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アサシンクリード ブラザーフッド(エツィオコレクション) クリア感想

 PS4版にてクリアしました。本作はアサシンクリードシリーズの第3作目であり、エツィオを主人公とした3部作の2作目。

 前作から続けてのプレイとなりましたが、基本操作がまんま同じでありながら戦闘を中心に細かな調整や追加、更には遊びの幅が前作以上に増えていることもあり、ダレることなく楽しくプレイできました。その反面、難易度は大味だった前作から引き締まったものになった気がする。難しいとはまた違うから表現しづらいが。

 ストーリーは前作のラストシーンから地続きで繋がっているため、敵味方の相関図や前後の文脈の理解を深めたい場合は前作のアサクリ2は必修科目となる。ストーリーをガン無視するならシステムが洗練されたこれからしてもいいかもだけど。実際、本編よりサブイベややり込み要素の方がやりがいは今作の方がある。

 こちらが前作の感想文。

 なお、今回の感想文は前作との比較多めとなります。ではいきます。


ストーリー

現代編

 現代編の主人公であるデズモンド・マイルズの前作で行われたアサシン育成計画が上手くいったことにより、本腰を入れてエデンの果実(通称リンゴ)の行方を追うためにエツィオの記憶を更に読み進めることに。

 前作と違うところは、本編進行中に任意でエツィオの記憶から抜けることができるようになり、その合間に現代編の仲間たちと会話したり拠点内をうろうろできるようになった。とはいえ、テレビドラマみたくCMが挟まれる間の小休憩時間みたいなものなので有益な情報はほぼなく、現代編の仲間と会話のキャッチボールをしたり意味深なメールに興味がなければスルーOK。でも、私はショーン君の皮肉応対は声優効果もあって好きだよ。

 どちらかといえば、今回の現代編の拠点が前作でエツィオが拠点にしていたモンテリジョーニの跡地なため、前作でがんばって街を改築した身としてはそこを探索できるのは嬉しい要素だった。襲撃されてる割に屋敷以外の街はキレイなまんまだし、照明看板や車が無造作に置いてあるのは奇妙なもんだが。

現代編でのモンテリジョーニ跡地

 更に、アンチャーテッドやトゥームレイダーみたいな一本道の遺跡探索なんかもあったりと、前作以上にボリューム満点。現代編のアサシンクリードは思った以上にファンタジー感満載なことを認識した。

 なお、現代編ストーリーのラストは前作以上に意味深なまま次回へ続く!とお預けを食らった。ひどいよぉ。

本編

 前作で無事にリンゴを手に入れたエツィオ・アウディトーレが拠点であるモンテリジョーニに帰還したものの、同じく暗躍していたロドリゴ・ボルジアの息子であるチェーザレ・ボルジアの襲撃により街は壊滅。ボロボロになりながらも危機を脱したエツィオが、ボルジア一族が支配しているローマにて反撃の狼煙を上げるために行動を起こし、後にアサシンたちの長になるのが大筋の話。

 前述したように前作ラストシーンから地続きで繋がっているのだが、もともとはアサクリ2のシナリオの一部だったらしく、それを分けたのが今作とのこと。公式がX(旧Twitter)で言ってた。

 内容的には敵対者との裏の政争に仲間たちと協力して立ち向かったり、アサシンの組織を立ち上げたりと短編集の詰め合わせみたいなものになっている。また、前作では色々な都市を旅するように転々としていたのと違い、舞台となる街はローマのみ。そして、ストーリーのボリュームは前作と比べて少なくなっているように思う。

何気にグラフィックも良くなっている(特にお肌)

 ドラマ性にメリハリはあるので決して面白くないわけではないが、ローマを支配しているボルジア一族との抗争に終始する点はちょっと物足りない。また、前作の若かりしエツィオは言葉より拳が飛び出す激情家だったから、今回のように落ち着きのあるおじさんになったのは少し寂しいかな。その分、敵のチェーザレやルクレツィアの気性が激しく悪人らしいキャラは良い感じになってたけど。

左:ルクレツィア、右:チェーザレ

 本編ストーリーのラストは、怒涛の展開から現代編に負けず意味深な終わり方がなされている。次回作、エツィオ最後の物語に期待するとしよう。

戦闘

 前作から基本操作は変わらず据え置きでありながら、細かな調整や追加によりブラッシュアップされ完成度が高くなったように思う。いくつかを箇条書きで比較すると、

・前作の防御はR2ボタン押しっぱなしで背後以外の敵の攻撃は自動的に全部弾く、万能通り越してチート。
→今作は2~3回連続で攻撃を受けると体勢が崩れてダメージを受けてしまうので回避を差し込む必要性が出た。

