ハテナの塔 -The Tower of Children-(感想/後半ネタバレ有)
ジャンル:カードバトル、アドベンチャー
プラットフォーム:Steam、Nintendo Switch
発売日:2023年4月20日
開発:株式会社タストα
販売:SHUEISHA GAMES
評価
5段階評価:4→3
ローグライク要素薄めの状況判断ゲーム
概要
※SSは配信から取ったものもあるので私が写り込んでいます※
世界の果てのそのまた果て 果のない塔があった。
その投に住む者たちがいる。彼らはみな子供。
塔の上で肩を寄せ合い力強く生きていた。
※OPより引用
そんな導入で始まる、塔の上に住んでいる子供たちと共にハテナの塔に挑む冒険の物語。
システムとして、塔の上パートで状況整理を行い、探索パートで塔の中へと進んで1日のサイクルを回していく形式。そして1日が経過すると食料:パンが消費されるため、当面の目標は塔の中からパンを持ち帰ることになる。
この通り、日々パンは減っていくので冒険に出ないといけないが、冒険に進むには"戦礼"と呼ばれる戦士になるための儀式を受けなければならず、一定期間を過ぎないと戦士になるためのお告げが来ない。
戦礼時にキャラクターの体力、筋力、魔力、素早さ、Skillが判明する。
この数値はおそらくキャラクターごとに決まっている値で、Skillはキャラクター固有のもの+職業(後述する3つの職業の1つ)が与えられる。
筋力は武器や拳で与えるダメージ、魔力は魔法で与えるダメージ、素早さは攻撃の避けやすさに影響する。
戦士となったキャラクターはステータス確認をすることが出来る。
確認画面では子供たちの持つ"カード"とProfileを確認することができ、他にも愛着度のゲージも確認できる。
戦士が揃ったら、2人を選んで塔を下っての探索ができるようになる。
その際は2人のカードから手札に渡されたカードを選んでの行動となるため、パートナー選びも大事。
選び終えたら塔探索パートの開始。
最初は謎の子供からチュートリアルで基本情報を教えてもらったり、先の戦闘でも行動に応じた情報が表示される。
戦闘以外でも道中で判断を求められる場面は幾つも存在し、その際も手札からカードを選択したり、決められた選択肢から選ぶようになっている。
また、道中で"ハテナの子"が倒れており、敵を倒して救出しなければいけない場面に出くわすこともある。
また、塔の途中では道が交差している箇所があり、進むルートの選択も委ねられるため、自身で行く先を決めることもある。
そして、イベントが発生したり、帰還用のカードを使用すると区切りで塔の上に帰還することになる。
帰還する際、冒険の結果から"ハテナの経験"というポイントが溜まり、新しいエリアやカードが解放されていく。
帰還すると子供たちの記憶は消えている。
ただし、冒険で見つけた楽園についての情報は残ったままとなるため、子供たちはこの情報を共有し、地上にある楽園を目指す冒険を続けていく。
初回冒険から戻ると『神木』が蘇る。
この『神木』にパンを捧げることで活動が便利になる変化を得ることが出来るようになる。
祝福で復活する機能の1例、"戦礼のやり直し"が出来るようになる。
キャラクターを選び、パンを3消費して再戦礼することで3つ目のSkillのランダム付与と筋力、魔力、素早さが成長することがある。
Skillのランダム付与は特定の中から何かが抽選で、能力値の成長について詳しくは不明。※おそらく下がることはなく、稀に上がる程度の認識で上限があるかは不明。
塔探索時、勿論敗北などで失敗することもある。
1人がやられた後に踏ん張ることも出来たり、帰還用のアイテムで難を逃れることもあるが、やられた子には3日間冒険に行けないペナルティが発生する。二人共倒された場合、パンを持ち帰ることは出来ないが、ハテナの経験は貰える。
職業について、剣士は先に触れたが、他に魔法使いと神技使いがある。
魔法使いの特徴として行動は魔法カード基準となるが、一部の魔法を除いて殆どがチャージと呼ばれる詠唱時間が必要になる。詠唱中、"チャージ"と記載されている魔法カードを使用すると、効果が増していく為、強い一撃や全体攻撃などが使用できる。
ただし、詠唱中に盾カードや回復カード、🔥魔法中に💧魔法(逆もしかり)を使用すると詠唱が止まってしまう。
神技使いの特徴としては印カード基準の行動となる。
カードに描かれている指の本数でコンボのようなものが繋がり、うまく連携できると相手が麻痺して行動不能になるといったもの。
"3本指→4本指"といった指の本数が増える順に使うとコンボがあると覚えれば良い。
感想
ゲームの紹介文にて"ローグライク"が記載されているが、要素としては薄いローグライク性となっている。それこそ、"Slay the Spire"や、"Inscryption"といったものがカードゲームにおけるローグライクを含んだ代表作品と認識しているが、同様のゲーム性を求めて本作を購入すると方向性の違いで首をかしげる人が出てくると思われる。
