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モンゴルで現地法人を設立するにはどうすれば良いの?

新型コロナウィルス感染拡大の影響は世界的に大きく、モンゴルでも様々な手続きのフローの改善が行われました。
中でも注目したいのが、「モンゴルに足を運ぶことなく、現地法人を設立できるようになる」点です。

そこで今回は、モンゴルで現地法人を設立する前に知ってきたいポイントや、法人設立のフローをまとめてみました。

■モンゴルで現地法人を設立する前に知っておきたいこと


モンゴルでは、日本に住んでいても法人を立ち上げることが出来ます。

▼そもそもモンゴルってどんな国?
日本の約4倍、156.4万㎢もの広さを誇るモンゴル。
人口は2019年末に330万人、豊富な天然資源を保有していることで知られています。
おもな貿易相手は隣国の中国やロシアですが、日本は輸入で第3位の相手国でもあります。

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上図は、モンゴルの実質GDP成長率です。
2015年~2016年に中国の経済減速や鉄鋼生産調整を受け、景気は減速しました。
しかし、日・モンゴル経済連携協定(EPA)が2016年6月7日に発効され、進出日系企業数と在留邦人数共に増加傾向にあります。
また、日本はモンゴルへの最大のODA供与国で、直接投資も増えてきています。
2017年5月、IMFによる拡大信用供与措置が承認されたことにより、ビジネス環境が良くなりつつありました。
しかし、新型コロナウィルスの影響によって、2020年度はマイナス成長になる見込みです。

▼モンゴルの税制の魅力

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モンゴルで法人を設立すると、「投資家ビザ」が発行されます。
その上で「在留資格」を取得すると、日本に住んでいても、モンゴルに住んでいる方と同じ税率が適用になります。

また、モンゴルには相続税がありません。
日本の相続税率は55%ですよね。
モンゴルの法人をお子さんが引き継いでも、税金が掛からないのは魅力のひとつと言えます。

また、累進課税制度を取っていないため、個人所得税(最高税率)が10%で、高所得者程恩恵を受けることが出来ます。

▼知っておきたいモンゴルの税法改正
2020年1月1日に新しい税制が施行されました。
まずは法人の税率を見ていきましょう。

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※現在、新型コロナウイルスの影響を受けて、特例措置が設けられています。

個人に対する減税・軽減措置は、以下の様に変更になりました。

自らの居住用の住宅を初めて購入したり建築した場合には、1回に限り600万トゥグルク(現行法では300万トゥグルク)=約25万2,000円の還付を受けることが出来ます。
一般の銀行ローンで住宅を購入した場合には、公的住宅ローンとの金利の差分の税金を個人の所得税から還付します。

税金滞納者が死亡した場合には、相続人は相続割合に応じて滞納分を支払うことになりますが、相続人に対して延滞金を請求することはありません。
従来では、モンゴル法人(鉱山業を除く)が国内外で発行した社債を購入した投資家は、利息収入に対して、居住者10%・非居住者20%が課税されていました。
しかし、今回の改正で利息収入に対する課税が5%に減税されます。

2,000万トゥグルク以上の税の滞納がある場合には、出国制限措置を取ることが可能なので注意が必要です。

税制に関する参考:日本紡機振興機構(JETRO)「税法改正案、個人などの減税・軽減措置も拡充

▼押さえてておきたい「外資規制」
モンゴルでは自国の業者を守るため、「禁止・認可業種」を定めています。
また、農牧業や観光、情報通信や建設といった戦略産業を「優遇業種」に掲げており、投資した企業に対して所得税の減税措置を行ったり関税を軽減したりしています。

▼モンゴルの会社の種類
モンゴル企業に外国投資家が25%以上投資する場合「外国投資企業」という分類になります。
また、100%外資での法人設立も可能になります。
中国などの周辺国では、「現地の役員を入れる」などの規制がありますが、モンゴルにはありません。

最低資本金は、「10万米ドルもしくはトゥグルグで同等額」と定められています。
建設業ライセンスを取得する場合には、さらに高い最低資本金規制が設けられているのでご注意ください。

有限会社には株式の譲渡制限がありますが、株式会社には株式の譲渡制限がなく自由に取引を行うことが出来ます。
外国企業の支店及び駐在員事務所は国家登録庁に登録する必要があります。

自己資本金が10万米ドルあり、この内25%以上が外資の場合には、「外資企業」として登記可能です。
この場合の外資証明の手続きは、日本から法人口座へ資本金の送金を行えばOKです。

■モンゴル現地法人設立の流れ

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モンゴルに現地法人を設立する場合、本来であれば本登記をする際に一度渡航しサインを行う必要があります。
しかし、コロナウイルスの影響で定期便の運休が続いている状況を受け、モンゴル現地の弁護士が代理に立てた手続きも可能になる予定です。
つまり、日本に居ながらにして、モンゴルで現地法人を立ち上げることが出来るのです。

尚、銀行の法人口座の開設は、弁護士に任せられる部分も多いため、個人口座の開設よりも簡単です。

1)社名の決定★
2)類似照合の確認
3)登録局で登録を行う
4)国税局で申請を行う
5)モンゴル貿易開発銀行(TDB)で口座を作る
  ・資本金の送金を行う(最低資本金:10万米ドル)★
6)登録局で登録を行う
 ・出資者(本社もしくは社長個人)の書類の写しに、書類査証の取得を日本で行う★
7)TDBで各種設定をする
 ・インターネットバンキングの設定
 ・TDB国際デビットカードの取得
8)運用開始
 ★のマーク以外は全て弁護士にお任せすることが出来ます。

▼どんな弁護士に依頼すれば良いの?
日本国内の法人設立に明るい弁護士であっても、モンゴルの事情や法制には必ずしも明るいわけではありません。
そこでTDB東京駐在員事務所では、経験が豊富で信用ができるモンゴルの弁護士紹介しています。
モンゴルで法人設立をお考えの方や、詳しい現地法人設立の流れをご確認なさりたい場合には、TDBにご相談ください。

【TDB東京駐在員事務所】
〒100-0005
東京都千代田区丸の内1丁目4-1丸の内永楽ビル23階
TEL:03-4588-3945
FAX:03-4588-3947

▼不動産取引をしたい場合にも法人設立がおすすめ
モンゴルでは外国人は土地の権利を所有することが出来ません。
けれども、上物である建物の所有権は認められているので、家賃収入を得ることは出来ます。

モンゴルの不動産収益を得る際には、個人口座ではなく、法人口座がおすすめです。
問題が発生した際に、法廷闘争にて対等に戦うことが出来ます。
個人口座で外国人として取引をするのではなく、法人化してモンゴル現地の企業の口座にするのがおすすめです。

■おわりに


アジアの中でも投資コストが低いことで知られるモンゴル。
税制面でも、法人・個人問わずに魅力があります。

アジア進出をお考えの方は、モンゴルに目を向けてみては如何でしょうか。

内容確認:モンゴル貿易開発銀行 東京駐在員事務所

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