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歩くのが辛い、立っているのも辛い・・変形性股関節症について

厚生労働省の調べでは股関節の痛みを訴える方は約500万人で、その9割は
変形性股関節症と言われています。
症状がある事で、仕事や日常生活に支障が出たり、旅行や外出も難しくなる方も多くいらっしゃいます。
特に痛みの症状が長く続くと、不安感が強くなるのも当然の事だと思います。
今回は変形性股関節症の痛みについてお伝えしていきます。

目次


股関節の構造と役割

股関節は太ももの付け根の部分にあり、骨盤と太ももの骨で形成された関節です。
太ももの骨の頭部分を骨頭と言い、骨盤の受け皿部分を臼蓋(きゅうがい)と言います。
この骨頭と臼蓋がしっかりはまっていることで股関節のスムーズな動きが可能になります。例えると、けん玉のボール部分が骨頭で受け皿部分が臼蓋というような構造になっています。

股関節の構造

股関節は歩く動作、立ちあがる動作、しゃがむ動作など下半身を大きく使う動作を可能にしています。
股関節の可動域はももを上げる動作が90°、足を後ろに蹴る動作が15°、
仰向けで股関節をひねるように内股、外股にする動作が45°となっています。
これらの動きが制限されていても、逆に動きすぎていても股関節痛の症状に
つながる可能性があります。


変形性股関節症とは

変形性股関節症は大きく分けて一次性と二次性に分かれます。
一次性は、老化や生活習慣により負担をかけすぎて股関節を痛めていることを言います。
二次性は、生まれつき股関節の形成が不全で負担がかかりやすい状態になっていることを言います。
どちらも画像上で少しでも変形があれば、変形性股関節症と診断されることになります。
股関節に痛みや違和感がある場合は、早い段階で医療機関への受診をお勧めします。
変形性股関節症は慢性進行性の疾患であるため、早い段階から治療を開始し進行を予防することが重要です。
また、股関節の痛みや違和感は、外傷や感染症、関節炎などの可能性も否定できません。
状態を把握することは、治療の第一歩です。


変形性股関節症による痛みの改善

変形性股関節症と診断を受けると、股関節に痛みが起き、更にこの痛みが
なくなる事はないと思っている方も多いようです。
医療機関で変形性股関節症という診断を受けて私の治療院に来られる方も
多くいらっしゃいます。その中には変形しているという診断を受けたから
もう痛みが取れないと思われている方もいますが、変形していることと
痛みの有無は必ずしも一致していないことが多いです。
実際、股関節に痛みはあるが変形はないと診断された方もいますし、股関節に痛みはないが変形していると診断された方もいます。

本来関節の中に痛みを感じる神経は分布していないため、関節の
隙間が狭いことや少し変形しているということだけでは痛みが発生することはありません。
関節周囲の組織には痛みを感じる神経が分布しているため、慢性化してしまっている要因は股関節まわりの組織が固くなっていることです。
股関節への負担を起こしている身体の歪みを改善し、筋緊張を緩和することで股関節の痛みや違和感の改善につなげることができます。


股関節痛改善のプロセス

痛みが出た直後は急性期のため、赤血球や免疫細胞などが痛い部位を治そうと頑張って腫れたり、赤くなったり、痛みを出している状態です。
自己免疫の観点でも、この時期はあまり無理をせず安静にしておいた方がよいと思います。
痛みが強ければ投薬やロキソニンテープなどを使用するのも一つの手段です。

数日〜1週間程度経過後は医療機関と平行して専門の治療院や専門の整体院、徒手療法の専門家による施術も可能となります。
もちろん数ヶ月以上痛みや違和感が続いている方も、同様に痛みの症状改善が可能です。

股関節の可動域を制限させている原因箇所の筋緊張や、身体の歪みを取り除くことで痛みが改善し、今後痛みの出にくい身体作りにもつながります。
痛みが改善した後は、歩き方や股関節自体の可動域のケアをしていくことで再発防止につなげることもできます。

最近の研究では、姿勢の悪化と脊柱の柔軟性低下も症状の進行に影響を与えているという事がわかってきたようです。
立ち姿勢や脊柱の柔軟性は、しっかりとケアしていく事で改善することが
可能な部分です。
早期のケアと日々のちょっとした努力は痛みの改善の第一歩です。

参考文献
姿勢の悪化と脊柱の柔軟性低下が変形性股関節症の進行に影響

京都大学医学部研究報告

今回の記事は以上です。
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