本作品の理解が進むと、ひたすら同類の事象を繰り返すようなプレイ形式になると考えるため、思考を巡らせてプレイするカードゲームとは異なる。
なので、状況判断リアルタイムカード選択ゲームとレビューでは記載した。
とは言っているが、キャラクター毎の掘り下げや謎背景に魅力があり、手探りでアレコレ試して理解していく形式を楽しめたので、私的にはおススメ作品である。ただ、上記ローグライク性を求める人は物足りないかもしれない。
次は攻略のヒントを書く為、スクロール用に少し改行します。
攻略のヒント
進めない場合は大樹にパンを捧げるべし、キーとなるカードを探すべし
職業ごとの利点を理解し、瞬間攻撃力が高くなるカードを揃えるべし
使わないものは回転率を上げるため、除去すべし(噴水)
回復はいっそパン任せにするもよし
次はネタバレ有り感想の為、スクロール用に少し改行します。
感想(ネタバレ有)
プレイ雑記
初回クリアは神技使いペアでした。同職業ペアが楽なのは手札的にも行動的に誰しもわかるのではないでしょうか。
印の使い方を理解してからは、2,3,4の上位カードと回復以外を除外して後は降りるだけ。数はこなしていたので、変な選択肢は避ける&不利益を被りそうな時は何もしないといった塩対応で、戦闘も敵のタイミングと属性攻撃に気をつけること以外は指2→3→4を連打するだけのお手軽コンボ。
初回クリア時の感想は、"行けちゃった…"と、"ここまで?!"という感想。
もっと続くかな~と思っていた最中、結構あっさり終わったので。
これでゲームが終わるのかなと思っていたら…
という経過で全員下る必要があるんだなと理解。
その一方出てきた追加要素。
ランキングも準備されてました。
週毎に切り替わる模様、つまり1週間塔のパターンも固定されている?
→1回しかチャレンジしてないのでもしやったら追記します。
やってみたら、あっさり倒れた!攻撃一辺倒の悪さが出ちゃった感じ。
ポイントも途中で倒れたら16点位だったのでまだまだですね。
といったお触り裏攻略はさておき、残った子供たちをクリアしに戻りまして、次にクリアしたのは魔法使いコンビでした。
お気に入りキャラのシスターはLoveを上げきる前にクリアしてしまい、ちょっとやってしまった感。
この2人は、1層から暗闇で何かを見つけて一気に9層までワープしてしまい、そこまで手札も揃ってないような状態でも突破してしまったという。魔法使いの強さどうなってるんだ…?と感じたのと、このゲームもしかして理解すると簡単だなと察したのはこのタイミング。
そして最後に剣士コンビ。
他職業と比較すると、タイミングを図ったりするのに手間がかかる感じ。
手持ちのカードもレア度の高いものを揃えようとしたので念入りに探索しました。
松明を所持しておいた方がいいのも剣士の不憫な点。
壊れるかもしれない攻撃アイテムですが、他職業だと壊れることのない攻撃を兼ねている火属性カードがあるため、その差が大きい。
最後のコンビはランラン&シンシン。
この2人は覚醒Skill(Loveが100になった時に覚えるスキル)が、ランランならシンシンが、シンシンならランランがいる時にガッツ(死なずに踏ん張る)の発動率が9割以上になるというとんでもSkillなので職業が違っても問題ないだろうコンビでした。(剣士+神技使い)
人が減ったらその都度補填されるかと思っていたんですが補填されず、最後の1人になるのでどうなるのかと思っていたら…
まさかのソロモードになりました。
そして敵も話しかけてくる。ぼっちに厳しいんだか優しいんだか…
対応は変わらず攻撃してくるので最初に話しかけてくる程度。そういえば商人さんは店じまいしてました。
そんなミコさんでしたが、もう慣れたデッキ構築と魔法使いパワーにより難なく階層を突破していきました。
そんな相手でしたが、ここまで強化されたミコさんに勝てる訳はなく。
最後の1人の特殊台詞であろう流れがありました。
この言葉と後に続く赤ん坊の鳴き声でそういうことだったのかと理解。
生を受ける前の試練のような仕組みを担っていたわけですね。
子供たちの振り返りと合わせて歌ありのEDがとても良かった。
あぁ、Love100%にできていなかった子供たちが気になる…
そんなわけでハテナの塔、完!…と言いそうになりますが。開ける別の空。
と、言うわけで別の塔で別の子供たちのお話が始まりました。
製品版を始めた時に感じた違和感、以前体験版で見た"子供たちがいない"というのはこういう理由だったようです。
この後、他の方の動画を見に行ってみたところ、初期メンバーが違ったので、一部を除いてランダムに決まるみたいですね。ニードは絶対選出で、ランランがいたらシンシンも一緒とか?
