タロット霊解【3 女帝】
神の子愚者
いよいよ愚者は人間界にやって来ました。愚者は女帝のお腹の中にいます。イエス・キリストが処女マリアから神の子として生まれたように、愚者も女帝から神の子として生まれるのです。
カード番号20の審判には棺桶が描かれています。愚者はまさに揺り籠から墓場まで人生を経験したいと望んだのです。
豊かな世界
豊かな髪、豊かな胸、豊かな黄金の麦畑、咲き誇る花、冠やアクセサリーから分かる金銭的な豊かさ。愚者が豊かな世界に歓迎されていることが分かります。
精神的・物質的豊かさ
カード番号2の女教皇は精神的な豊かさを表していましたが、女帝のカードは物質的な豊かさを表しています。物質的に満たされた女帝は穏やかで満たされた表情をしています。物質的な豊かさは精神的な余裕を生みます。ただ物質的に貧しくても精神的に貧しくなることはありません。愚者は何もない砂漠にいましたが、余裕で楽しそうな表情をしていました。
3という数字の意味
2は分裂、分析、分類など分かれることや分けること、思考の始まりや二元性などを意味していましたが、一度始まった分裂や思考は止まることなく永遠に続いていきます。2に続く3は豊かさや多元性や調和を意味するのです。
女教皇と女帝というモデル
女教皇のカードは全体的に寒色系で、冷たいイメージでしたが、女帝のカードは全体的に暖色系で暖かいイメージです。女帝の表情からも優しさや愛情や包容力が伝わってきます。女教皇は良き理解者のような存在で、女帝は良き共感者のような存在です。女教皇と女帝は他者との関係の良いモデルとなってくれます。
杖と盾
杖と盾が描かれていますが、杖の握る部分が金星の記号♀に似ています。タロットカードには10の惑星が割り当てられていますが、女帝には金星が対応しています。金星は美と愛の象徴です。まさに女帝に相応しい星です。
盾には三足烏(さんそくう、さんぞくう)が描かれています。三足烏は中国の神話に登場する烏で、太陽に棲むとされ、太陽を象徴します。
女帝の世界には外敵はいませんから、この盾は子どもを守るためのものではなく、生命を育む太陽を暗示することによって、女帝が生命を育む母であることを表現しているのです。
幸せの青い鳥
女帝の脇で幸せの青い鳥が卵を温めています。これから始まる愚者の人生に幸せが増えていくことを暗示しています。愚者(あなた)の人生は豊かさから始まり、幸せが積み重なっていくのです。幸せはどんな状況においても探せば身近なところに必ず見つけることができます。
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