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音読を聞いただけで、教科書1冊暗唱できたんです

12月1日(土)19:00-22:30に、下北沢にある『BOOKSHOP TRAVELLER』にて【本屋の未来を語らない】というイベントを開催します。
本や本屋に関わる2人のトークライブ、パフォーマンスや展示など、普段とは一味違う知的で不思議な本屋さんが表れます。
この連載ではトークライブに出る木村と、パフォーマンスで出演する國立、日菜子の3人がインタビューのような、雑談のような、お互いの人柄を知っていく様子をまとめました。
初回:感情を溜めておくために、パッと線を引くみたいに言葉を置くんです。
2回:私の才能が「それはつまらないよ」って語りかけてくる
前回:陶芸家、華道家、画家、彫刻家、わたし

木村:小学校のころだよね?

國立:そう小学校。あとそのころの特技があって、わたし先生の音読したの聞くだけで教科書全部暗唱できちゃってたの。

木村:えーー、すごいね!!

國立:だから国語の教科書あるじゃない、あれ全部はじからはじまで全部暗唱できた。

木村:まじで!?嘘でしょ!?!?

日菜子:それすごいよねぇ。前に作品で、30分くらい何も見ずに映像に合わせてずっと話す演出のやつとかやってたもんね。

人を食らう竜がいた。
それに妻子を奪われた旅人がいた。
運命は皮肉だ。彼らをまた「めぐり逢わせ」物語を紡ぐのだから。

國立:そうそう、あれはアイヌの物語だったんだけど、たぶん今でもちょっと確認すればすぐできる。

日菜子:あれはすごかったよね、神が降りてたよ。

國立:やったのは暗唱したのの一部だったけど、その後のも全部覚えてたから、だいたい1時間分くらいの内容は全部暗記してたかなぁ。

木村:プレゼンとかで、このスライドでは何を言うとかそう言うのはできるけど、一言一句全部暗記とか無理だ。

國立:私がやってるの物語になってるから、それじゃダメっていうか、丸暗記の方がいいんだよね。

木村:そりゃそうだよね、表現に意味があったりするもんね。

日菜子:それもプロジェクションだから、映像とか音楽にも全部ぴったり合ってるんですよ。音楽に合わせて、歌として物語を話してるから、中身の暗記だけじゃなくていつどの場面で何を話すとかまで全部ぴったりなんですよ。

木村:まじかぁーーーー。5分の歌の歌詞だってうろ覚えだよおれなんて。笑

國立:日本舞踊やってた影響もあるのかな。昔の日本舞踊って、結構長くって、ちょっとしたやつでも20分とか普通にあるんですよね。そうなると20分の歌詞も音楽も全部覚えなきゃいけないしで。もちろん踊りもあるし。

木村:そうか、そうだよね。

國立:実は今も先生が歌ってるのを横で聞いてて、それで覚えちゃう

日菜子:そっかぁー。

國立:そういうことの延長線上に、私の今やってることがあるかな。なんで映像を使うようになったかって、日本舞踊自体があんまり人から理解されにくい内容で。

木村:うんうん。

國立:例えば着物を着る文化って、今はもうないじゃないですか。少なくとも日常生活で着ることは。

木村:そうね、着物の人がいたら「あ、着物だ。」って見ちゃうもんね。

國立:そうそう。昔の日本舞踊とかって、普段の生活の動作とかも取り入れられてるんです。それで庶民や、お姫様の風景を区別して表現してたのね。だから今の人がその仕草を見ても、何をやってるのかわからないんだよね。

木村:なるほどそうかぁ。

國立:映像や音楽でそれを補うものを映せれば、見てる方もわかりやすいから。あとは内的なもの、心情とか人の無意識だったりを表現することが多いから。そういう描写を映像に足してあげると、人が直感的にわかるようになるんだよね。

木村:うんうん。

國立:見た瞬間に「あ、ここはこういう心情なのか」ってわかるようにしたくて。例えば青い色を見たら「寒い」って思うみたいな。こういう技術を駆使して作りたいと思って、今のスタイルになったかなぁ。

木村:うん。

國立:だから物語というより、私的には『心の鏡』みたいな感じで作ってて。それを観てる人の中にもある心の鏡を通して見てもらうのを、私はすごい大事にしてるかな。

日菜子:なるほどぉ。

木村:自分の表現したいものを表現する。それは例えば感情みたいな形のないものまで表現する方法として、今の組み合わせがベストってことなのかな。少なくとも「これなら表現できる!」と思って作ってるってことだもんね。

國立:それはそうそう!