・前作は正面から戦うと1人ずつしか倒せない。
→今作はエクスキューションストリークというシステムにより、カウンターで1人倒せば流れるように追加で1人、更にもう1人と連続で複数人まとめて倒せるようになった。無論、連続ですると対象外の敵が割り込んで攻撃するので通常攻撃かカウンターの二択の見極めが必要。万能ではないが、それでも強い。

・前作の戦闘は1人きり
→今作はアサシンの弟子たちによる介入が追加、召喚すれば自動的に指定した敵を暗殺もしくは正面から戦い、更に専用ゲージが3つ溜まっていれば画面上に映る敵を一掃する矢の嵐を発動可能。最強。

私の弟子たち

・前作の飛び道具は投げナイフと銃
→今作はクロスボウが追加、静音性と確実性の優れモノ。ステルス行動なら投げナイフより、場合によったらアサシンブレードの暗殺より有効的で強い。

・前作の肉弾戦は殴る、掴む、投げるができた
→今作はキックが追加、どんなやつでも必ず怯むので剣の追撃が容易にできて強い。

・前作は落下すると場合によっては即ゲームオーバー
→今作はパラシュートが追加、操作ミスで落下してもダメージを防げるはず。でも私は完全に忘れてて一度も使わなかった。上のスクショ見て思い出したわ。

 といったところか。

 前作の私はアサシンブレードによる暗殺やカウンター狙いばかりだったのが、上記のバリエーションが増えたおかげで攻撃の手数が増え、追加されたもの全てが強いのもあって前作以上に楽しむことができた。反面、防御は弱体化されており、前作より被ダメージ量が増えたようになんとなく思う。

 また、一部の任意で受けるサブイベントによっては空からだったり海からだったりと、ダ・ヴィンチ開発の専用兵器による戦闘がイベント内の期間限定で体験できて楽しかった。アサシンのお仕事とは何だろうね。

なぜか海戦
なぜか戦車

 それにしても戦車で検索したらさ、マジでダ・ヴィンチが戦車考案してた歴史的事実があったなんてのは知らなかったよ。

ミッション(サブイベント)・やり込み要素

 本編にも共通性があるこれらをまとめてレビュー。中身は前作とほぼ同じで、引き続き本編とは関係ないやり込み要素であるため、任意でやるかどうか決めるものになっているが、こちらも細かな追加などがあり本編よりやりがいのあるものになっている。

 分かりやすく変更されているものをピックアップすると、まずはビューポイント。

 ビューポイントは前作では特定の建築物に登って地図の詳細を開放する作業性の強いものだったが、今作は大半のポイントに敵の支配の象徴であるボルジアの塔が併設、これによって敵拠点を攻め落とすというゲーム性が追加されてマンネリ解消になったと思う。中には塔の真下に遺跡があり、その地下に敵がいるなんてものもあった。

 次は宝箱。

 前作の宝箱はお金しか入ってないのに数は余るほど無駄にあったが、今作は店舗の方でクエストというものが追加、特定の素材と引き換えに強い武具や拡張アイテムが開放されるもので、その素材の一部がたまに宝箱に入っているものがある。数も前作より少なくなっているので見かけたら開けようと思うようになれた。

 他にも戦闘の項目で取り上げたダ・ヴィンチ関連のミッションやアサシンの弟子育成要素など色々あるが、基本は前作と似てるところもあり、あまり言うと細かくなりそうなので割愛する。ミッションや収集要素の数は前作より気持ち控えめになっているが、バリエーションが増えたこともありやってて楽しいのは今作かな。

やり残しやほったらかしのミッションが山ほどある

 ただ、一部のミッションの時間制限+追いかけっこミッションはトライ&エラーとフリーランの制御に苦労するので勘弁してもらいたい。あと、今作から導入されたフルシンクロ率100%というお題は意外と初見ではクリアできない条件もあって、精神的にノビノビとプレイできなくて困ったものだった。

総評

 システムは前作からより洗練されているため、アサクリ2からやっている人だけでなく、もし仮にアサクリ2で不満を持った人がいるなら試しにやってもらいたいくらいには良い出来になっていた。特に戦闘のバリエーションが増えたのは大きいし、そのどれもが強いのも良い。前作の反省を踏まえて作られている印象は持てた。

 ストーリーは前作ほど話が大きく動くわけではないが、チェーザレやルクレツィアといった魅力のある悪役が登場しており、本編ストーリーもそこまで長くなくテンポも良いので、ダレることなく楽しめると思う。

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