソナルな内容で、起伏が少なく音楽的な快楽はあまりないが、ただその分、彼の苦悶のようなものがダイレクトに伝わるような気がする。客演はなかなかに豪華で、オッド・フュチャーのTyler, The Creater、Frank Ocean他、Vince Staples、Mac Miller、RZAなんていう大物までいるのは、彼の世代が如何にシーンを席巻しているかということ、デビュー前から如何に注目されていたかということを示しているように思った。最後の曲の60sソウルからのサンプリングがめちゃエモい。


今回は以上です。

こうやって記録に残そうとするだけでそのアルバムと向き合うきっかけになるので、自分にとってはかなり良い方法な気がしてきた・・・新たな楽しみ方を見つけたかもしれない・・・!!

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