音楽嫌いな俺の話

思い起こせば、ホントに音楽というものが嫌いだった。ミュージックステーションなんか見たことがなかった。

中学時代の音楽の授業とかただの拷問だった……

歌のテストなんか1回も歌ったことがない。だから毎回音楽の成績は2だった……

なにゆえ人前で歌わないかんの?
なにゆえ俺の成績毎回2なの??
(それは頑なに歌わないから、筆記テストも悪い成績だったから)

合唱コンクールという学校公認の黒歴史製造行事。

「男子歌ってー!」
「男子まじめにしてー!」
「うわぁあああん」
「男子なんでちゃんとしないの!?◯◯ちゃん泣いたじゃん!!!」

という繰り返される歴史の過ち。

私にとって合唱コンクールは口パクの練習をするだけの恐ろしく意味のない虚無の時間であった。

なぜ声変わりで、声がでにくく、ナイーブなあの時期に歌わせるん???

なんで男子のパートは

「ああああぁぁぁぁ」
「うぅぅうぅうー」
「おおおぉぉぉ」

とか訳わからんとこ歌わすの!?

今だに謎である。

真面目な話になります。

音楽って「音を楽しむ」ものだと思うんです。

強制させて歌わせたり、歌の上手下手で点数をつけることが音楽の本質でしょうか?

音楽の授業は「音楽という芸術」に触れあうことで、自分の人生をより豊かにするために存在すべきだと思う。

私のように嫌がる人をみなの前に立たせて、無理やり歌わせようとして、トラウマを植え付けるためのものではないと思う。

歌いたい人は歌えばいい。
聴きたい人は聴けばいい。

自分の中に流れる、自分だけのメロディを大切にすればいいと思う。

そしてなぜか私は、あの頃はあんなにも音楽の授業が嫌いで仕方なかったのに、音楽療法士の女性と結婚している。

音楽を用いて、難病に苦しむ患者や利用者の心に寄り添う、その姿に惚れたのだ。

大嫌いだった音楽。そこで音楽の本当の姿を見た気がした。音楽とはこんなにも優しくて、暖かいものなのかと感じた。それはまるで、幼少期、公園で疲れはてた俺をおぶってくれた母の背中のような…

でもホントは嫁が音楽療法でピアノ弾いてるときのお尻が色っぽくて「いい尻だなぁ」と思って、そこらへんから惚れたのだ。

以上

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