そんなこんなでEDを見ましたが、まだ解けていないハテナもあるので子供たちとの冒険はしばらく続きそうです。
<面白かった点>
ここまでの感想やSteamのレビュー以外で、Demo版から製品版を触って面白いと感じたのは、職業が増えた分の新しいカードの使い方や、新しいハテナへの対応をあれやこれやしながら考える部分でした。
<気になる点>
○逆さ男カードの使用について
このゲームの肝となる部分がこのひっくり返すカードかと思っていたが、全然そんなことは無かった。むしろデッキ圧縮をしていると不要にすらなる。デモ版や紹介映像だと重要に見えたのだが…
○イベントでカードを選択した際の消費有無の明記が欲しい
選択肢で、カードを消費したかと思ったら普通に手元に残っているイベントがあるので混乱した。ただしパンは選ぶと基本消費される謎。
○報酬カード選択時の時間経過時の説明が欲しい
階段に移動するまで選択しないと、強制的に最後にカーソルを当てていたものが手札に入ることの説明が欲しかった。最初はスルーできるのかと思い、時間いっぱい選ばずに待機して、時間の無駄では?と思っていた。
○HP確認方法が常時欲しい
戦闘時やイベントでダメージを受けた時以外にHPを確認する方法が無く、移動時などに確認する方法が無いのがモヤモヤした。
○帰還カードの使用について
移動中にも帰還できるようにして欲しいと思った。むしろカードとしないほうが良かったのではないか。商人とのイベントで交換するアイテムとして差し出せるかと選んだら帰還の選択肢が出たので、えっ?となった。
○職業ごとの戦闘チュートリアルが欲しい
魔法使い、神技使いのチャージや印を繋げる仕様についての手ほどきを一旦入れたほうが良いと感じた。
○戦礼を受けられるようになった際の戦礼について
初回はパンも消費しないし、確認から手間がかかるので強制戦礼でいいのではと思った。
○ロードの合間に表示されるTIPSの表示時間が短すぎる
Steam版の自環境だとロード時間が短すぎて表示が一瞬で見えない。
コレクション同様に確認できるページを作成して欲しい。
○不利Skill発動時のテンポの悪さ
行動を阻害するSkillが発動する際、連続でカードを選択している場面で止められてしまうことがあるため、頻繁に表示を止められるとただでさえ気になるテンポが更に悪くなるので台詞表示程度に留めておくべきではないかと感じた。
○ゲーム展開について
最後の1人が頑張って塔を攻略しなければいけなくなることは、難易度向上もあり、展開的にも面白いと感じたが、クリア後の2週目に突入して結局また2人攻略に戻ることなどから、2人で挑まなければいけないというゲーム性が否定されているようにも感じた。
○2周目以降について
ゲーム性が変わる、遊びやすくなる、敵が変更されるなどの変更が無いため、愛情度の上昇や攻略がひたすら作業になり、代わり映えがほぼない。
ハテナの経験を貯めることにより新たな展開が出るという変化はあるかもしれないが、結局はその段階の塔で同じことを繰り返して経験を溜めなければいけないため、継続してプレイする楽しみが薄い。
上記、まだこのゲームを完全に遊び尽くしたわけではないので、もしかすると解放していない機能だったり、見つけられていないだけだったり、理由があるかもしれないと現状認識しています。勘違いだったらごめんなさい。
終わりに
決して悪くない作品なのですが、やはり売り文句に出ている"ローグライク"を突っ張ると変に見られるのではないかと思ってしまう作品。
以前、とあるゲームでユニークな3Dアクションと銘打って発売したゲームががっかり作品だったように、このパブリッシャーさんはジャンルの謳い方(宣伝の仕方?)に問題があるのかなと思ってしまいました。
以上。
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