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KNACK ふたりの英雄と古代兵団 クリア感想

 PS4版にてメインストーリーをクリアしました。難易度は普通。

 ソニーのSIE・JAPANスタジオ自らが開発。簡単操作で誰でも楽しめるということで興味を持ちプレイしてみたところ、謳い文句に偽りなく楽しむことができました。思った以上にボリュームもあり、間違いなく良ゲーではある。

 ただ個人的に思ったのは、簡単ではあるがお手軽ではない、難しくはないが忍耐力はいるなということ。万人向けに作られたゲームであるからこそ、各プレイヤーのジャンルの好みや腕前次第で感想は分かれるのかもしれないなと感じました。

 なお、本作はオフライン限定ではあるが2人協力プレイができる。当然、私は1人で遊びましたよ、はい。

 ところで、私は事前情報をあまり仕入れずにプレイしたのですが、タイトルの「KNACK」というのは主役の名前で、何ならこの記事の表紙がナック本人であり人間ではなかったということに少々驚いたりしました。だって、パッケージ版の表紙だけ見ると、主人公の人間を操作するんかなと勘違いしちゃったんだもの。当のナックはマスコットキャラかと思ってたしさ。そもそも、勝手にパズルアクションゲームと思い込んでいたら、ガッチガチのアクションゲームだったしね。

デカいナックも置くべきだったと思う

 では、感想を。


ストーリー

 大昔、ハイゴブリンたちが作った古代兵団が街へと襲ってきた!
 レリックから生れたナックと少年ルーカスが世界を守るために立ち上がる!

 というシンプルなあらすじ。ナックの声優は楠大典さん、少年ルーカスは石田彰さんと洋画吹き替えでおなじみの人たち。

 シンプルなわりには人間側に団結感がないのが何とも言えない感じ。ドラマ性を上げるためだろうけど、こんな人間不信なやり取りは子供に見せられないなと思った。力あるもので統率されているゴブリン側の方が一致団結しているように見えるのは皮肉すぎない?

 また終始、ルーカス君が思春期を拗らせてくるが、声優のおかげか、はたまた一部の大人の脇役が胡散臭い言動をするせいか、不快になることはなかった。どちらかといえば、とある人物が「ようやく真剣になったな」と投げた言葉に私もルーカス君と一緒にイラっとした。そりゃあ、ルーカス君も拗らせるわ。

キレ気味なルーカス君

 あと、力のナック、知恵のルーカスという役割ではあるが、かなりの割合でナック任せなことが多いのも残念な点。ムービーパートはともかく、ゲームパートではほぼ協力してこない。ナックの人柄がナイスガイで良すぎるのがいけないのかもしれない。

ヒーローの鑑である

 とはいえ、メインはあくまでヒーローが世界を守るというシンプルな話なので、ヒーロー・ナックの雄姿を楽しむ分には差し支えないことではある。ナックは良いキャラなのに、ソニーの看板にはならないのか。

ジャンル

 レリックから生まれたヒーローのナックを操作、カメラ固定でステージの奥へと進む一本道のステージクリア型3Dアクションゲーム。私がプレイしたことのある他のゲームで系統が近いと思うのは、スーパーマリオ3Dワールド、クラッシュバンディクー、ラチェット&クランクあたり。一番近いのはソニーのPS5ソフト、アストロプレイルームかな。

 他のゲームにはないナックの大きな特徴は、身体の大きさをボタン1つで自在に変えられること。小さくなれば狭い道や穴を潜り抜けられ、大きくなれば単純にパワーと体力がグンと上がるようになる。

本体は1m未満の大きさ
レリックが積み木みたいに重なって150cmほどの大きさへ
時には10mの巨体へ変わることも

戦闘

 最初はジャンプにパンチやキック、回避や防御に遠距離攻撃の反射ができるが、ストーリーを進めるごとにシステムが解放されていく。戦闘は腕が伸び始めてからが本番で、更に中盤から追加されるブーメランが使えるようになってから本格的な戦闘が始まるようになると思う。これらアクションも複雑な操作はなく、基本的にボタン1つでできる簡単設計。

ゴムゴ・・・いや何でもありません

 また、一部のステージ限定で用意されている兵器を使って戦うこともできる。大砲や戦車に戦闘機、何とロボットにも乗れるロマンも味わえる。期間限定なのがもったいないくらい楽しめた。

大砲
戦車
ロボット

 そして結構な頻度でQTE操作が出てくるが、あくまで場を盛り上げるための演出となっているので、単純にナックが飛んだり跳ねたりする様を楽しめるようになっているのはグッド。

