見出し画像

〘異聞・ケルト10〙英雄の黄昏

〖アルスターサイクル10〗

 
 
 
 さてさて。(この回だけ口調が変わるw)

 長々ダラダラ意味不に続けさせて戴いたクーフーリンの話ですが、最後に短くちゃっちゃっと彼の最期(ややこし)について。

 他にも数々の武勲を立てたり、現代人をわらかしてくれたクーフーリンたちですが、最期まですごいです。

 『クアルンゲの牛捕り』の発端となった女王メイヴの奸計により、彼は壮絶な最期を遂げることになるのです。

 何でそんな事態になったかって?

 メイヴの逆恨みですw(きっぱり)

 彼女はクーフーリンの『女は殺さない』で命拾いしたクセに、これを屈辱と逆恨んで執念深く虎視眈々と殺る機会を窺っていたワケですよ。
(こーゆう性格のせいでいずれは自分も殺られるんですけどねw)

 クーフーリンは自分以外にも、例えば産まれてもいなかった己の息子(コンラ)にもゲッシュを与えたりしていましたが、自らにも相当数のゲッシュを課していました。あの『犬の肉を食べない』と言うのもそのひとつです。

 そのゲッシュを、メイヴに利用されて追い込まれたんです。

 手段を選ばないメイヴは、ありとあらゆる奸計を張り巡らせてクーフーリンのゲッシュを逆手に取りました。ゲッシュで雁字搦めに追い詰められ、半身が痺れたところを、奪われたゲイ・ボルグに刺し貫かれたのです。

 その際、こぼれ落ちた内臓を清らかな水で洗って腹におさめ、自身の身体を石柱に縛りつけ、最後まで倒れ伏すことなくこと切れた、と言います。
(その報いと、それ以外にもめっちゃ買ってた恨みつらみにより、メイヴは現代人爆笑物(ヒデー)の死を遂げるのですが、それはまた別のお話w)

 享年33歳。

 予言通り、名を残すも早すぎる死でした。
(まあ、コンラに比べりゃマシですがね……)

 ただ、ここまで笑いながら書いといてナンですが、クーフーリンが何故英雄視されているのか、何故愛すべき存在として描かれているのか、少しわかるような気がします。

 何かいろいろ問題あるし突っ込みどころ満載なクーフーリンですが、その短い生涯において幾多の武勲を建てたものの、そのほとんどで自ら戦いを望んだワケではなかったこと。
(ほとんど、ねw)

 人々を、国を、窮地から救うため、あるいは友や自分たちの名誉や誇りを守るため、義侠心からやむにやまれぬ戦いに挑んだ。
(エメルとの結婚に関してはビミョーだけどw)

 そして、武人としての名誉と節度を重んじ、女を手に掛けることがなかった。
(誤射による被害者は別としてw)

 全て擁護出来るものではないけれど、やはり良くも悪くも人間的だったのでしょう。
(半分、神ですけどねw)

 そんなクーフーリンの臨終時、その肩には一羽の烏がとまっていたと言います。

 クーフーリンを最後の最後まで見送った烏──これは彼に惚れ込んだモリガンの化身、であったそうです。

 これにて、一先ず終わります。

 長々、ありがとうございました。

 
 
~*~*~*~*~*~

〖参考文献/出典/引用〗
※昔の資料を引っ張り出すことが出来ず比較的新しめの資料群

◉井村君江 著: ちくま文庫
『ケルトの神話―女神と英雄と妖精と』
◉池上良太 著: 新紀元社
『図解 ケルト神話』

〖その他〗
◉遥か昔々に読んだタイトルも作者名も覚えていない数々の本やマンガの記憶のカケラたちと妄想像の山www
 
 
 
 
 
 


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?