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【ヒプマイ考察#4】歌詞考察 Shibuya Marble Texture -PCCS-

音楽原作キャラクターラッププロジェクト
『ヒプノシスマイク』
(通称ヒプマイ)

ヒプマイの楽曲歌詞から、ストーリーや背景、今後の展開を考察する趣味記事です。

今回はシブヤディビジョン『Fling Posse』の最初のチーム曲である『Shibuya Marble Texture -PCCS-』を取り上げます。

シブヤらしいポップさと可愛らしさがある爽やかな曲ですが、それぞれのソロパートを見ると彼らの背負ったものや、今後に繋がる要素が散りばめられているように感じます。

この辺を今回は考えてみます。


飴村乱数ソロパート後半

『僕がeasy R
DOPEかつオリジナル
この通り君の景色ごとリデザイン
鮮やかな飴玉みたいにカスタマイズ
世界はもっと面白いはずじゃない?』

DOPEはもともとは麻薬を表す言葉だったり、「間抜け」みたいなマイナスイメージの言葉でしたが、ヒップホップ用語としては「(いい意味での)ヤバい」「最高」みたいな意味です。

「DOPEかつオリジナル」で、最高でオリジナルということ。飴村乱数にとって、自分がクローン人間で量産された個体の1体であるということは、一番のコンプレックスです。

だから彼は『オリジナルであること』にこだわります。別楽曲の『Hoodstar』内でも、「いやいや僕はオートクチュールです」と一点ものであることにこだわっています。

境遇を憎み、世界を呪い、しかし表面上はポップで可愛いみんなのアイドルを演じる。そのジレンマ。
だからこそ「世界はもっと面白いはずじゃない?」というのは、軽く言っていますが、実は乱数の強い本心であり、彼は世界そのものを鮮やかにリデザインしたいのです。


夢野幻太郎パート(中盤から)

『ゆく河の流れ、その泡の中で
いつかの約束を忘れまいと日々を奏で
ふいに幻は溶け 風ごと華やいだ
またデタラメ集めには事欠かないな
彼らとなら新しい頁を捲れそう
なんてもちろん嘘ですけど』

ゆく河の流れ=常に変わっていくものの喩え
その泡の中で=すぐに割れて消えてしまうものの喩え
二つ併せて、世の儚さの喩えであり、変化し続ける日々の喩えになっている。

「いつかの約束」は何を指しているのか不明です。『シナリオライアー』でいう『病気の友人』と交わした約束かもしれませんし、寝たきり(もしくは昏睡状態)の自分の兄に誓った約束かもしれません。

ふいに幻は溶け→いつか、虚構の存在である『夢野幻太郎』という幻が溶けて、本当の自分に戻ることの暗示。

「彼らとなら」→乱数、帝統となら
「新しい頁を捲れそう」→新しい物語、虚構ではなく自分の真実の物語を画けるかもしれない。
「なんてもちろん嘘ですけど」→照れ隠し。及び、幻太郎得意の嘘を使って本心を隠す技。


有栖川帝統ソロパート

『人生はバンジー無いジャンプだ
素寒貧がなんだデカく張って
勝って換金だジャンジャン
(中略)
レイズならば受けて立つぜ準備OK
俺ら賭けてるもんの違い見せる
Fling Posse
No.1が3人揃う賽の目
喰らっちまいなピンゾロ5倍付け(にゃ~)』

飛鳥帝(あすか・みかど)と東方天乙統女の息子の帝統はセレブ中のセレブ。普通に生きればその人生はセーフティネットだらけです。しかし、そんな生活に帝統は『生きている実感』を感じることが出来なかったのではと推測できます。

だから帝統は、たとえ命懸けでもヒリヒリする勝負の世界に飛び込みたかった。そんな思いが「人生はバンジー無いジャンプ」という表現に繋がっていると思います。

「俺ら賭けてるもんの違い見せるFling Posse」→
各ディビジョンの中でも一番ポップに見えるFling Posseですが、勝負に賭けているものはめちゃくちゃ重いです。

乱数は自分の命を賭け、自分を支配してきた中央区を倒して世界を変えようとしています。

幻太郎は自分の人生と存在を賭け、兄の敵討ちと中央区の打倒を狙っています。

帝統は2人の事情は知らぬまま、ヒリヒリする勝負がしたくてポッセに加わりましたが、帝統にとっても、この旅路は命と全存在を賭ける戦いに変わっていくことになります。


Fling Posseのチーム曲は特にストーリー性に富んでおり、考察するのも楽しいです。


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