 敵にやられた際のペナルティはなく、体力が0になってもロードを挟まずにすぐリトライでき、リトライのチェックポイントもかなりこまめに作られているので、ほぼやられた直前から瞬時にやり直せる。

 また、体力とは別に黄色の輪っかのシールドゲージがあり、これが少しでも貯まっているとゲージが0になるまでは体力の代わりに減るようになっている。まさに、あらゆる親切設計を完備しているといえる。

 基本的に気軽で楽しいものなのだが、爽快感抜群かと聞かれたら答えに少々困ってしまう。というのも敵がなかなかに厄介なため、いくらペナルティが皆無といえどもストレスはかかりやすいと思ったからだ。

 まず、このゲームは決して連打ゲーではない(たまにスーパースターの無敵状態みたいになって無双できるところはある)。ナックの攻撃が大振りなのに対して、敵は素早い攻撃をしてくるため先制攻撃がされやすくなっている。

 また、敵は容易に回避をしてくるのでこちらの攻撃が空振りに終わることもある。そして序盤は盾持ち、中盤にはこっちから触れることができない電撃をまとう敵、バリア持ちが現れたりと、特定の攻撃手段でないと防御を破れずゴリ押しが通じない敵が増えてくる。

 何より、1番のストレスは遠距離攻撃。とんでもなく命中精度が良すぎなのに加えて、追尾性能を持った敵もいるため、ナックの移動や回避が弱いこともありハチの巣にされやすい。となると、防御か反射が安定なのだが更に厄介なことに、例えば敵に遠距離2体・近距離2体が用意されていると、遠距離攻撃を防御中に近距離も同時に食らい防御が崩されてダメージを受ける、なんて連携攻撃されることがザラにある。1対複数戦がきついんだよね。

対策必須である

 良い方向で考えるならマンネリ打破であり、そのおかげで歯応えある戦闘をすることができる、となる。とはいえ、難易度が普通でも敵の攻撃が激しいこともあり、アクションが苦手な人には勧めにくいゲームデザインなのは万人向けとしてはどうかなとは思った。お手軽ではなく、忍耐力がいる、というのはここにある。ペナルティがないから簡単と捉えるゾンビ精神を持つか、敵にやられすぎて疲れてしまう豆腐メンタル持ちかによって評価は変わるかと思われる。

 私はどちらかといわれれば、ペナルティありの死にゲーで挫けるような豆腐メンタル持ちなんだが、やられたら間髪入れずにチェックポイントに戻されるため、「野郎ぅ、ぶっころしてやぁぁぁ!」とあったまった気持ちでリトライしてました。

ジャンプ・パズルアクション

 スーパーマリオシリーズやクラッシュバンディクーでもおなじみのジャンプアクションは比較的易しめ。ナックの操作性はすこぶる良く、着地判定は甘めで、リメイク版クラッシュバンディクーみたいに着地で滑らないのは大きなポイント。戦闘同様に落下ペナルティがなく、リトライもすぐできる親切設計。

 パズルアクションにしても易しく、万が一分からなくなったとしてもヒント機能まで備わっている安心設計。

押したらヒントというよりも答えを図で教えてくれる

 また、ステージごとに隠し宝箱が設置されている。これも見つけるのは易しい方だが、基本的には脇道であったり、小さいナックでないと入れない穴に入った先に隠されているのがほとんどで意外と見逃しやすい。私みたいなRPGプレイヤーなら、どこに隠されているかが察知しやすいと思われる。

ガジェットは便利なので是非とも集めたいところ

やり込み要素

 前述した隠し宝箱や、メインストーリーでは明かされないミッション、更にこれまたメインストーリーでは表示されないスコアが計算されている。強くてニューゲームもあるので難易度上げてもう一度、てこともできる。

ランキングは4万とほにゃらら位でした

総評

 難易度選択ができるので、ただ楽しくゲームしたい人や、簡単操作でも骨のある戦闘をしたい人には良ゲーになると思う。対複数戦で苦労したりやられまくっても、ペナルティなしで瞬時にリトライできるのでやりがいはある。

 ジャンプ等のゲームの操作も快適で楽しく遊べるゲームだと思うので、スーパーマリオシリーズもしくはクラッシュバンディクーみたいなカートゥーン調のアクションゲームが好きならば、プレイの選択肢に入れても良いんでないかな。

 ・・・正直、私はこのゲームは良ゲー判定してて、優等生なのにシリーズ化しないのはもったいないなと思っているんだけど、売り上げがよろしくない理由も察せられるんだよね。万人向けってハードル高いわ。

プレイ時間は電源入れっぱの時間もあるので参考までに

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