輝き人! NO.16 ナマコプリ/Namakopuri  後半

前回に引き続き、芸術家アイドルユニットナマコプリをお送りします。

(左から マコ・プリンシパル ナマコラブ)

interview

ジャーナル編集部:それでは、芸術家をやっていて、出会うことができたものって何だと思いますか?
マコ・プリンシパル:何だろう。逆にやっていなかったら、今何しているんだろうと考えると、何も想像できないです。今こうして生きていられるのは、ひとえにこの活動があってのことだと思うので、全てに感謝です。
ナマコラブ:人との出会いもそうですし、私ホントにコミュ障で、人の目を見て喋れなかったりとか、人との関わりがすごく苦手で、いっつもひとりで部屋にこもっているタイプなんですけど、アートがあるからライブに出たりとか、展覧会で自分の作品を発表できたり、そこで多くの人に出会い、普段引きこもっているだけじゃできない経験を積むことができました。あとは、新しい世界への出会いかな。私は今までアートの勉強など何もしていないし、すごく狭い世界で生きていて、自分の世界しかなかったから、今こうして私の周りにいるアーティストの方に出会うことなど通じて、新しい世界を見ることができました。
ジャーナル編集部:新しいとは、具体的にはどういうことですか?
ナマコラブ:今まで出会えなかったもの・・・マコプリちゃんの絵もそうですし、ナマコプリの音楽も新しい出会いだし。
マコ・プリンシパル:私たちが出会ったのも、新しい出会いだよね。
ナマコラブ:ホント、そうだよ!!
マコ・プリンシパル:もともと全然別なところで活動していたんだよね。
ナマコラブ:マコプリちゃんはアイドルをしていて、私はなまこアーティストとして活弁Liveなどをやっていたんですよ。たまたまライブハウスで知り合ったのが、ユニット結成のきっかけなんです。出会いですね。完全なる出会い系(笑)

(なまこ:ナマコラブにより生み出されたキャラクター)

女神との出会い

ジャーナル編集部:じゃあ、ここで聞かずにはいられないです。ナマコプリが結成した経緯を教えてください。
マコ・プリンシパル:初めて話した時に、可愛い女の子がいるなって思って、私自身可愛い女の子が好きなので、目を付けていたんですね。(笑)
ナマコラブ:へぇー、そうなんだ。知らなかった~。(笑)
マコ・プリンシパル:どんな子だろうと思って、話していたら、その時ちょうどナマコラブちゃんが個展をする前で、絵を描いたり、立体などの作品を作っている女の子だと分かって、すごく興味が惹かれました。“可愛くて、制作をしているなんて!”って思って、恋に落ちちゃいました。(笑)
ナマコラブ:あ~嬉しい。
ジャーナル編集部:その当時は、個々人としてもご活動されていて、どうして2人でやっていこうと思ったのですか?
マコ・プリンシパル:それは、自然ですかね。
ナマコラブ:うん、自然に。2人とも、それぞれの作風があるから、そこは干渉せずにやっているのですが、一緒にやろうと思ったのは、やっぱり女神(プロデューサーのカワムラユキさん:以下同じ)との出会いが一番大きいかもね。ナマコプリが音楽をするっていうことで、より結束力が高まった気がします。しぶや花魁っていうお店があって、私は当時夜遊びをしたことがなかったんですよ。ある日、マコプリちゃんに夜遊びがしてみたいって言ったら、
マコ・プリンシパル:そう、夜遊び宣言をされたんですよ。(笑)
ナマコラブ:今夜は夜遊びをしてみたいって相談したら、マコプリの友達がしぶや花魁に連れて行ってくれて、そこで女神と出会って、そこから全てが始まっていったんだよね。
マコ・プリンシパル:意気投合して、女神は音楽の世界で活動されているスペシャリストで、私たちは美術という創作の世界にいて、女神と私たちが何か一緒に融合させて、共通の作品が生まれたら楽しいねっていう話ですごく盛り上がり、気づいたらナマコプリとしてやっている感じです。
ジャーナル編集部:ひとりでやっているだけでは、たどり着けないところに行けましたか?
マコ・プリンシパル:それぞれの活動もしているから、それは今でも大切にしているのですが、2人とか3人とかじゃないと出来ない化学反応の活動や作品がナマコプリだなと思います。
ジャーナル編集部:具体的には、どういう化学反応があったと思いますか?
マコ・プリンシパル:まず、こんな素敵な音楽が生まれなかったよね。
ナマコラブ:全く、そうですね。私はナマコプリの音楽は世界に誇れるもので、命を救えるものだとも思っています。曲の歌詞などがすごい強い力を持っているんですよ。実際、私も救われました。
マコ・プリンシパル:キャッチフレーズも“あなたのハートを癒し隊”だもんね。
ナマコラブ:やっぱり、癒しは延命に繋がるからね。
マコ・プリンシパル:命に敏感だね。(笑)