木村:踊りと、音楽と映像と。

國立:そう、あとはたまには「語り」っていう言葉も使ってて。私はなんか昔、聞いてて気持ちがいい声だねって褒められたことがあって。笑

木村:うん、それはすごいわかるわかる。

國立:昔を振り返ってみても、喋るよりは語るっていう言葉の使い方の方が得意で。もっとダイレクトに表現したいことが届かないかなぁと思って、今のスタイルにたどり着いたかな。


アーティストの前に、職人なんだろうね

國立:1つの道具でも、長く鍛錬してると表現が洗練されていくじゃないですか。新しいものにいくと、また0からの勉強期間が必要になるというか。

木村:うんうん。

國立:でも同じことを絶えず試行錯誤してると磨きがかかっていく感覚があって、そういうのを私は大事にしてるかな。

木村:アーティストである前に、職人なんだろうね。極めるとか、洗練させるってところにきっと、美意識があるんだろうなぁ。

國立:あぁーー、ある。

木村:そこがたぶん、色濃く全体に出てるんだろうね。

日菜子:つよーーい。ない、私にはそういうの。笑

木村:おれも結構職人気質は強いんだけど、逆に特定の道具に縛られないようにしよう、っていう方向で働いてるかもしれない。

國立:へえぇー!

木村:何か新しいものを考えましょう、ってなったときに、今までの延長線上でしか考えられないとすると、それってすごく不自由なんだよね。

國立:なるほどね。

木村:何でも自由に新しいことをやっていいのに、前のことに縛られるのってすごい不自由だからさ。だから使う道具も、できる限りシンプルな方がよくてさ。紙とペンとか。それも、このペンじゃないとダメだ、みたいなのはなるべくない方がいい。

國立:あー、なるほど。

木村:何か特定の道具に依存しないようにしよう、っていうのかな。むしろ新しいものを自由に取り入れるとか、新しいからやってみるとか、好奇心もそうだと思うんだけど。

國立・日菜子:あぁー。

木村:執着しないことへの執着というか。笑。そっち方向に特性が出てるかもしれない。

國立:言われてみればそういうのもあるね、職人気質の方向としては。

日菜子:面白い面白い!


職人気質の正体とおもちゃ箱
につづきます


お知らせ
12月1日(土)19:00-22:30に、下北沢にある『BOOKSHOP LOVER』にて【本屋の未来を語らない】というイベントを開催します。

詳細はこちらのイベントページへ

イベント名【本屋の未来を語らない】

▶概要
どんな未来になるか語っても、予測することはできません。どんな未来を作りたいか考えて、そのために行動する。
本屋さんの未来は自分たちで作ることができます。トークライブやパフォーマンスや展示など、普段とは違った本屋さんを作るイベントです。

▶日時
12月1日(土)19:00-22:30

▶タイムテーブル
19:00open
19:30start
19:30-20:00 第1部トークセッション
20:00-20:10 休憩/交流
20:10-20:50 第2部 パフォーマンス
20:50-21:05 休憩/交流
21:05-21:45 第3部 パフォーマンス
21:45-22:00 休憩/交流
22:00-22:15 第4部 パフォーマンス
22:30-23:00 交流
22:30 close

※途中参加・途中退出可能です。
※タイムテーブルは当日変更になる可能性があります。

▶内容
1.トークセッション
BOOKSHOP LOVER 和氣さん×korekore木村さん

2.パフォーマンス
イベントページ内で随時告知していきます。

3.展示
イベントページ内で随時告知していきます。

▶参加費
一律3,000円(1ドリンク付き)
パフォーマンス参加、展示参加、一般参加全て一律料金になります。

▶会場
BOOKSHOP TRAVELLER

▶住所
東京都世田谷区北沢2-26-7アパートメントストア1F

▶参加募集
(1)パフォーマンス出演
1組あたり最大10分になります。
参加費は参加人数×3,000円が必要になります。機材はスピーカーのみご利用頂けます。

(2)展示
絵画、写真、イラストなどジャンル、テーマを問わず募集しています。
出展スペースは90cm×90cm目安、点数はスペースに収まれば何点でも大丈夫です。
販売可能、販売手数料なしになります。
展示に必要な機材(釘、金槌など)は各自持参でお願いしています。
細い釘、虫ピン、押しピンは使用可能です。(太い釘は使用できません。)

▶ポスターデザイン
大鐘ハル(HRQ RECORDS)
https://twitter.com/haru9pic

▶主催
劃桜堂(かくおうどう)

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