本当にあった怖い話

最近暑いし、怖い話でもしようかな……
みなさんが少しでも涼しく、快適に過ごせるように、タロの助、協力致します。

読んで頂ける方は自己責任で…

思い出すだけでもゾッとします…

あれは……いつだったか……

私は1人で職場に残って書類仕事をしていました。

カタカタカタと私のパソコンを打つ音だけが、フロアに鳴り響きます。

夕暮れ時……

美しくも、薄気味悪い空です……

それはまるで、血に染まっているような……

私は無性に嫌な予感がしました……

「何かある…」

私のシックスセンスが働きます。

もともと霊感が強く、よく金縛りや不思議な体験をすることが多い私です。しかし、科学的根拠のあることや、理論的なことしか信じないので、霊感とは思っていません。

「いつか解明してやる」と思っています。

嫌な予感がするので、少しフロアを見渡しました。

「何かおかしい……なんだ……この違和感……」

時計を見ました。

あれ?時間がずれてる?

まだ7時半くらいだろ?
なぜ12時になっている??

あれ?

フロアに人がいる……

なんで椅子に座ってるんだ?

だれもいないはずなのに……

少し驚きました。

私はその人に近づきました。

「まだいたんですね、帰らないんですか?」

……………………。

返答がない。
そしてなぜか私はその人の顔が分からない……
見えてるはずなのに、見えない…
うす黒く全体が見える……

ゾワッとしました……

やばい……これガチでやばいやつだ……

そのまま私は金縛りにあいました……

その人はぶつぶつと何かしゃべっています……

「なんで……なんで……なんで……なんで……なんで…なんで…なんで」

やばい……これは、マジでやばい……

「なんで……助けて……くれなかったの……」

その言葉と同時に、変な光に包まれました。

そして、急に脳裏に何かが浮かびました……
遠い昔の…私の思い出です……

ばあちゃんやじいちゃんと一緒に、縁側で麦茶を飲みながら、嬉しそうに話している私……
包み込むような笑顔で話を聞いてくれるばあちゃんとじいちゃん……

私は急に涙が流れ、とまらなくなりました……

なぜか分からないけれど、涙がとまらない……

じいちゃんがスイカを切って持ってきてくれました……

時計は12時を指しています…

幼い私は嬉しそうに、そのスイカを頬張ります……
嬉しそうに私を見ているじいちゃんとばあちゃん……

その風景を、私は1人ポツンと遠くから見ています。私もまじりたいのに……死んだばあちゃんと話したいのに……なぜか近づけない……

またそのまま風景が変わります……

トイレ??

幼い私はスイカを食べ過ぎて下痢をしたようです……

じいちゃんとばあちゃんが心配そうにしています…

いいんだよ、じいちゃん、ばあちゃん。

腹壊したって、スイカすげぇうまかったから…

今でも覚えてるんだ…

だから、そんな心配そうな顔しないでよ……

便器にはスイカの種が浮いています。
幼い私はなんどもなんども、うんこと一緒にでてきたその種を流そうとしています。

その瞬間!!!

また光に包まれ、もとの世界に戻りました。

そのぼやっとした黒い人の影は言います。

「なんで……なんで……なんで流したのおおおぉぉぉぉ!!!」

うんこから出てきたスイカの種の霊でした。

ビックリです。

でも不思議と冷静でした。

私は涙を流しながら言いました。
「じいちゃんとばあちゃんとの素敵な思い出……ありがとう……お前のお陰だよ…スイカ、めっちゃうまかった……お前を、種を、ちゃんと土に埋めてあげればよかったな……。そしたら、また花を咲かせて、実をつけて……うんこと一緒に流してごめんな……」

その黒い人型の影は
ふわぁっと消えました……

そして消える間際に、優しい声で言ってきました。
「種は……だしなよ……」

ありがとう……
優しいスイカの種のあやかし……
またいつか……実をつけて……

時計は7時半を少し過ぎていました。

私は昔が懐かしくて、ついついスーパーでスイカを買って帰りました。

次の日、朝うんこすると、また便器の中にスイカの種が浮いてました……

その日、1人で職場に残っていると、
黒い影がでてきて、

「だせゆーたやん??」

と言ってきました。

私は言いました。

「ごめん……出したつもりなんだけど、少し実に入ってたみたいで……気付かんかった……」

「そーゆーとこやん?自分?自分さ、気持ち分かるの??うんこと一緒に流される種の気持ち分かる??」

「いや、ちょっと分からないです」

「なんで少しにやけてるん?」

「いや、にやけてません……」

「ほんま、ちゃんとだしーよ?種。それがスイカ食べる礼儀だから。毎回毎回、便器の中つらいよ?」

「はい……すんません…」

「自分さ?毎回やん??まいっーーーかい、スイカ食って、次の日便器にうんこと一緒に種だすやん?」

「わざとじゃないっす」

「うん、まあ、そーかもしれんけどさ、ホンマ気をつけて?友だちのニラとトウモロコシもお前のこと言ってるの知ってる?」

「いや、知らないです」

「ホンマさぁ、100歩譲って種食べていいからさ、ちゃんと消化して?ニラもトウモロコシも。な??」

「はい、頑張ります……」

「なんでにやけてるん?」

「いや、にやけてないです……」

「うん、ほな、また便器の中に、種なりニラなりトウモロコシなり出したら、俺来るからな?気をつけーや」

「はい……」

「約束やで?」

そういって消えてしまった…

ありがとう……
優しい種のあやかし……
またいつか……
遥かなる空の向こうで………

明日はもつ鍋だ……


終わり

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?