体育の授業中、ちんこが立ってしまった田中の話

思い出すだけで、ぞっとします。

男なら誰しも1度は経験あるのではないでしょうか?暴れん坊な息子を制御できず、おっ立ってしまったことが………。


あれは太陽の光が降り注ぐ、暑い暑い夏の日の午後。

俺たちは体育の授業の準備を始めた。

体育はハンドボール、みんな少しでも長く試合をしたいが故に、俊敏な動きで運動場へと集結した。

ふぅー、なんていい天気だ。

青空と太陽が美しい。

今日は何かが起こりそうな気がする。

期待に胸を膨らませ、体育を楽しもうと心に誓った。

「集合っっっ!!!!」

体育の先生だ。無駄に声のでかい先生だ。

「全員っ!!整列っっ!!」

俺たちは整列した。
はやく体操して試合を始めたかった。

「体操っっはじめ!!!」

じゃんけんで負けたが故に体育係りになったオタクの田中がみんなの前に立ち、体操を始めた。

田中は毛深くて、おでぶな男だ。声は無駄にドスが聞いている。決して、いじめられたりはしていない。しかし、あまりしゃべることもなく、ただただ、休み時間に本の表紙だけをかえて、官能小説を読んでいる男だ。

触れぬ神に祟りなし。
田中はそんな男だ。

ここでまさかの事件が起こった。

田中の股間が若干もっこりしている。

あれは間違いなく、少しちんこが立っている状態だ。

俺たちは、心配した。

「田中、大丈夫かな?」
「あのレベルなら、まだ押さえられるはずだ」
「ああ、まだフルボッキじゃない。状況次第では鎮められるはずだ」

次は屈伸だ。
これなら、ちんこが立っていることをカモフラージュできる。
この間に鎮めるしかない!

「ここが勝負だな」
「ああ、この数秒の間で鎮めるしかない、まだ俺たちしか気づいていない、とりかえしがつかなくなる前に、田中は鎮めるしかない」
「田中……頑張れ……」

屈伸が終わった。
次は大きく手を振り、体幹を捻る体操だ。

俺たちは田中を見守った。

田中が大きく手を振り体を捻る。

「わちゃー!ダメだ!さっきより大きくなってる!」

「やばいぞ、半立ちを越えている!」

「田中!!田中!!おちつけ!!」

俺たちは、焦っていた。

「やばい、やばいぞ!!」
「はやく鎮めろ!!!!」
「田中!!鎮めるんだっっっ!!!」

なぜ、俺達が焦っていたのか、
それは次の体操が、前屈した後、腰に手をあて、体幹を後方へ反らすやつだからだ。

「あかん!あかん!これはあかん!」
「田中!!田中!!」
「がんばれ!田中!負けるな!!」

田中は俺たちの心配など露知らず、体を前屈した。

そして、腰に手をあてた。

俺たちは息を飲んだ………

田中が大きく後方へと体幹を反らした!!

ピーーーーン!!!

「ダメだったぁぁーーー!!」
「うわあぁぁぁぁーー!!!」
「田中あぁぁーーー!!!!」

あの日の田中の眼は、
その双肩に死んだ友の魂を宿らせた、戦国時代の武将たちと同じ眼をしていた。

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