ぼっちキャラに友達ができたんです!!

ジャーナル編集部:グループとしての活動が個々人の活動に影響していますか?
マコ・プリンシパル:してますね。私は自分の頭の中のキラキラワールドをいろいろな方法で表現する形でお送りしているんですけど、それが時には絵を描いたりとか、歌って踊ってみたりとか、コスプレしてみたりとか。自分の頭の世界なので、やはりその時体験したこととか、会った人とか、環境にすごく影響されていて、表現することもそれによって変わってくるんです。例えば、猫を飼っていたら、その猫が出てきたりとか。ナマコちゃんにもモデルになってもらって、私が絵を描いたりとかもしました。
ナマコラブ:やっぱり、影響しています。私はキャラクターを作っているんですけど、私が作った自分の世界のキャラクターって全員ひとりぼっちだったんですよ。孤独な世界にそれぞれのキャラクターが生きている形だったんですが、マコプリちゃんと会ってから、私のキャラクターに友達ができ始めたんです。それが、本当に嬉しかったんです。
例えば、おにぎりチワワというキャラクターがいて、その子は捨て犬なんですよ。ひとりで生活して生きていくために、おにぎりを作って、代々木公園とかで売って、生活をしているっていう世界で唯一自立しているチワワなんですけど、そのチワワはずっとひとりぼっちだったんですけど、私がマコプリちゃんと会ってから、テレビを見るのが好きで、そればっかり見ているテレビチワワとか、DJチワワというblock.fmのキャラクターにしてもらっているキャラクターとか、いろんなチワワのお友達ができました。

ストーカーの存在

ジャーナル編集部:成功というのはどういう時に感じますか?

ナマコラブ:ストーカーが喜んでくれた時が、一番嬉しいです。
ジャーナル編集部:ストーカーというのは?
ナマコラブ:私はファンのことを“ストーカー”と呼んでいるんです。
ジャーナル編集部:ストーカー、ずいぶん斬新ですね。
ナマコラブ:私は偏愛の世界に生きているので、ちょっとのぬるい愛だと足りないんですよ。だから、言葉は悪いかもしれないけど、ストーカーって呼んでて。一般的に言われるストーカーの方の愛って究極ですよね。そういういきさつで、お客さんのことをそう呼んだら、それも喜んでくれて、ストーキングしますって言ってくれて・・・
マコ・プリンシパル:“ナイス、ストーキング!”って言うんだよね。
ナマコラブ:そうなんです。良いストーキングしてくれたら、“ナイスストーキング!!”って言うんです。そう言うと、喜んでもらえる。

お豆腐とか、もやしを食べます

ジャーナル編集部:ナマコラブさんは、現状不安とか問題点とかはありますか?
ナマコラブ:先行きが不透明な不安、ただぼんやりした不安というものはあるんですが、でも、活動や自分の作品に対する不安は無いです。創作したいものは勝手に出てくるし、溢れてくるものなので、それが途切れることはないから、芸術に関する不安はないです。
ジャーナル編集部:経済的な面において、不安になったりとかは?
ナマコラブ:それは、もう気合いです。気合いで稼ぐ。最悪お豆腐とかもやしを食べて生きて行く覚悟はあります。やりたいことがあるから、そのためにだったら、なんでもできる。気合いがある限り、続けられるんです。
ジャーナル編集部:マコ・プリンシパルさんはどうですか?
マコ・プリンシパル:なんだろう?・・・今とっても毎日幸せなので、思いつかないです。常に安定しない活動なので、不安はつきものなんですが。でも、それよりかは、もしかしたら明日地震が起きて死ぬかもしれない、車に轢かれて死ぬかもしれないって、常に死を覚悟して私は生きているんですね。次の瞬間に何が起きるかなんて、分からないですよね。でも、その終わりの瞬間が、その時の自分のベストで、最高な状態で終えることができたら成仏できるなって思っているので、不安はいつもありますけど、気にせず、シカトしています。(笑)気合いで楽しく生きて行こうと思っていますね。

(マコ・プリンシパル)
ジャーナル編集部:芸術家としてやっていけない日が来るのかなって思うことはありませんか?
マコ・プリンシパル:それは、無いと思いますね。やっぱり、精神の問題だから。経済的には厳しい所もありますが、それでもやりたいと思って今までやってきたので、“なんくるないさー”っていう感じですね。

隠せっていう方がエロい!!

ジャーナル編集部:実は芸術家の方にどうしてもぶつけたい質問がありまして、アートと性って密接に結びついていますよね。それが時には世間からバッシングを受けることもあって。そういう状況について、お二人が思うことをお聞かせください。
マコ・プリンシパル:やっぱり技術の進歩によってできることが増えてきたことも一つの原因だと思います。絵画なら、そこで性の表現をしても、全然問題にならないこともあるのに。境界線が難しいなと思いますね。テクノロジーの進化によって出来ることが増えて、芸術も今までの表現方法に留まらなくなって。新しいものが出てきた時に、今までの基準とは別の基準で世間が審査するようになるから、これまで考えられなかったようなことが起きるんですよね。そこは不思議ですね。
ナマコラブ:私は、もうやっていくしかないと思っています。今までだって新しいものが生まれたりとか、人類が高まっていくのは、新しいことをどんどんしているからだと思います。あとはやっぱり変態のおかげなんですよね。その変態っいうのは、動植物が成長の段階で姿や形を変えるという意味なんですが。そういうものによって私たちは高まっていると思うので、必要な戦いだと思っています。性の表現と、それを潰してくるものに対する戦いっていうのはどんどんやっていくべきだと思っています。
マコ・プリンシパル:性欲なんて、みんなあるのにね。
ナマコラブ:うん、私は“別に隠さなくていいのに”ってすごい思うんですよね。アートでどうしても表現したくて、どうしても出てくるものだと思うので。むしろ、隠せって言う方がエロいと思うんですよ。なぜなら、そこにエロさを意識しているし、させているから。たとえば、銅像とかに布をかけるのって、私はそれはすごい不思議だと思いますし、私の中では布を掛けろって言う方がエロいんですよ。だから、先ほど言いましたような“戦い”をやって、芸術の性の表現っていうのをもっと確立していくべきだなと思います。
ジャーナル編集部:そろそろお時間のようですね。最後に学生に向けてメッセージをお願いします。
マコ・プリンシパル:世知辛い世の中ですが、気合いがあれば、割となんとかなるもんです。強い意志と、きらめく心と、高い志を持って、常にチャレンジ精神を忘れずに、生きて行って下さい。私の今までの経験からなんですが、“やりたいな~、でもどうしようかなっ”て思うことは絶対やった方が良いです。
ナマコラブ:読んでいる方の中で、死にたいと思っている人もいると思うんですよ。すごい無責任な言い方になるけど、生きていて、やりたいことをやりたいようにやっていたら、絶対に良いことがあるから、死なないでください!ふぁいと!!死なないためにも、ナマコプリの音楽とか、私たちの作品を見てほしいです。

取材協力:OIRAN MUSIC、代々木カリー
写真提供:ナマコプリ
ナマコプリ公式HP:http://oiranmusic.com/namakopuri/

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